2022/23 UEFA チャンピオンズリーグ第5節ベンフィカ戦は3点のリードを得たベンフィカが 4-3 で逃げ切り、ユベントスはチャンピオンズリーグ敗退が決定しました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは下表のとおりです。
SL Benfica [4-2-3-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 99: ヴラホディモス | 1: シュチェスニー |
DF | 6: バー 66: アントニオ・シウバ 30: オタメンディ (C) 3: グリマルド |
15: ガッティ 19: ボヌッチ (C) 6: ダニーロ |
MF | 61: フロレンティーノ・ルイス 13: エンソ・フェルナンデス 20: ジョアン・マリオ 27: ラファ・シウバ 8: アウルスネス |
11: クアドラード 8: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
FW | 88: ゴンサロ・ラモス | 9: ヴラホヴィッチ 18: ケーン |
ベンフィカのシュミット監督は 4-2-3-1 を選択。アウルスネス選手が左サイドに入り、J・マリオ選手が右サイドを担当。それ以外の9選手は第2節と同じ配置で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。右 CB にガッティ選手が抜擢され、ダニーロ選手が左 CB として先発。ヴラホヴィッチ選手とケーン選手の2トップで試合に臨みます。
試合は右サイドのJ・マリオを起点にベンフィカが主導権を握る。試合が動いたのは17分。ベンフィカは左 CK をショートコーナーで再開するとエンソ・フェルナンデスのクロスにA・シウバが頭で合わせて先制する。
対するユベントスは22分に左 CK からダニーロが競ってボールが流れたところをヴラホヴィッチが押し込むもオフサイドの判定。しかし、VAR でゴールが認められ、1-1 の同点に追い付く。(公式記録は最後に押し込んだケーンの得点)
逆転を狙いたいユベントスだったが、27分にアウルスネスが視野に入っていなかったクアドラードが痛恨のハンドで PK を献上。これをJ・マリオがゴール左上に決めてベンフィカが再び先行する。
ベンフィカは35分に右サイドのJ・マリオのクロスに2列目からゴール前に走り込んだフリーのR・シウバが難なく合わせて3点目。前半はベンフィカが2点のリードを持って折り返す。
後半も主導権はベンフィカ。50分にボヌッチの縦パスがグリマルドにカットされるとラストパスを受けたR・シウバが冷静に決め、ベンフィカのリードは3点に拡大する。
気落ちしたユベントスとは対照的にベンフィカは61分にゴンサロ・ラモスに決定機が訪れるもシュチェスニーが辛くもストップ。76分にはR・シウバも決定機を掴んだがシュートを決め切れない。
すると直後のユベントスは77分に途中出場のイリングが左サイドを縦に持ち出してクロスを入れると中央でミリクが左足で合わせて1点を返すことに成功する。
これで息を吹き返したユベントスは79分にイリングの仕掛けから GK と DF の間にクロスで生じたこぼれ球をスーレが狙う。これはブロックされたが、混戦からマッケニーが押し込んで1点差に詰め寄る。
追い上げられたベンフィカは86分にユベントスの左 CK からロングカウンターを発動させてR・シウバが決定的なシュートを放つも右ポスト。対するユベントスはスーレとガッティに決定機が訪れたが、シュートはどちらも枠のわずかに左。
結局、試合はこのまま 4-3 で終了。ベンフィカがグループ突破を決め、ユベントスはチャンピオンズリーグからの敗退が決まった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
至近距離から放たれたシュートや PK で4失点。好守を見せており、失点の責任を GK に負わせるのは不公平だろう。
DF: ガッティ 5.5
現時点でのベストは尽くしていた。1失点目は自身がマークするA・シウバに決められたものが、あれは前に入られた時点で勝負が付いていた。レッスン代にする必要がある。
DF: ボヌッチ 4.0
第2節での残念なプレーよりも悲惨だった。この選手との契約を延長しようとしているクラブがあるそうだ。
DF: ダニーロ 5.5
1人で左サイド全般の守備をするのは不可能であり、それが原因でフラストレーションを溜め込んでいた。
WB: クアドラード 4.5
チームに生じた勝利への機運をハンドで萎ませる。アウルスネスが先にボールを処理したので確認不足は擁護できない。攻撃でも存在感を発揮できなかった。
MF: マッケニー 6.0
右サイドで献身的に動き続け、終盤は右 WB としてゴール前にまで顔を出して得点を記録。託す役割を間違わなければ計算できる選手であることを示した。
MF: ロカテッリ 5.0
トップ下のクオリティーの違いに苦しむ。R・シウバは攻守両面でエンポリのトップ下より数段上であり、それが理由で輝くことはできなかった。
MF: ラビオ 5.5
ベンフィカの素早い寄せでロカテッリなど中盤や最終ラインを効果的に助けることができず。不完全燃焼の試合になってしまった。
WB: コスティッチ 5.5
左サイドからクロスによるチャンスメイクを繰り返す。だが、システム的にスペースとなる自身の背後へのケアに追われ、怖さを発揮し切れなかった。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
前回の対戦よりも CF としてファイナルサードで仕事をしており成長の跡を窺い知れた。ゴールとは記録されなかったが嗅覚の良さを見せていた。
FW: ケーン 5.5
強みであるフィジカルを消す守備をベンフィカにされたが、その中で40分に惜しいシュートを放つなど最善のプレーはできていた。ゴールはご褒美と言えるだろう。
【交代選手など】
FW: ミリク 6.5
後半開始と同時にケーンとの交代で出場。イリングのクロスに合わせて追撃の狼煙を上げ、チームに活力をもたらす働きをしていた。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
60分にボヌッチとの交代で出場し、左 CB を務める。
MF: ミレッティ 6.0
クアドラードに代わって60分から出場する。中盤を構成する役割を担い、勝負するスペースを作り出すことに注力していた。
FW: スーレ 5.5
70分にヴラホヴィッチとの交代で出場機会を得る。右 WG としてのプレーが中心となり、ゴール前に侵入して積極的にシュートを放ち続けた。
FW: イリング 7.0
コスティッチとの交代で70分から出場。コスティッチ以上に左サイドで脅威となり、クロスから2点を演出。相手のシュミット監督が即座に右 SB を交代させたことが評価を物語っている。
アッレグリ監督 4.5
信頼してピッチに送り込んだであろうボヌッチとクアドラードの2人が完全に誤算だった。伸び代が期待できる若手を主体にユース部門で採られているスタイルで戦った方が内容が良かったのは皮肉としか言いようがない。
ヨヴァノヴィッチ主審 6.0
冷静に試合を裁いていた。PK の判定はトラップしたアウルスネスからクアドラードが右手でボールを奪取した形になったのだから妥当な判断だった。