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コラム: ユベントスが “アッズーリのポジショナルプレー” をするには「CFと左サイドの適材不足」が問題点

 攻撃的なサッカーが潮流となっている 2021/22 シーズンにおいて、ユベントスは得点力不足を批判され続ける状況に見舞われています。ただ、ポジショナルプレーを導入するにも適材不足のポジションが存在しているのです。

 直近のイタリア代表も同じ問題を抱えており、比較をすることで問題点を整理することにしましょう。

画像:セリエA第23節ミラン戦に臨んだ選手たち
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ユベントスとイタリア代表(アッズーリ)の比較

 マンチーニ監督が率いるイタリア代表は 4-3-3 を基本フォーメーションとし、相手陣内に攻め込むほど 3-2-5 が色濃くなる『可変システム』を採用しています。

 このシステムをユベントスが採用した場合、現時点の所属選手で務まるポジションは以下のとおりでしょう。

画像:アッズーリの 3-2-5 との比較

 キエッリーニ選手とボヌッチ選手を擁する最終ラインは問題なし。また、ボランチや右サイドも『イタリア代表で選手が担っている役割』を遂行することに支障はないはずです。

 その反面、問題となるのは「センターフォワード」と「左サイドのユニット」です。より深刻なのは『後者』でしょう。『後者』が機能しなくなった欧州選手権後のイタリア代表は「深刻な得点力不足」に直面しているからです。

 したがって、ユベントスが抱えている決定力不足の問題は「イタリア代表に通じるものがある」と言えるのです。

 

センターフォワードに期待される役割

 イタリア代表でインモービレ選手(ラツィオ)への主な要求は以下の3点でしょう。

  1. 相手の最終ラインとの駆け引き
  2. 相手ボールの際は CB や GK へのプレス
  3. 決定力

 ユベントスに所属する CF は「ポストプレーや裏のスペースへの抜け出しを織り交ぜた駆け引き」が強みとする選手ではありません。また、相手へのプレスも「苦手」か「サボりがち」に分類されます。

 そのため、ポジショナルプレーをする上で極めて重要な要素である「相手ボールの即時奪還」を成し遂げることは困難です。ポジショナルプレーの比重を高めるのであれば、FW 陣の入れ替えは不可避と言わざるを得ないでしょう。

 

最優先事項は「左サイドでの攻撃ユニットの確立」

 ただ、優先度の高いのは「左サイドでの攻撃ユニットの確立」です。イタリア代表では『縦への突破力が凄まじいスピナッツォーラ選手』と『テクニックが桁違いのインシーニェ選手』のコンビがチームをタイトルへと導きました。

 ところが、スピナッツォーラ選手が左アキレス腱を断裂。エメルソン・パルミエリ選手(リヨン)の突破力では火力不足で攻撃が萎え、イタリア代表も得点力不足に見舞われています。

  • 左サイドバックへの要求項目
    1. 縦への突破力(とクロスの判断力)
    2. 上下動を繰り返せるスタミナ
    3. DFラインに戻った際に “穴” にならない守備力
  • 左ウィングへの要求項目
    1. 相手ライン間でボールを受けられるテクニック
    2. プレスバックを行う献身性

 ユベントスの場合は「左 SB の主戦であるA・サンドロ選手の突破力に陰り」が見えており、守備ではクロスへの判断の不味さが散見されています。したがって、左 SB は補強ポジションになり得るでしょう。

 また、「左サイド(や左ハーフスペース)から仕掛けられるテクニシャン」も不在です。これは『左右を反転させる』という解決策はありますが、「ボールを受ける際に下がりがちな FW を起用しないこと」が条件です。

画像:ディバラ重視の3-2-5

 『クアドラード選手』と『ディバラ選手』を右サイドでコンビを組ませ、『駆け引きを得意とするボールを受けるために下がりがちにならない CF』を配置できれば「何とかなりそう」だからです。

 実行されるかは「ダブルボランチの守備力」が課題となるため不透明ですが、現実的な選択肢になるはずです。得点力不足を解消するのはリスクを取る必要があるため、アッレグリ監督がどこから着手するのかに注目です。