『スカイ・イタリア』や『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、モンツァやフィオレンティーナなど複数のクラブが2024年1月の移籍市場でユベントスのケーン選手を期限付き移籍で獲得することに関心を示しているとのことです。
ただ、移籍が実現するための障壁を乗り越えられるかは不透明な状況となっています。
イタリア・メディアがケーン選手の期限付き移籍を報じる理由は「ユベントスは年俸の支払いから解放される」ことに加え、「選手は EURO 2024 での代表入りへのアピール機会を得らえる」の2点です。
ただ、“税制優遇措置の対象であるケーン選手” の年俸は推定300万ユーロ。「ケーン選手との契約を1年延長」した方がクラブ財政へのプラス効果は大きい状況です。
- ケーンの残存簿価: 推定1930万ユーロ(2023年6月末)
- 現行契約('25年夏): 年間965万ユーロの減価償却
- 1年延長('26年夏): 年間643万ユーロの減価償却
- 年間322万ユーロの圧縮
- ケーンの残存簿価: 推定1448万ユーロ(2023年12月末)
- 現行契約('25年夏): 年間965万ユーロの減価償却
- 1年延長('26年夏): 年間579万ユーロの減価償却
- 年間386万ユーロの圧縮
今年24歳になるケーン選手は「今夏に1000万ユーロの移籍金を残せば損益分岐は上回る」ため、『クラブからの提案』を固辞したことで被る不利益は限定的です。
選手が『クラブの思惑どおりに決断』を下してくれるとは限らないでしょう。
ちなみに、イタリア・メディアが報じたケーン選手の期限付き移籍先候補は以下のとおりです。
- モンツァ
- コロンボ: 3得点1アシスト(17試合1104分)
- フィオレンティーナ
- ベルトラン: 3得点1アシスト(16試合738分)
- エンゾラ: 1得点2アシスト(19試合1035分)
- ボローニャ
- ザークツィー: 7得点2アシスト(19試合1596分)
- トッテナム
- イタリアからの補強が目立つので候補入り
- ヴェルナーを獲得したので候補から外れる
ユベントスとしてはケーン選手に「契約を1年延長した上で(経営陣との関係性が良好でチーム戦力が上位勢よりも劣る)モンツァに期限付き移籍をして欲しい」が本音でしょう。
しかし、そのシナリオだとケーン選手側にメリットはありません。
戦力がより整っているフィオレンティーナに期限付き移籍をした方が『チームの上位進出に向けたラストピース』としての評価を得やすいですし、『プレミアリーグ再挑戦』の選択肢も存在するからです。
それに “脛骨を痛めて現在離脱中のケーン選手” は1月下旬の復帰を目指してリハビリ中です。また、ユベントスはキエーザ選手が「ひざのコンディション不良」による離脱を複数回しているため、FW 陣の頭数を減らすリスクは存在します。
ケーン選手の去就がどのような結末となるのかに注目です。