雨のスタディオ・オリンピコで行われた 2018/19 セリエA第21節ラツィオ戦はカンセロ選手の活躍でユベントスが 1-2 で逆転勝ちしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SS Lazio [3-4-1-2] |
Juventus [4-3-3] |
|
---|---|---|
GK | 1: ストラコシャ | 1: シュチェスニー |
DF | 15: バストス 13: ワラセ 26: ラドゥ |
2: デ・シリオ 19: ボヌッチ 24: ルガーニ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 16: パローロ 21: ミリンコビッチ 6: L・レイバ 19: ルリッチ 10: L・アルベルト |
30: ベンタンクール 23: エムレ・ジャン 14: マテュイディ |
FW | 17: インモービレ 11: コレア |
11: ドウグラス・コスタ 10: ディバラ 7: ロナウド |
ラツィオのインザーギ監督は 3-4-1-2 を選択。パローロ選手を右 WB で起用し、L・アルベルト選手とホアキン・コレア選手がインモービレ選手をサポートする陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。温存されたキエッリーニ選手の代わりにルガーニ選手が先発。前線はD・コスタ、ディバラ、ロナウドの3トップで試合に臨みます。
試合はハイプレスを選択したラツィオのペースで始まる。まずはワラセがエムレ・ジャンのマークを外してフリーでシュートを放つも、肩に当ててしまった力のないシュートはシュチェスニーにキャッチされる。
10分にはコレアが左サイドを突破して折り返しを入れるが、これはルガーニがブロック。しかし、このプレーでボヌッチが芝に足を取られ、右足首を負傷してのプレーを強いられてしまう。
調子が上がらないユベントスを尻目にラツィオは19分にコレア、27分にはL・アルベルト、37分にはパローロが枠内シュートを放つ。しかし、いずれの決定的な枠内シュートもシュチェスニーがストップ。ユベントスは何とか前半を 0-0 で折り返す。
後半に入ってもラツィオの勢いは止まらない。すると、59分に均衡が破れる。左 CK を獲得したラツィオはL・アルベルトがインスイングのボールを入れる。すると、ニアサイドの競り合いがブラインドとなり、エムレ・ジャンに当たってオウンゴール。ラツィオが先制する。
アッレグリ監督はここでシステム変更を決断。マテュイディを下げてベルナルデスキを投入し、4-4-2 にシフトする。70分にはD・コスタに変えて最後の交代枠でカンセロを投入すると、この采配が的中する。
74分にA・サンドロからのスルーパスにベルナルデスキが反応し、深い位置から折り返しのクロスを供給。これをディバラがダイレクトシュートで狙うも、ストラコシャがセーブ。このこぼれ球をカンセロが押し込み、ユベントスが同点に追いつく。
このゴールで勢いを取り戻したユベントスは87分にディバラからのボールを受けたロナウドが左サイドのベルナルデスキに展開。クロスを受けるためにエリア内へ走り込んだカンセロがルリッチに倒され、ユベントスが PK を獲得。これをロナウドがゴール正面上に決め、1-2 と逆転に成功する。
ユベントスはアディショナルタイムにカンセロがカウンターで持ち上がり、決定的な場面を手にするも、最後に選択したベルナルデスキへのパスが通らずに決定的な3点目を奪えない。対するラツィオも94分に獲得した FK をミリンコビッチ=サビッチが枠を大きく外して万事休す。
結局、試合は 1-2 で終了。カンセロ選手の1ゴール1PK を獲得する活躍でユベントスが逆転勝利で勝点3を手にすることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などに対する採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
雨という難しいコンディションだったが、相手のシュートを確実にキャッチして防ぎ、チームの窮地を救い続けた。許したゴールもオウンゴールであり、GK の責任ではない。
DF: デ・シリオ 6.0
コレアのサイド攻撃に手を焼き続けるも、何とか守り切ることに成功。ただ、攻撃面での貢献はほとんどできず、苦しい試合となった。
DF: ボヌッチ 5.5
10分に右足首を負傷し、以降はビルドアップに参加することができずにパスコースを制限する要因となる。最終的に40分で退くこととなり、負傷の程度が気になるところだ。
DF: ルガーニ 6.5
前半は中央での守備をほぼ1人で担い、シュチェスニーと協力してゴールを守り続けた。インモービレに1度だけ裏抜けを許したが、シュートミスに救われた他は安定しており、力強さを示した。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
チームのプレー内容が上がらない中、サイドでの突破を試みるなど奮闘する。同点ゴールのきっかけとなるパスを通しており、派手さはないが、堅実なプレーでチームに貢献した。
MF: ベンタンクール 6.0
中盤でバランスを取り、攻守のサポート役として汗をかく。ただ、前半はボールを受けることすら満足にできず、この点は不満の残る部分だった。
MF: エムレ・ジャン 5.5
アンカーとしてプレーした60分は最悪の内容だったが、ダブルボランチの一角としてプレーした残り30分は別人だった。ピアニッチの役割を任せるという考えは改めるべきだろう。
MF: マテュイディ 5.5
ボヌッチとエムレ・ジャンの状態が悪く、後方が不安定の中では推進力を発揮することができなかった。60分で途中交代となっており、アタランタ戦での巻き返しが期待される。
FW: ドウグラス・コスタ 6.0
ラツィオが万全の対策を講じていたこともあり、直近の試合で見せていた圧倒的なパフォーマンスは影を潜める。その中でも実力の片鱗を見せるなど、できる最大限のプレーは見せていた。
FW: ディバラ 6.0
チーム最初のシュートとなった74分の場面でボールを確実に枠内に飛ばし、状態の良さを示す。厳しいマークを受ける中で集中力を切らさず、最後まで戦えていたことは大きい。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
中央での自由が消され、サイドに流れてのチャンスメイクが多い試合だった。勝ち越しの PK を決めたのは流石だが、流れの中では存在感を示すことはできなかった。
【交代選手など】
DF: キエッリーニ 6.5
41分に負傷したボヌッチに代わって緊急出場をする。チームの状態は即座に上がり切らなかったものの、何とか耐えて逆転勝利する土台となるプレーを見せていた。
FW: ベルナルデスキ 7.0
マテュイディとの交代で60分から出場。左サイドのアタッキングハーフを担当し、ラツィオの DF ラインを突破して決定的なクロスを供給する仕事を2度も行い、チームの勝利を大きく引き寄せた。
DF: カンセロ 7.0
D・コスタに代わり70分から出場機会を得る。ディバラのシュートのこぼれ球を押し込み、後半終了間際には PK を獲得するなどの大仕事をやってのけた。まさに “切り札” だった。
アッレグリ監督 6.5
ラツィオのゲームプランに全く対応できず、ハーフタイムでの修正も機能しなかった。ただ、60分のシステム変更で変化の兆しを掴むとカンセロの投入で逆転に成功。苦しみながらも勝点3を手にした。エムレ・ジャンはピアニッチの代役よりダブルボランチの方が躍動することが見えたため、起用方法の見直しを図るべきだろう。
グイダ主審 6.5
カードの枚数の多い試合だったが、上手くコントロールがされていた。ルチッリは PK の判定に不満を示していたが、手を使って倒したプレーが見逃された方が問題と言えるだろう。判定水準は公平なものだった。