『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が DF と MF に離脱者が相次いだことでユベントスのアッレグリ監督が緊急事態に直面していると報じています。状況と代替策を整理することにしましょう。
“SB を本職にする経験豊富な選手” の負傷離脱が相次ぐ DF 陣
まず、DF 陣は “サイドバックを本職にする経験豊富なベテラン勢” の離脱で戦力が手薄になっています。
- ユベントスの DF 陣で離脱中の選手
- デ・シリオ: 前十字靭帯の断裂(今季前半戦の復帰が目標)
- A・サンドロ: 左太もも(11月前半の復帰が目標)
- ダニーロ: 左太もも(復帰時期未定)
3バックを採用中のユベントスが現時点で起用できるトップチームの CB はガッティ、ブレメル、ルガーニの3選手のみ。明らかに手薄な状況になっています。
対応策としては『ハイセン選手の早急な戦力化』になるでしょう。
『4バックへの移行』は “サイドバックを本職にする経験豊富なベテラン勢” が3選手も離脱する状況なので「サイドバック不足」に直面することが避けられません。
したがって、2023年11月の国際Aマッチデーによる中断期間までは「現状の 3-5-2 に起用可能な選手をコンバートさせて凌ぐ形」にならざるを得ないと思われます。
“フィジカルで優位性が確保できる選手” が離脱する MF 陣
次に、MF 陣は “フィジカルを活かして攻守で優位性を確保できる選手” に離脱が相次いだことで手薄になりつつあります。
- ユベントスの MF 陣で離脱が懸念される選手
- ポグバ: ドーピング陽性(による出場停止処分)
- ファジョーリ: 違法賭博問題(による出場停止処分)
- ラビオ: 累積警告による出場停止(現時点でイエローカード4枚)
ユベントスにとって痛手なのは「技術面での貢献も計算できる『ボランチ型のインサイドハーフ』がファジョーリ選手の離脱によって不在になってしまうこと」です。
技術面だけにフォーカスすれば、『ユルディズ選手やイリング選手など若手有望株の起用』で代替可能でしょう。
守備 | 強靭 | 走力 | 技術 | 攻撃 | |
---|---|---|---|---|---|
ミレッティ | 〇 | 〇 | |||
マッケニー | △ | 〇 | 〇 | △ | |
ニコルッシ | △ | 〇 | △ | ||
イリング | △ | 加速 | 〇 | 〇 | |
ユルディズ | △ | 〇 | 〇 |
ただ、ユベントスのクラブ内育成選手である若手有望株は「ボール非保持時の守備対応」を課題にする(フィジカル的に未完成な)選手が多く、チームは『圧倒的なポゼッション率を前提にした戦い方』を採っていません。
したがって、「 “フィジカルを活かしたプレーを得意としない選手” を起用せざるを得ない状況の試合で守備での強度をどう担保するか」が迫られることになるでしょう。
また、地味に厄介なのは「ガゼッタ紙などが期待を寄せる若手有望株がアンダー世代を含む各国代表に招集されて不在」であることです。
ユルディズ選手はトルコ代表、イリング選手は U-21 イングランド代表、ハイセン選手は U-19 オランダ代表に参加中でユベントスの居残り組としてカンピオナートに向けた準備ができない状況です。
国際Aマッチデー明け直後に行われるセリエA第9節ミラン戦に “突貫工事” で間に合わせることは現実的ではないため、「第10節以降を見据えた準備」という形で戦力整備をすることができるのかに注目です。