2021/22 セリエA第7節トリノ戦はロカテッリ選手の決勝ゴールでユベントスが 0-1 の勝利を手にしました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Torino FC [3-4-2-1] |
Juventus FC [4-4-2] |
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GK | 32: ミリンコビッチ | 1: シュチェスニー |
DF | 6: ジマ 3: ブレメル 13: R・ロドリゲス |
6: ダニーロ 4: デ・リフト 3: キエッリーニ (C) 12: A・サンドロ |
MF | 17: シンゴ 4: ポベガ 38: マンドラゴラ (C) 34: アイナ |
20: ベルナルデスキ 14: マッケニー 27: ロカテッリ 25: ラビオ |
FW | 10: ルキッチ 19: サナブリア 14: ブレカロ |
18: ケーン 22: キエーザ |
トリノのユリッチ監督は 3-4-2-1 を選択。サナブリア選手が CF に入り、2列目にはルキッチ選手とブレカノ選手が担当。守備陣は先発が予想された選手が起用される陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-4-2 を選択。キエッリーニ選手が最終ラインに戻り、中盤ボランチとしてマッケニー選手が先発。前線はキエーザ選手とケーン選手の2トップで試合に臨みます。
試合は2分にデ・リフトのボールダッシュからケーンが持ち上がってシュートを放つも枠の左。5分と8分にはマッケニーに決定機が訪れたが、これはシュート精度を欠いて枠外に飛ぶ。
対するトリノは22分にアイナのロングスローからルキッチが頭で合わせるもシュートは枠の右。
35分にポベガのロングシュートが枠と捕らえていたトリノは38分にマンドラゴラが強烈なロングシュート。だが、シュチェスニーが横っ飛びセーブで防いでゴールとはならず。
43分にはシンゴのミドルシュートをラビオがスライディングでブロックするとユベントスがカウンターを発動。ケーンのクロスを右サイドで回収したベルナルデスキの折り返しをロカテッリが狙ったが、こちらもシュートはブロックされて前半は 0-0 で折り返す。
アッレグリ監督は後半開始と同時にケーンを下げてクアドラードを投入。ベルナルデスキとキエーザを2トップにした 3-5-2 に変更する。
すると53分に入れるタイミングを図っていたクアドラードのクロスにA・サンドロがヘディングで合わせる。だが、この強烈なシュートは GK ミリンコビッチ=サビッチが驚異的な反応で CK に逃れる。
トリノは直後の54分にルキッチがロングカウンターで持ち上がってシュートを放つが、キエッリーニのブロックが間に合って CK となる。
勝利が欲しいユベントスはサイド攻撃から決定機を作ることには成功するもシュートではなくパスを選択したり、シュート精度を欠くなどしてミリンコビッチ=サビッチの牙城を崩すことはできない。
このまま引き分けかと思われた86分に試合は動く。ユベントスはA・サンドロからの折り返しを受けたキエーザが中央にスペースにラストパス。これを走り込んだロカテッリがゴール右下に正確なシュートを決めて土壇場で均衡を破って先制する。
ユベントスはこのままトリノの反撃を防ぐことに成功。試合は 0-1 で終了し、ユベントスが勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
落ち着いたパフォーマンスを披露。安定感のある内容だった。
DF: ダニーロ 6.0
前半はブレカロの対応に手を焼いたが、システム変更が行われた後半では問題なく対処。戦術理解度の高さを示していた。
DF: デ・リフト 6.5
サナブリアを試合から消し去り、中央でのフィジカルバトルにも互角以上に渡り合った。3バックに関しては真ん中での起用なら問題はなさそうだ。
DF: キエッリーニ 7.0
最後の局面で身体を張ってトリノの攻撃陣に決定的な仕事を許さず健在ぶりを示した。後半はA・サンドロとポジションを入れ替えるなどアクセントも付けていた。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
尻上がりにパフォーマンスが向上。後半のプレーは攻守両面で素晴らしいものがあった。中央付近でのドリブルやボールタッチは効果的で戦術として組み込むべきだろう。
MF: ベルナルデスキ 5.5
前半は攻撃時にボールに絡むことはできず。後半はセカンドトップでボールに触れる機会は増えたがトリノにとっての脅威としては限定的だった。
MF: マッケニー 5.5
フィジカルバトルに気後れしない姿勢は見せたが、周囲との連携が未成熟であることが響いた試合だった。前半は単騎の状態で後半はシュート機会でパスを選択する消極性がマイナス点。
MF: ロカテッリ 7.0
トリノのハイプレスに慌てることなく左右どちらの足でも高精度のパスを供給。キエーザからのお膳立てに正確なシュートで応え、チームに勝点3をもたらす決定的な仕事を果たした。
MF: ラビオ 6.0
パスをつなぐだけではなく裏のスペースへのフリーランニングでも貢献したが、味方がそのクロスからのシュートを枠に飛ばせなかったことは不運だった。チームに必要な仕事を黙々と遂行した姿勢は評価されるべき。
FW: ケーン 5.5
相手を背負いながらのポストプレーや抜け出しで仕事はしていた。ただ、周囲との連携がなく単発の攻撃で終わっていたため前半での交代は止むを得ないだろう。
FW: キエーザ 6.5
前半はサイドで攻撃に絡めなかったが、後半はチェルシー戦と同様に1トップで存在感を発揮。決勝ゴールをアシストし、ユーヴェとイタリア代表の CF 問題を解決する選択肢として名乗りを上げたに等しい。
【交代選手など】
MF: クアドラード 6.0
後半開始と同時にケーンとの交代で出場。3-5-2 の右 WB を基本ポジションとし、トリノの左サイドからの攻撃を封殺。攻撃時はサイドで時間を作り、高精度のクロスを供給するなどアクセントを付け加えていた。
MF: クルゼフスキ 6.5
80分にベルナルデスキに代わって出場する。直後にラビオへの良いスルーパスを通し、91分にはカウンターで抜け出して右ポストを叩くシュートで存在感を発揮。起用方法を模索する価値があることを示した。
FW: カイオ・ジョルジ ー
89分にキエーザとの交代でデビューを果たす。早速セリエAの DF からの “歓迎” を受けていたが、自分を見失わないことがポイントになるだろう。
アッレグリ監督 6.5
前半は攻撃がバラバラで守備ではブレカロを捕まえ切れずに苦戦するも、後半開始と同時に 3-5-1-1 にして相手と噛み合わせることで地力の差を見せた。リーグ戦でクリーンシートを達成し、試合最終盤の勝負強さを見せたことは自信になるはずだ。
バレリ主審 6.0
疑わしいのはクアドラードがポベガに倒された場面の判定ぐらいだろう。映像で確認しても良かったかもしれない。とは言え、荒れるダービー戦でイエローカードを的確に使うことで上手く裁いたことは評価されるべきだ。