2023/24 セリエA第10節が行われ、ホームにヴェローナを迎えたユベントスは後半アディショナルタイムのカンビアーゾ選手のゴールが決勝点になり、1-0 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-2] |
Hellas Verona FC [3-4-1-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: モンティポ |
DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 24: ルガーニ |
23: マニャーニ 27: ダヴィドヴィチ 24: テッラッチャーノ |
MF | 22: T・ウェア 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ (C) 11: コスティッチ |
5: ファラオーニ (C) 90: フォロルンショ 18: オングラ 3: ドイグ 33: ドゥダ |
FW | 9: ヴラホヴィッチ 18: ケーン |
99: ボナッツォーリ 11: ジュリッチ |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。2トップの一角がミリク選手からヴラホヴィッチ選手に代わった以外は前節ミラン戦と同じ先発メンバーで試合に臨みます。
対するヴェローナのバローニ監督は 3-4-1-2 を選択。トップ下にドゥダ選手を起用し、前線にはボナッツォーリ選手とジュリッチ選手を配置。守備陣は先発が予想された選手が名を連ねて試合を迎えます。
最初にゴールネットを揺らしたのはユベントス。13分にブレメルからの縦パスを受けたケーンが反転ターンからドルブルで持ち上がってミドルシュートをゴール左下に突き刺す。だが、VAR でケーンの右足かかとがわずかに出ていたとの判定でゴールは認められない。
ケーンは19分にコスティッチからのクロスに左足で合わせたが、シュートは枠の右へと飛んでしまう。
一方でチャンスを作れていなかったヴェローナは前半アディショナルタイムの47分に左サイドに流れたドゥダが入れたクロスがクリアされたところをボナッツォーリがボレーシュート。しかし、GK シュチェスニーに阻まれてゴールとはならず。
前半は両チームともに均衡を破れず、0-0 で終了する。
後半も地力で上回るユベントスが攻め立てる時間が続く。49分にフィジカルを活かしてマーカーを振り切ったラビオがミドルシュートを枠内に飛ばすも、GK モンティポが横っ飛びセーブでゴールを死守する。
53分にはケーンがカウンターからT・ウェアに展開し、リターンのクロスをヘディングシュートで応えて再びゴールネットを揺らす。しかし、VAR でケーンが切り返し時にファラオーニの顔面を叩いたと判定されて得点はまたも取り消されてしまう。
ユベントスは69分に交代出場直後のキエーザがマッケニーからの折り返しに右足で合わせたが、ファラオーニに阻まれて1点が遠い時間帯が続く。
ユベントスは後半アディショナルタイムの92分にミリクのフリックに反応したユルディズが右足ボレーで合わせるもシュートはクロスバーの上。耐え続けたヴェローナに勝利の女神が微笑みかける。
だが、諦めないユベントスは土壇場の96分にガッティがクロスを入れるとファーサイドでミリクがヘディングシュート。これは右ポストに嫌われてしまったが、跳ね返りによって生じた混戦からカンビアーゾが押し込んで先制に成功。
この1点が値千金の決勝点となり、ユベントスが勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
味方が攻勢を強める中で集中力を切らさず。嫌な時間帯に放たれたシュートを確実にストップし、クリーンシート達成に貢献した。
DF: ガッティ 6.5
守備での安定性に加え、適宜参加した攻撃においても堅実なプレーを披露。決勝点の起点となるクロスの精度などでもアピールに成功した。
DF: ブレメル 6.0
対人守備以外ででもコンスタントに貢献中。今季はパス精度が向上したことが特筆事項だろう。13分に通した縦パスは足元の技術に自信を持つ CB のプレーそのものだった。
DF: ルガーニ 6.0
CB として序列は高くないが、左右どちらでも一定のプレー水準を保証してくれることが何より心強い。仕事人として今節でも最後尾の一角でチームを下支えしていた。
WB: ティモシー・ウェア 5.5
前節ミラン戦で見せていた輝きを放つことはできず消えている時間帯が多かった。求められるタスクが変わった際に素早く適応できるかが今後のポイントになるだろう。シーズンはまだ前半戦だ。
MF: マッケニー 6.0
中盤でのフィジカルバトルを担いつつ、“ポケット” への侵入などペナルティーエリア内にまで顔を出す献身性を披露する。ただ、決定打に関与できておらず、ネガティブな評価になっても不思議ではない。
MF: ロカテッリ 6.0
辛抱強く中盤でバランスを取り続ける。大外で待つコスティッチに良いタイミングで展開するなど周囲の状況は見えており、ミドルシュートの精度も良かった。
MF: ラビオ 6.0
左 WB が担当するエリアのフォローを担いつつ、中盤でのフィジカル・クオリティーを提供。ゲーム・キャプテンとしてプレーでチームを牽引していた。
WB: コスティッチ 6.5
フィジカルの強さを活かし、左サイドからのクロスや走り込みでチャンスを創出。昨シーズンに見せていたコンディションの良い時期に戻りつつあるパフォーマンスが続いている。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
期待値の高い選手であることは分かるが、期待に応えるプレーができていないことは明らかだった。前線でボールを収めることに苦労するとなると自らのシュート機会も去ってしまう典型的な試合になってしまった。
FW: ケーン 7.0
審判団にゴールを盗まれた被害者だ。13分の場面は “厳格に” 判定すればノーゴールだが、53分の判定は明らかに誤審だろう。19分のシュートミスは悔やまれるが、選手の評価が上がったことに違いはない。
【交代選手など】
MF: ミレッティ 6.0
後半開始と同時にT・ウェアに代わって出場する。持ち前の状況判断力と戦術遂行力を発揮して中盤のクオリティーアップに貢献。フィジカルが要求される試合で消えなかったことは自信になるはずだ。
WB: カンビアーゾ 6.5
62分にコスティッチとの交代で出場。96分に値千金の決勝点を決めたことは高く評価されるべきだろう。その一方で相手チームが仕掛けた “罠” に自ら飛び込んでボールロストを招くなど課題が露呈したことは改善しなければならない。
FW: キエーザ 6.0
ケーンとの交代で62分から出場。交代直後に絶好の得点機が訪れたが、ファラオーニの立っていた所にシュートを飛ばしてしまいヒーローにはなれず。仕掛けた際に PK を取られなかったのも不運だった。
FW: ミリク ー
81分からヴラホヴィッチに代わって出場する。最前線でのポストプレーヤー兼リンクマンとして立ち振る舞い、チームの攻撃を円滑化。職人としてチームに貢献していた。
FW: ユルディズ ー
87分にルガーニとの交代で出場機会を得る。後半アディショナルタイムにミリクのフリックに反応して抜け出したが、肝心のダイレクトボレーシュートが枠を捉えなかった。
アッレグリ監督 6.5
首を傾げざるを得ない判定に見舞われ続けたが、勝点3を持ち帰れたことは何より大きい。改善すべき課題のある選手は成長を促せば十分だろう。イリングやニコルッシなど出場機会が極端に少ない選手をどうするかがチームとして問われることになると思われる。
フェリシアーニ主審 5.5
次節からはセリエBの担当に戻るだろう。審判員および審判団が力量不足だったことは否めない。VAR を用いたにも関わらず、審判団の不味い判定によって選手が正当な評価が得られないことは損失でしかない。