2021/22 コッパ・イタリア決勝は延長戦で2点を奪ったインテルが 2-4 でユベントスを振り切ってトロフィーを獲得しました。
両チームの先発した選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [4-2-3-1] |
FC Internazionale [3-5-2] |
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GK | 36: ペリン | 1: ハンダノビッチ (C) |
DF | 6: ダニーロ 4: デ・リフト 3: キエッリーニ (C) 12: アレックス・サンドロ |
33: ダンブロージオ 6: デ・フライ 37: シュクリニアル |
MF | 28: ザカリア 25: ラビオ 11: クアドラード 10: ディバラ 20: ベルナルデスキ |
36: ダルミアン 23: バレッラ 77: ブロゾビッチ 20: チャルハノール 14: ペリシッチ |
FW | 7: ヴラホビッチ | 9: ジェコ 10: ラウタロ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-2-3-1 を選択。ヴラホビッチ選手とディバラ選手が縦関係の2トップを組む予想された布陣で試合に臨みます。
対するインテルのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。ヴラホビッチ選手対策でシュクリニアル選手を左 CB に回す一方、中盤 MF 陣や攻撃陣はお馴染みの顔ぶれで試合を迎えます。
試合が動いたのは立ち上がりの6分。インテルは右 CK が流れるも逆サイドでバレッラが回収。そのまま中央に仕掛けたバレッラが巻いたシュートをゴール右隅に決め、インテルが先制する。
ユベントスは23分にクアドラードの縦パスを受けたディバラが素早く前を向いてシュートを放つが、GK ハンダノビッチがストップ。
直後の24分にはキエッリーニが跳ね返したクリアボールがディバラの足元に届くと裏のスペースにスルーパス。これに反応したヴラホビッチが左足で強烈なシュートを放つも、GK ハンダノビッチが好守で応戦する。
29分にユベントスはベルナルデスキの左 CK にデ・リフトが合わせるも相手守備陣に当たって再び CK に。ベルナルデスキが再び入れた CK のこぼれ球をディバラが叩きつけて狙ったがシュートは枠を外れる。
一方のインテルは36分にペリシッチの仕掛けを起点にチャルハノールとブロゾビッチが狙ったがこちらも相手守備陣のブロックに阻まれてノーゴール。ユベントスは41分にダニーロを負傷で失い、1点のビハインドを背負って前半を終える。
後半で先にスコアを動かしたのはユベントス。50分にヴラホビッチがキープから強引にシュートを放つも相手 DF がブロック。跳ね返りをA・サンドロがミドルで狙うとモラタがフリックする形でゴールに吸い込まれ、ユベントスが同点に追い付く。
すると52分にユベントスはインテルの左 CK を跳ね返えすとディバラのスルーパスに反応したヴラホビッチがカウンターを完結させて 2-1 と逆転に成功する。
インテルは55分にチャルハノールのクロスにダルミアンが右足ボレーで合わせるもシュートは GK ペリンが横っ飛びセーブ。同点の機会を逸してしまう。
逃げ切りを図るユベントスはボヌッチを投入して5バックでの防戦を続けていたが78分にペリシッチが落としたボールを狙ったラウタロをボヌッチが倒してしまいインテルが PK を獲得。これをチャルハノールがゴール右上に決め、試合は 2-2 の同点となる。
延長戦でスコアを動かしたのはインテル。97分にデ・フライがデ・リフトに倒されたと VAR で確認され、インテルが再び PK を獲得する。これをペリシッチがゴール左上に決めて、インテルが逆転に成功する。
同点に追い付きたいユベントスだったが、102分に左 CK からカウンターを受けるとディ・マルコの持ち上がりから最後はペリシッチが狙いすました左足シュートを決めてインテルのリードは2点に拡大する。
