アメリカへのプレシーズンツアーが終了して “小バカンス” を迎えているユベントスですが、残り1ヶ月弱となった2023年夏の移籍市場で「余剰戦力の放出」が必要な状況に変わりありません。
2023年8月5日時点でのユベントスの各ポジションを取り巻く状況を整理することにしましょう。
GK 陣
ユベンントスはトップチームに “信頼できる3人の GK 陣” を擁しており、編成が介入する必要性が低いポジションです。
主力組 | 準主力組 | |||
---|---|---|---|---|
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Szczesny (33) | €6.5m | GK | Perin (30) | €1.7m |
Pinsoglio (33) | €0.3m |
ただ、2023/24 シーズンは「実質的に国内リーグのセリエAのみ」ですから、正 GK だけでシーズンを戦い抜くことが可能です。
第3GK のピンソーリョ選手がプレシーズンマッチで上手くビルドアップにも参加して存在感を発揮していました。したがって、シュチェスニー選手かペリン選手のどちらかの年俸を期限付き移籍で圧縮できれば理想と言えるでしょう。
DF (CB, WB) 陣
DF は「選手を放出しなければならないポジション」です。
主力組 | 準主力組 | |||
---|---|---|---|---|
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Weah (22) | €2m | RWB | Soule (20) | €1m |
DeSciglio (30) | €1.7m | |||
Gatti (24) | €1m | RCB | ? | |
Bremer (26) | €5m | CB | Rugani (28) | €3.5m |
Danilo (31) | €5m | LCB | x | - |
Kostic (30) | €3.5m | LWB | Iling (19) | €1m |
Cambiaso (23) | €1.5m | |||
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Bonucci (35) | €6.5m | CB | DeWinter (20) | - |
A. Sandro (32) | €6m | DF | Pellegrini (24) | €1.5m |
3-5-2 をメインにするであろう 2023/24 シーズンはガッティ、ブレメル、ダニーロの3選手で『主力3バック』が形成されることが濃厚です。
“出場時間が分け合う可能性がある” のは『ガッティ選手の入る右 CB』だけ。『3バックの中央』と『左 CB』は「ブレメルかダニーロが長期離脱しない限り空きが生じないポジション」となっています。
また、WB は左右どちらも候補者多数の状況で「ポジションを確保する機会をどの選手から与えるか」がテーマになるでしょう。DF 陣は今季に即戦力を獲得する必要性が少ないポジションと言えるはずです。
- 構想外: ボヌッチ
- 放出候補: A・サンドロ、ルガーニ、ペッレグリーニ
- 貸し出し候補: デ・ヴィンテル
MF 陣
MF 陣も CB 陣と同様に「選手の放出が不可避となっているポジション」です。
主力組 | 準主力組 | |||
---|---|---|---|---|
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Weah (22) | €2m | RWB | Soule (20) | €1m |
DeSciglio (30) | €1.7m | |||
Fagioli (22) | €1m | RMF | Miretti (19) | €1m |
Locatelli (25) | €3m | DMF | ? | |
Rabiot (28) | €7m | LMF | x | - |
Kostic (30) | €3.5m | LWB | Iling (19) | €1m |
Cambiaso (23) | €1.5m | |||
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Pogba (30) | €8m | MF | McKennie (24) | €2.5m |
Zakaria (26) | €2.5m | MF | Rovella (21) | €1m |
3-5-2 がメインであれば、中盤はレジスタと2人のインサイドハーフで計3枠。2023/24 シーズンの中盤 MF 陣の主力が「ファジョーリ、ロカテッリ、ラビオの3人」であることは明らかです。
ファジョーリ選手は「出場機会を分け合う可能性」があり、ロカテッリ選手は「適度な休養が必要」であることから控え選手にも出場機会は訪れるでしょう。
しかし、ラビオ選手のポジションはその必要がほとんどありません。イリング選手をインサイドハーフで起用する程度しかポジションが空かないからです。
主力級の MF は4人いれば今シーズンは十分な状況であり、MF 陣もスリム化が必要と言えるでしょう。
- 放出候補: ポグバ、ザカリア、マッケニー
- 貸し出し候補: ロヴェッラ、ニコルッシ
FW 陣
FW 陣は「チャンピオンズリーグ出場を前提に揃えた必要戦力がそのまま残っている状況」であり、人件費を圧縮したいポジションであることは明らかです。
主力組 | 準主力組 | |||
---|---|---|---|---|
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Vlahovic (23) | €7m | FW | Milik (28) | €3.5m |
Chiesa (25) | €5m | FW | Kean (23) | €3m |
選手名 | 年俸 | 選手名 | 年俸 | |
Ake (22) | - | FW | K. Jorge (21) | - |
3-5-2 で FW 陣に与えられているのは2トップの2枠のみ。3-5-1-1 にするとトップ下でポグバ、スーレ、ユルディズの3選手が “新たに” 起用可能となるため人数は十分に足りています。
したがって、「交換トレードによる人件費の圧縮」だけでは焼け石に水となると思われます。
ちなみに、ヴラホヴィッチ選手とルカク選手の交換トレードは「ヴラホヴィッチ選手が固辞」すれば “ご破算” になる取引です。チーム最高給で復帰の目処が立たないポグバ選手はノータッチなのですから、クラブの思惑どおりには進まないでしょう。
予算を捻出するためにどのような策を講じるのかに注目です。