2020/21 セリエA第37節インテル戦は両チームに退場者が出る中、クアドラード選手のドッピエッタでユベントスが 3-2 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-4-2] |
FC Internazionale [3-5-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ハンダノビッチ |
DF | 13: ダニーロ 4: デ・リフト 3: キエッリーニ 12: A・サンドロ |
37: シュクリニアル 6: デ・フライ 95: バストーニ |
MF | 16: クアドラード 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
2: ハキミ 23: バレッラ 77: ブロゾビッチ 24: エリクセン 36: ダルミアン |
FW | 44: クルゼフスキ 7: ロナウド |
9: ルカク 10: ラウタロ |
ユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。キエッリーニ選手とベンタンクール選手がスタメンに復帰し、前線はクルゼフスキ選手とロナウド選手の2トップで試合に臨みます。
対するインテルのコンテ監督は 3-5-2 を選択。こちらはルカク選手とラウタロ選手の2トップなど予想された選手が先発に名を連ねる陣容で試合を迎えます。
両チームがボールを大事にして入った試合で先にチャンスを得たのはユベントス。11分にダニーロのクロスをキエーザが頭で戻すと、クルゼフスキが右足でボレー。しかし、このシュートはシュクリニアルのブロックで防がれてしまう。
攻めるユベントスは24分に左 CK からの混戦でキエッリーニがダルミアンに倒されて PK を獲得する。ゴール左を狙ったロナウドの PK はハンダノビッチに防がれたが、跳ね返りをロナウドが押し込んでユベントスが先制する。
対するインテルは34分にダルミアンのクロスに反応したラウタロが右足をデ・リフトに踏まれていたことが VAR で判明。こちらも PK を獲得する。インテルはルカクがゴール左に決め、試合を 1-1 の振り出しに戻す。
ダニーロが決定機を逸したため、同点で前半終了かと思われた48分にユベントスはクルゼフスキが右サイドを突破して右足でクロスを供給。これはブロックされたが、跳ね返った先にいたクアドラードが強烈なミドルを突き刺し、ユベントスが1点のリードを持って前半を折り返すことに成功する。
ところがユベントスにアクシデント。55分にルカクにショルダーチャージを仕掛けたベンタンクールに2枚目のイエローが出され、残り時間を10人で戦うことを強いられてしまう。
籠城戦を敢行したユベントスに対し、インテルはサイドからのクロスに活路を見出そうとするが決定機を作り出せず。それでも82分にペリシッチのクロスに途中出場のベシーノが頭で合わせるも、シュートはシュチェスニーが好セーブ。
それでもインテルはその直後の83分に今度は左サイドに陣取ったバレッラのクロスにルカクが合わせたが、ファールでゴールは認めれず。しかし、VAR でキエッリーニが倒されたように演技をしていたと判定が覆り、試合は 2-2 の同点となる。
ゴールが必要となったユベントスはリスクを背負ってチーム全体が仕掛けると、86分に右サイドから仕掛けたクアドラードがペリシッチに倒されて PK を獲得。これをクアドラード自身がゴール左に決め、再び勝ち越しに成功する。
このままでは終われないインテルだったが、カウンターをファールで止めたブロゾビッチが2枚目のイエローで退場。最後は両チームが10人となったものの試合はこのまま 3-2 で終了。勝点3を積み重ねたユベントスはチャンス出場権争いでの生き残りに成功した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
ベシーノの決定的なシュートを好セーブで止めたパフォーマンスは素晴らしいものだった。良い GK だ。
DF: ダニーロ 6.0
右 SB と奮闘はしていたが、インテルの左サイドからの仕掛けを上手く制限することまではできず。それでもベンタンクール退場後はボランチとしてプレーするなどユーティリティーな部分で貢献した。
DF: デ・リフト 6.0
流れの中では奮闘していたもののラウタロの右足かかとを踏みつけて PK を献上したプレーが大きなマイナスとなった。手放しで称賛できないことは事実。
DF: キエッリーニ 6.0
先制点に直結する PK を奪取したが、入れ替われたルカクに倒されたように装うことに失敗。VAR でゴールが認められて恥をさらす結果となった。
DF: A・サンドロ 6.0
ポゼッション時にベンタンクールの隣でボールを配球する偽 SB としてプレー。守備時にはハキミのスピードを上手く制限し、派手さはないがインテルの右サイドからの崩しを機能させない献身性が光った。
MF: クアドラード 8.0
こぼれ球に反応して勝ち越し点を奪った上、PK 奪取からの3点目も自ら決めてチームに勝利を呼び込む。大一番で仕事をする勝負強いクアドラードの姿を見せつけた。
MF: ベンタンクール 5.5
退場でチームに窮地に追い込んでしまったことはマイナス。だが、あのショルダータックスはイエローに該当しない。他のプレーは悪くなかっただけに悔やまれる。
MF: ラビオ 6.5
中盤の広範囲をカバーし、攻守両面での汗かき役としてもプレーする。バレッラやエリクセンが右サイドで効果的な仕事ができなかったことがパフォーマンスの内容を物語っている。
MF: キエーザ 6.0
ハンダノビッチを脅かすシュートは少なかったが、チームの波状攻撃を呼ぶ起点として十分に機能していた。良い形でシーズンを締めくくれるかが注目点だろう。
MF: クルゼフスキ 6.0
セカンドトップのポジションから時には守備にも奔走。攻撃面ではタイミング良く決定機に顔を出し、持ち味を発揮するプレーを随所に見せることができていた。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
中央に陣取ることなく様々なポジションに顔を出したが、危険人物であるだけに自由が与えられることはなかった。PK はハンダノビッチにコースが読まれていたものの、こぼれ球を自ら押し込んだことで面目躍如となった。
【交代選手など】
MF: マッケニー 5.5
57分にクルゼフスキとの交代で出場。ベンタンクールの担っていたダブルボランチの一角として DF ライン前の盾として奮闘し続けた。
FW: モラタ 5.5
ロナウドに代わり70分から出場する。4-4-1 の最前線としてロングカウンターなど籠城戦に不可欠なプレッシングをする役割を遂行した。
DF: デミラル 6.0
70分にキエーザとの交代で出場。クアドラードが攻め上がった際は右 SB で、ほとんどの時間は 3-5-1 の右 CB としてゴール前で身体を張り続けた。
ピルロ監督 6.5
ロナウドとクルゼフスキで縦関係の2トップを選択したことが当たった。ベンタンクール退場という大逆風に見舞われたが、籠城戦を敢行し切れたことは評価されるべきだろう。この戦いをシーズン当初からできていればとの声は止まないだろうが。
カルバレーゼ主審 4.5
前半から VAR で両チームに PK を与えた判定は妥当だったが、ベンタンクールを2枚目のイエローで退場処分としたあたりから判断が迷走した。職務停止処分が科されたとしても驚きはないレベルの酷さだった。