プレミアリーグの移籍市場が8日に閉まったことで、1つの山場を超えました。残りの移籍期間で選手を放出する必要があるユベントスですが、“買い手市場” になっていることが懸念点と言えるでしょう。
■ ほとんどのビッグクラブは「FW の補強」を必要としていない
(プレミア勢を除く)資金力のあるビッグクラブの「FW 陣の補強」に対する立場は以下のものと考えられます。
チーム名 | 寸評 |
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バイエルン | “ロベリー” が退団したため、WG の補強が不可避。何らかの動きは起こすはず |
ローマ | 代替選手の獲得が暗礁に乗り上げているため、ジェコ放出を渋っている状況 |
ドルトムント | ゴールゲッターとして君臨する CF が不在。ただし、大金を投入する可能性は低い |
PSG | ネイマールがパリ脱出を画策し、カバーニは32歳と獲得に乗り出す動機はある |
アトレティコ | ジョアン・フェリックを獲得し、FW 陣の人数は満たされている |
インテル | ルカクの獲得に成功。イカルディとペリシッチの引き取り先を募集中 |
バルセロナ | グリーズマンの加入でコウチーニョの処遇に悩む。FW 陣は質も量も屈指の陣容 |
レアル | ベイルやハメスの放出に頭を悩ませている状況。新たに FW を獲得する見込みは低い |
ユベントスは「FW と MF を 1〜2 選手を放出したい」という立場にありますが、ほとんどのクラブが “買い手市場” に頭を悩ませています。
買い手に回る必要があるのはバイエルンだけですが、求めているポジションはウィンガーです。そのため、バイエルンがユベントスから選手を獲得するなら、ディバラ選手かD・コスタ選手のどちらかになるでしょう。
■ イカルディ陣営からの熱烈ラブコールが強まる可能性が大
インテルはユナイテッドから獲得したルカク選手に背番号9を与えました。これはイカルディ選手に対する “痛烈なメッセージ” になっており、ユベントスに獲得を促すことにもなります。
なぜなら、現フロント陣はプライド的に「マロッタとアッレグリの遺産で勝った」と言われたくないと考えられるからです。
したがって、イカルディ選手の獲得話に乗る可能性は十分にあると言えるでしょう。しかし、ユベントスの FW 陣は現時点で人員過剰です。
資金力のあるプレミア勢が移籍市場にいた時期に交渉をまとめることができなかったのですから、プレミア勢以外のビッグクラブとの交渉を妥結に持っていくことも簡単ではないと思われます。
■ ディバラを『偽9番』としてカウントするなら、CF の放出は避けられない
サッリ監督はロナウド選手を左サイドで起用し、カットインからの得点も狙う『7番』として期待しています。ただ、ゴールへの強い拘りがあるロナウド選手と『純粋な9番』を共存させることは非現実的です。
これは「ロナウド選手のゴールをお膳立てできる9番」を同時に起用しなければ、チームのバランスが崩れてしまうことが原因です。
なぜなら、ロナウド選手の決定力は世界屈指であり、他の選手が決定機を逸するほどファンから「ロナウドの得点機を作る」との批判が強くなるからです。
現状では『9番』に分類される選手が多すぎます。ロナウド、ディバラ、マンジュキッチ、イグアインと4選手を擁している状態ですから、少なくとも1選手は放出する必要があるでしょう。
ユベントスのフロント陣が余剰人員を上手く整理することができるのかに注目です。