2018/19 UEFA チャンピオンズリーグ・ラウンド16のアトレティコ・マドリード戦(セカンドレグ)が行われ、ユベントスはロナウド選手のハットトリックで 3-0 で勝利し、2戦合計 3-2 で準々決勝進出を果たしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
Atletico Madrid [4-4-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: オブラク |
DF | 20: カンセロ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 37: スピナッツォーラ |
4: アリアス 24: ヒメネス 2: ゴディン 20: ファンフラン |
MF | 23: エムレ・ジャン 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
6: コケ 14: ロドリゴ 8: サウール 11: レマル |
FW | 33: ベルナルデスキ 17: マンジュキッチ 7: ロナウド |
7: グリーズマン 22: モラタ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。両 SB にカンセロ選手とスピナッツォーラ選手を抜擢し、右 WG にはベルナルデスキ選手を起用する布陣で試合に臨みます。
対するアトレティコ・マドリードのシメオネ監督は 4-4-2 を選択。ファンフラン選手をF・ルイス選手が不在の左 SB に回し、前線はグリーズマン選手とモラタ選手の2トップで試合を迎えます。
ユベントスはポゼッション時にエムレ・ジャンが1列下がって3バックの右 CB を務め、カンセロとスピナッツォーラが WB としてのポジションを採る陣形で攻勢を強める。
まずは3分にスピナッツォーラが左サイドを突破し、パスを受けたマテュイディがシュートを放つもボールは枠の右へと外れる。4分には左 CK から発生した混戦からキエッリーニが押し込むも、ロナウドのチャージがオブラクへのファールと判定され、ゴールは認められない。
ユベントスの変則3バックによるポゼッションに苦しむアトレティコは24分にグリーズマンのシュートが枠を捉えるが、これはシュチェスニーがセーブ。
試合が動いたのは27分。中盤でエムレ・ジャンがボール奪取に成功すると、左サイドのベルナルデスキに展開。ベルナルデスキのクロスに右サイドから走り込んだロナウドが頭で決め、ユベントスが1点を先制する。
その後もユベントスが押し込み続けるが、アトレティコは前半アディショナルタイムに右サイドのコケが入れたクロスにボヌッチのマークを外したモラタがヘディングシュート。しかし、シュートは枠を捉えず、前半は 1-0 で終了する。
後半、先にスコアを動かしたのはユベントス。48分にカンセロが入れたクロスをロナウドが再び頭で合わせる。これは GK オブラクがライン上でクリアしたかに見えたが、ゴールラインテクノロジーで得点が認められ、ユベントスが2戦合計で試合を振り出しに戻す。
アウェイゴールを決めて優位に立ちたいアトレティコだったが、ユベントスの変則3バックに対応したプレスをかけられず、前に出ることができず。また、ボールを持っても、中央に陣取るユベントスの守備ブロックを崩せずに袋小路に陥ってしまう。
一方のユベントスは82分にキエッリーニのフィードに反応した途中出場のケーンがオブラクとの1対1を迎えるが、左足シュートは枠の右へと外れる。
それでも、84分に左サイドを突破してエリア内に侵入したベルナルデスキがA・コレアに倒されて PK を獲得。この PK をロナウドがゴール左下に決め、2戦合計で 3-2 と逆転に成功する。
1点を返せば準々決勝に進出できるアトレティコだったが、前線に高さがないため、パワープレーに出ることはできず。サイドでボールをキープし、時計を進めるユベントスが試合を 3-0 で終わらせることに成功。ファーストレグを 0-2 で落としたユベントスが 3-0 で制し、逆転で準々決勝進出を決めた。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
肝を冷やしたのは前半にあった2本のシュートだけだった。ハイボールの処理も落ち着いて行い、安定感をもたらした。
DF: カンセロ 6.5
序盤は上手く試合に入れず、ミスを連発するなど攻撃を停滞させていた。ただ、時間と共に落ち着きを取り戻し、2点目をアシストするなどチームの勝利に大きく貢献した。
DF: ボヌッチ 6.0
モラタを見失うなど肝心の守備面で問題点を露呈するも致命傷には至らず。その一方で最終ラインのレジスタとしてアトレティコのプレスを外し、チームの波状攻撃を誘導する役割を完遂した。
DF: キエッリーニ 7.5
攻守においてエリア内を支配し、絶大な存在感を発揮した。前半に2度ほど決定機が訪れたが、ゴールにならなかったことだけが悔やまれる。
DF: スピナッツォーラ 7.0
先発起用に応え、フィジカルを活かした左サイドからの突破でアトレティコの守備陣を苦しめ続けた。十分すぎる仕事をしたと言えるだろう。
MF: エムレ・ジャン 8.0
攻撃時は3バックの右 CB として振る舞い、アトレティコのプレスを無効にする働きを行った。カウンター対策としても機能しており、1点目の起点になったことは見逃せない。
MF: ピアニッチ 6.5
アトレティコのプレスを回避し、ボールを左右に散らして前進する期待された仕事を行う。中盤で良く戦っており、攻勢に出るチームを演出した。
MF: マテュイディ 6.5
前線で自由に動くベルナルデスキやロナウドを踏まえてバランスを取り続ける。目立ったプレーは少なかったが、左サイドのケアを90分間続けて行った。
FW: ベルナルデスキ 8.0
ポジションに拘らず様々な場面で顔を出し、ゴールを狙う貪欲な姿勢を示す。先制点のアシストと PK 奪取という決定機な仕事しており、大きなアピールになったと言えるだろう。
FW: マンジュキッチ 6.0
ゴディンとのバトルを展開。競り勝って存在感を示すことはできなかったが、競り負けて相手を勢いづかせることもなかった。両者ともに痛み分けだった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 9.0
自らのハットトリックでチームを逆転で準々決勝に導く。ワンタッチゴールでチャンスを活かし切った上、PK の場面では冷静に決めた。自身の価値と名声をさらに高める試合となった。
【交代選手など】
FW: ディバラ 6.5
67分にスピナッツォーラとの交代で出場。右サイドをドリブル突破し、存在感を発揮する。アトレティコを相手に戦えることを示したのは大きい。
FW: ケーン 6.0
マンジュキッチに代わり80分から出場する。裏抜けに成功して決定機を手にしたが、シュートを枠の右へと外してしまう。枠内に飛ばすことが次回以降の課題と言えるだろう。DF の背後を狙い続ける動きは良いものだった。
アッレグリ監督 9.0
攻撃時はエムレ・ジャンを3バックの右 CB に置くことでアトレティコのプレスを無効化にし、左サイドでは WB としての実績が十分のスピナッツォーラを起用することで走力とフィジカルの消耗戦に持ち込んだ。強固な守備ブロックを破壊するための的確な選手起用と戦術は監督の手腕と言えるものだろう。ロナウドと並ぶ MVP だ。
カイペルス主審 6.5
試合開始から5分足らずで VAR によるチェックが必要になるという熱い試合だったが、カードは極力提示せずに試合をコントロールした。PK についてもベルナルデスキを背後から押していたのだから、判定は妥当だったと言えるだろう。