2022/23 セリエA第14節ヴェローナ戦はケーン選手のゴールでユベントスが 0-1 で競り勝ちました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Hellas Verona FC [3-4-2-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 1: モンティポ | 36: ペリン |
DF | 27: ダヴィドヴィチ (C) 6: ヒエン 17: チェッケリーニ |
3: ブレメル 19: ボヌッチ (C) 6: ダニーロ |
MF | 24: テラッチャーノ 18: オングラ 77: スレマナ 3: ドイク 11: ラザーニャ 30: カロン |
11: クアドラード 44: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
FW | 19: ジュリッチ | 14: ミリク 18: ケーン |
ヴェローナのボッケッティ監督は 3-4-2-1 を選択。ジュリッチ選手を CF に配置し、2列目にラザーニャ選手とカロン選手を配置するなど予想された顔ぶれとは異なる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。こちらはボヌッチ選手が先発に復帰し、前線ではミリク選手とケーン選手が2トップを組むなど予想どおりの布陣で試合に臨みます。
最初に決定機を得たのはホームのヴェローナ。3分に得た右 CK はブレメルに跳ね返されたが、クリアボールを回収したスレマナがミドルシュート。だが、ボールは枠のわずかに右。
16分にはクアドラードからの縦パスを引っ掛けてショートカウンターを発動させると最後はラザーニャがミドルシュート。これは GK ペリンがゴールライン手前でキャッチする。
対するユベントスは22分にボヌッチのロングフィードを受けたミリクが切り返しから左足でミドルシュート。こちらは GK モンティポが正面で難なく処理をする。
徐々にペースを取り戻したユベントスは38分にクアドラードからの横パスを受けたファジョーリがロカテッリにラストパス。少し距離のある位置から放たれたミドルシュートが枠を捕らえたが、GK モンティポが横っ飛びセーブで CK に逃れてゴールとはならず。
前半は互いに譲らず、0-0 で折り返すこととなる。
後半で先にスコアを動かしたのはユベントス。60分にロカテッリがスルーパスを送るとボールの勢いを保ったままラビオがケーンにラストパス。ケーンも流れとスピードを活かして左足シュートを決め、ユベントスが先制に成功する。
73分にユベントスはコスティッチのプレスからミリクがボールを突き出して最後は途中出場のミレッティが詰めるもシュートまでは放てず。この直後にヴェローナは左サイドを抜け出したラゾヴィッチのクロスからラザーニャが合わせるもボヌッチがブロックで阻む。
攻勢に転じて果敢さが増したヴェローナは83分にボレーシュートを放とうとしたヴェルディがボヌッチに蹴られて PK を獲得。だが、VAR でボヌッチの左足で先にボールに触れていたと確認されて PK は取り消されてしまう。
92分にはアンリのポストプレーに反応してスペースに抜け出したラザーニャをペナルティーエリア直前で倒したA・サンドロが一発退場となるも、ヴェルディの FK は枠を捕らえずに試合終了のホイッスル。
試合はケーンのゴールを守り切ったユベントスに軍配が上がった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ペリン 6.0
難しい処理を強いられる枠内シュートにはほとんど見舞われることなく安定したパフォーマンスでチームの勝利に貢献した。
DF: ブレメル 6.5
イタリア・ダービーで痛めた右ひざの状態を懸念する声もあったが相手を圧倒する対人守備力で不安を一蹴。試合中に4バックの状態でプレーする時間が増えることも将来に向けてプラスに働くだろう。
DF: ボヌッチ 6.0
ミリクにピンポイントのロングフィードを届けるなど持ち味が見えた試合だった。VAR に救われたが守備面では盤石とは言えず、これは不安材料として残るだろう。
DF: ダニーロ 6.0
疑惑のハンドはあったが、「支え手」と審判が判定すると反則にはならない。ポゼッション時にはロカテッリの横でダブルボランチを務めるなど多種多様な役割を担った。
WB: クアドラード 6.0
右サイドでドイクとマッチアップ。攻撃時に横幅を確保し、中央にスペースが生じるための献身性を示した。出突っ張りのため、後半になるとパフォーマンスが低下するのは止むを得ない。
MF: ファジョーリ 6.0
中盤でのリンクマンとして汗かき役を担当。若手選手が責任を負わさせる起用方法を好まないアッレグリが先発で使い続けていることが内容の良さを物語っている。
MF: ロカテッリ 6.0
相手を圧倒するパフォーマンスを示せた訳ではないが、“偽 CB” としてボランチの役割を担ったダニーロとも役割を分担。ファイナルサード近くにまで進出した際はミドルシュートで脅威となっていた。
MF: ラビオ 7.0
攻守両面で存在感を発揮。攻撃時にはチームに推進力をもたらし、勝点3に直結する美しいラストパスをケーンに届けて好調さをアピールした。
WB: コスティッチ 6.0
得意のクロスは相手に警戒されたが、その分はプレッシングでカバー。底なしのスタミナをフル活用した試合と評されるべきだろう。
FW: ミリク 6.0
シュート機会が限定されるストレスがある中でも守備での貢献を怠らずにチームのために汗をかき続ける。この献身性がアッレグリからの重宝される理由だ。
FW: ケーン 7.0
“魔法のタッチ” でチームに貴重な勝点3をもたらす。背負ったプレーでも巧さを発揮していたが、プッシングを比較的容認する主審が担当した試合では背負うプレーを控え目にするなどの “強かさ” が求められるようになるだろう。
【交代選手など】
MF: ミレッティ 6.0
63分にファジョーリとの交代で出場。殻を破っていることに疑いはないが、薄皮が絡まって真価を発揮し切れていない内容の試合が続く。トップチームでの初ゴールで束縛は消えるだろう。それまでの辛抱だ。
MF: パレデス 5.5
ロカテッリとの交代で63分から出場機会を得る。近い距離でのパス交換などでは持ち味を発揮したが、オフ・ザ・ボールでの守備時には不安定さを露呈していた。
FW: ディ・マリア 5.5
ケーンに代わり68分からプレー。ドリブルでの持ち上がりやシュートなど攻撃面での積極性を見せる。ただ、本調子と呼べるほどのプレーの正確さを見せ付けるまでには至らなかった。
WB: アレックス・サンドロ ー
79分にクアドラードとの交代で出場する。ラザーニャの抜け出しに対する反応が一瞬遅れたことで抜け出されて一発退場。その前に味方がファールで止めていれば、退場せずに済んだかも知れない。次節の不在は地味に痛手だ。
アッレグリ監督 6.5
チームが苦手とするアウェイのヴェローナ戦で結果を持ち帰ったことは大きい。その一方で守備に不安のある選手を投入するも、攻撃面でのクオリティーが上がり切らなかったことは反省材料にすべきだろう。首位ナポリに食らい付いていることは評価されるべきだ。
ディ・ベッロ主審 6.0
ダニーロのハンドや VAR での PK 取り消しなどヴェローナ側に不利な判定となっただけに批判は間違いなく出るだろう。明らかな誤審による被害を被ったユベントス側の帳尻合わせが行われたとの声が出ると騒動は長くは続かないと思われる。