結局、ユベントスは反撃して詰め寄ることができずに試合は 2-4 のままで終了。インテルがコッパ・イタリアのタイトルを獲得した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ペリン 6.0
ダルミアンの決定的なシュートに好セーブで応戦するなど良いパフォーマンスだった。インテルが決めた4点で責められることは酷と言わざるを得ない。
DF: ダニーロ 5.5
チームに推進力を与える仕事はできず。前半終了間際に負傷での交代を強いられた。
DF: デ・リフト 5.0
ジェコとラウタロを封じ込めていたが、その仕事で手一杯となってしまった。最後は試合の行方を決定付ける PK を献上。苦味の残る試合となった。
DF: キエッリーニ 6.5
最終ラインを統率し、歯を食いしばって戦い続ける。主将としてのプレーを体現していた。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
左サイドで機を見てオーバーラップなどによる攻撃参加で厚みを加え、同点に追い付く起点となるミドルシュートを放つなど結果を残す。守備でもゴール前で身体を張ってクロスを弾き出し続けた。
DMF: ザカリア 5.5
ダブルボランチの一角として辛抱強くプレーを続ける。フィルター役や繋ぎ役など汗をかき続けた。
DMF: ラビオ 6.0
左サイドを主戦場に流れの中では右サイドでもボール奪取に貢献するなど120分に渡る献身性を披露した。
OMF: クアドラード 5.5
右サイドからのアーリークロスなどアクセントを加えていたが、対峙したペリシッチなどの攻撃参加による威力を弱めることはできず。押し込まれ続ける結果を招いてしまった。
OMF: ディバラ 6.0
相手ペナルティーエリア付近でのラストパスやシュートなど攻撃の仕上げで顔を出す。逆転のゴールをお膳立てするなど期待された仕事は果たしていた。
OMF: ベルナルデスキ 5.0
両サイドのアタッキングハーフとしてプレー。ただ、左サイドでプレーした前半と比較すると、右サイドに回った後半では仕掛けなどでのチャンスメイクに陰りが生じてしまっていた。
FW: ヴラホビッチ 6.5
チームの2得点に直接関与し、ペナルティーエリア内で脅威となる存在であることを示した。最終ラインの選手がヴラホビッチに縦パスを入れるのではなく、MF や WG の選手が常にヴラホビッチの動きを見るチームにすべきだろう。
【交代選手など】
FW: モラタ 6.5
41分に負傷したダニーロとの交代で出場。ハンダノビッチのブラインドとなってA・サンドロのシュートをお膳立てし、ヴラホビッチの逆転ゴールを生み出す起点としても機能した。
DF: ボヌッチ 5.0
66分にベルナルデスキに代わって出場し、3バックの中央を担当。ラウタロを倒して PK を献上するなど守備固めとしての役割を果たすことはできなかった。
DMF: ロカテッリ 5.5
ザカリアとの交代で66分から出場。負傷明け直後で中央でのフィルター役としては厳しく、同点に追い付かれた後はポジショニングが不明瞭で不完全燃焼に終わった。
DMF: アルトゥール 5.5
84分にキエッリーニとの交代で出場。レジスタの位置で組み立てを担おうとしたがチームに全体を押し上げるスタミナは残っておらず力を発揮することはなかった。
DF: ペッレグリーニ ー
A・サンドロに代わり、延長開始直後の91分から出場する。
FW: ケーン ー
ディバラとの交代で99分から出場。
アッレグリ監督 6.0
あっさり先制点を許したことは反省点だが、前後半にそれぞれ得点が期待できる流れを作って逆転までやり遂げたことは評価されるべきだろう。また、ボヌッチを入れて逃げ切りを図ったことも采配として間違いではない。守りに徹し始めた時間帯は見直す余地はあるが、セリエAで最高給を得ている2人の CB が PK を献上しては監督にできることは限られている。
バレリ主審 6.0
ラウタロの PK はシュートモーションと言うより残り足だったため、PK の判定には多少の議論が起きるだろう。デ・リフトは左足で引っ掛ける形となっていたので疑いようはない。審判団として上手くコントロールしていた。