イタリア・サッカー連盟(FIGC)は公式サイト上で「キャピタルゲイン疑惑の差し戻し審でユベントスに勝点10剥奪の処分を下した」と発表いたしました。ユベントスは公式サイト上で「判決理由を精査した後に CONI への控訴もあり得る」と表明しています。
キャピタルゲイン疑惑に関しては「4ヶ月前の2023年1月下旬に時計の針が巻き戻っただけ」です。ただ、恣意的なペナルティーであることは白日の下にさらされました。
- 2023年1月の裁判
- FIGC 検察局の求刑: 勝点9剥奪
- 連盟控訴裁判所の判決: 勝点15剥奪
- CONI の裁定: 判決の差し戻し
- 2023年5月の差し戻し審
- FIGC 検察局の求刑: 勝点11剥奪
- 連盟控訴裁判所の判決: 勝点10剥奪
「ユベントスが UEFA のコンペティションに出場できないよう他チームの獲得勝点との差によって量刑が決められている」のです。
罰則規則として “明文化されていない状態” なのですから、現状は恣意的と言わざるを得ないでしょう。「カルチョへの投資は見合わない」とのメッセージが配信されるだけの結果となっています。
ちなみに、ネドヴェド前副会長および非常勤の社外取締役6名は「無罪(=職務停止処分は撤回)」となりました。
“取締役会に名を連ねる常勤のネドヴェド副会長” が「お咎めなし」で、パラティチ CFO が退任した後に就任したアリヴァベーネ前 CEO が「有罪」という奇妙な状況が確定したのです。
2021年夏までは “非常勤の社外取締役” だったアリヴァベーネ前 CEO が『キャピタルゲイン疑惑』で有罪となるには「2021/22 シーズン以降の移籍市場でキャピタルゲインが発生する交換トレードが行われている場合」です。
結論ありきの欠席裁判と同じなのですから、ユベントス側がイタリア五輪委員会(CONI)のスポーツ保証委員会に再度控訴する流れになるでしょう。
ただ、CONI のスポーツ保証委員会は「裁判の手続きに問題はない(し、量刑の決定権は我々の管轄外)」との姿勢で逃げを打つと思われます。
FIGC の方針は「来季以降も不変」と想定されるため、ユベントスのクラブ運営方針も『持続可能な経営を最優先』に根本から変更することを迫られるしょう。どのタイミングで舵を切るのかに注目です。