イタリア・サッカー連盟は公式サイト上でユベントスに勝点15剥奪の制裁などを科すと発表いたしました。“キャプタルゲインゲート” を理由に来季のチャンピオンズリーグ出場権を剥奪することが狙いでしょう。
今回の判決が下されたのはイタリア・サッカー連盟(FIGC)の内部組織である控訴裁判所です。
ユベントス以外にも8クラブがキャピタルゲインゲートに関する収支の水増しが疑われて告訴されていましたが、裁判所は「選手の評価額を決めるのは各クラブの自由裁量」との理由で棄却としました。
これに納得の行かない FIGC の連盟検察が(トリノ地検から新たに入手した資料を基に)再審を請求。
検察側が “ユベントスのみ” を対象に「勝点9の剥奪」および「当時の幹部への職務停止処分」を要求したところ、控訴裁判所が求刑を上回る「勝点15の剥奪」および「当時の幹部への職務停止処分」を下したという流れです。
この判決に対し、ユベントスは公式サイト上で FIGC 控訴裁判所の上級審にあたる『CONI (イタリア五輪委員会)裁判所』への上告を表明。
FIGC 控訴裁判所の裁定理由は10日以内に公表されるため、公表日を起点に期限である30日以内に上告することになります。
今回の「勝点15剥奪」はユベントスを 2023/24 シーズンの UEFA チャンピオンズリーグから締め出す狙いであることが透けて見えます。
- 2022/23 シーズン第18節を終えた時点でのセリエAの順位
ユベントス: 勝点37- インテル: 勝点37
- ラツィオ: 勝点34
- アタランタ: 勝点34
- ローマ: 勝点34
- ウディネーゼ: 勝点25
- トリノ: 勝点23
- フィオレンティーナ: 勝点23
- ユベントス: 勝点22(※ 勝点15の剥奪)
「キャピタルゲインゲート問題によって金銭的制約が緩和された状態で移籍市場での選手の取引を行ってスポーツ面での優位性を確保したのだから欧州の舞台から締め出されなければならない」というロジックが働いているのでしょう。
UEFA は『スーパーリーグ構想』でユベントスなどと対立中ですから FIGC 控訴裁判所の判決を「支持」する声明を出したとしても不思議ではありません。
今後の争点は「CONI (イタリア五輪委員会)の上訴審での判決」と「ユベントスのみを狙い撃ちにする FIGC の対応」に移ると思われます。
法律や規則は “全クラブ” に対して公平かつ平等に適用されなければなりませんし、恣意的な法治はセリエAへの投資を躊躇させる要因になるからです。まずは CONI が下す裁定に注目です。