『カルチョ・エ・フィナツァ』が UEFA が発表した『欧州クラブの財務および投資の展望(2023年度版)』を基に「イタリアでファン1人あたりの観戦費用が最も高額なのはユベントスだった」と報じています。
基本的にチケット代はクラブの売上高と相関関係にあるため、ユベントスがイタリア国内でトップに位置するのは必然と言えるでしょう。
『カルチョ・エ・フィナツァ』が根拠にしているのは UEFA が毎年発表している "The UEFA European Club Finance and Investment Landscape" です。
その2023年度版(PDF)が公表され、ユベントスが 2022/23 シーズンに記録した『1試合あたりの入場料収入』は220万ユーロ。『ファン1人あたりの入場料収入』は60ユーロだったと報告されています。
前者は欧州全体で16位。マルセイユやウェストハムの『1試合あたりの入場料収入』よりも少ない水準です。
一方の後者は欧州全体で9位。ミラン(43ユーロ)やインテル(38ユーロ)を上回る水準であり、このことが「イタリアで最も観戦費がかかる」と指摘される理由となっています。
この『ファン1人あたりの入場料収入』ですが、クラブ経営的に下げようとする動きは起こらないでしょう。
- 一般販売分を『ほぼ完売』にする
- チケットの入手が困難になると、試合を確実に観戦できる『VIP チケット』の価値が上がる
- スポンサー企業向けの方が個人向けよりも収益性は高い
- スタジアム改修を機に一般販売用のチケット代を値上げ
『VIP チケット』が売れるほど、一般販売分のチケット価格が据え置きであっても『ファン1人あたりの入場料収入』は “上がる” のです。
重要なのは「『一般販売分のチケット価格』がどのように推移しているか」なのですが、チケットがプラチナ化すると『一般販売分のチケット価格』が上昇することは避けられない現実も存在します。
ただ、『新規顧客層になり得る若者や子供が敬遠してしまうほどのプラチナ価格』となっては本末転倒です。クラブとしてどのようにバランスを取って行くかが経営的な注目点になると思われます。