2022/23 シーズンが佳境を迎えるにあたり、2023年夏の移籍市場で補強が必要となるポジションをマスコミ報道が活発化する前の段階で整理しておくことにしましょう。各ポジションごとに言及したいと思います。
GK: 補強の必要度 → 低
まず、GK は2023年夏の段階で補強に動く必要性はありません。正 GK シュチェスニー選手と第2GK ペリン選手の二枚看板が健在だからです。
補強の必要性が生じるのは「現行契約が残り1年となるシュチェスニー選手が今夏での退団を希望した場合のみ」です。
シュチェスニー選手が “ユベントスが希望する年俸額” での(来夏以降の)契約延長に応じた場合は「後任 GK の獲得は不要」になります。したがって、GK 部門の動向はシュチェスニー選手次第となるでしょう。
DF: 2023年夏の最優先補強ポイント
ユベントスが2023年夏の移籍市場で最優先で補強に動かなければならないのが DF 陣です。理由は「量と質の双方で問題を抱えているポジション」だからです。
- 来季も戦力として計算
- CB: ブレメル、ガッティ
- SB/CB: ダニーロ、デ・シリオ
- 立場は微妙
- 契約満了: クアドラード、A・サンドロ
- 費用対効果: ボヌッチ、ルガーニ
『左 CB』と『右 WB/SB』の2選手は新たに獲得したいところです。
これらのポジションには「来季はユベントスのトップチームで戦力になり得る」との評価を確立させているレンタル移籍組は見当たりません。したがって、移籍金を費やして選手を獲得せざるを得ないでしょう。
そのため、DF 陣の補強を済ませる前に MF や FW に資金を費やして獲得することはないと思われます。
MF: 補強の必要度 → 低〜中
MF 陣は「メディアが記事にするほど補強の必要性は高くない」ことが実情です。
LMF | DMF | RMF | |
---|---|---|---|
戦力 | (ラビオ) ポグバ |
ロカテッリ | |
育成 | ミレッティ | ? | ファジョーリ |
契約下 | アルトゥール、ザカリア、マッケニー | ||
ロヴェッラ、ニコルッシ、ラノッキア |
ユベントスが2023年夏の移籍市場で求められる MF 陣に関する取引は以下の順になるでしょう。
- ラビオとの契約延長
- “ロカテッリの控えを担当するレジスタ” の獲得
- セリエAに期限付き移籍中の若手3選手からの抜擢も選択肢
- プレミアリーグに期限付き移籍中の3選手の売却
メディアはサッスオーロのフラッテージ選手の獲得を “猛プッシュ” していますが、ユベントスが獲得に本腰を入れるのは「ラビオ選手との契約延長に失敗」し「プレミアリーグに期限付き移籍中の選手の売却目処が立ってから」です。
見切り発車で獲得してしまうとファジョーリ選手やミレッティ選手など下部組織出身の若手選手の出場機会を妨げることになるのです。この事情があるため、メディアが期待する派手な動きは少ないと考えられます。
FW: 補強の必要度 → 低
FW 陣は「MF 陣よりも2023年夏の移籍市場での補強の必要性は少ない状況」にあります。質と量の双方が充実しているからです。
LWG | CF | RWG | |
---|---|---|---|
戦力 | キエーザ コスティッチ |
ヴラホヴィッチ (ミリク) |
(ディ・マリア) |
育成 | イリング | ケーン | スーレ |
今夏の移籍市場での優先事項は「現有戦力の維持」です。具体的には「ディ・マリア選手との契約延長」と「ミリク選手の買取オプションの行使」でしょう。
ホイルンド、スカマッカ、ザニオーロ、ニョントなど補強候補として様々な名前が飛び交っているものの獲得には「名前が出ている選手が本職にするポジションの主力選手がユベントスを退団すること」が前提です。
ポジションが重複することは「既存の主力選手か新加入選手のどちらかが控えになる」ことを意味します。そのために多額の移籍金を投じることはないでしょう。
Bチームからトップチームでの出場機会を伺う CF や WG の若手有望株が複数在籍していますし、そうした選手のための枠も確保しておく必要もあるからです。
したがって、FW 陣の補強に関しては「マスコミの飛ばし記事」で終わる可能性が高いと思われます。
4月以降の残りシーズンで当落戦上にいる選手の去就が確定することになるため、チームの最終成績とともにどのような状況で2023年夏の移籍市場を迎えることになるのかに注目です。