ユベントスは公式サイト上で現地4月2日に行われた 2023/24 コッパ・イタリア準決勝ラツィオ戦でマッケニー選手が人種差別チャントを浴びせられたことへの必要な対処策を採ると表明いたしました。
イタリア・サッカー連盟(FIGC)の出方が注目点と言えるでしょう。
アリアンツ・スタジアムで4月2日(火)に行われた 2023/24 コッパ・イタリア準決勝に先発出場したマッケニー選手は89分にアルカラス選手と途中交代。
バックスタンド側からピッチ外に出て、(中継では左奥手に映る)アウェイ・セクターの前を通ってベンチに戻ろうとした際に人種差別チャントを浴びせられていました。しかし、この件をマッチ・オフィシャルはレポートに記しておらず。
クルヴァ・ノルドにいたユベントスのティフォージが撮影した証拠映像が SNS で拡散したことで事態は表面化しました。
ユベントスは「責任のある当事者を特定して必要な措置を採るための手続きを開始した」とクラブ声明で表明。クラブとしての “最低限の” 責務は果たす姿勢を示しています。
注目点となるのは「イタリア・サッカー連盟(FIGC)の出方」です。
ナポリのJ・ジェズス選手が「インテルのアチェルビ選手から試合中に人種差別的な侮辱された」と訴えた件で「確固たる証拠がないのでお咎めなし」の判決を下し、ナポリが怒りを表明する事態にまで発展したからです。
今回のマッケニー選手の件では「証拠映像は SNS にアップされている」が「FIGC の正式書類では人種差別チャントが発生した報告はされていない」ことがポイントです。
「個人の SNS アカウントに投稿された映像は(AI などによる)フェイクの可能性が拭い切れないため証拠として採用することはできない」との理由で幕引きを図れるからです。
人種差別などの人権問題に取り組んでも、“取り組んだ組織” の利益にはなりません。ただ、人種差別を受けた選手を守ることに消極的なサッカークラブや協会は「スポンサーの敬遠」という不利益に直面することは避けられません。
ユベントスは FIGC の対応を注視すると共に「人種差別問題に対する適切な取り組みを継続している」との報告を多様な情報伝達経路で発信することが重要になると思われます。