2021/22 UEFA チャンピオンズリーグ第3節ゼニト戦は試合終了間際のクルゼフスキ選手のゴールでユベントスが 0-1 で競り勝ちました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
FC Zenit [3-4-3] |
Juventus FC [4-4-2] |
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GK | 1: クリチュク | 1: シュチェスニー |
DF | 2: チスティコフ 6: ロブレン (C) 44: ラキツキー |
2: デ・シリオ 19: ボヌッチ (C) 4: デ・リフト 12: A・サンドロ |
MF | 15: カラバエフ 5: バリオス 8: ヴェンデウ 3: D・サントス |
20: ベルナルデスキ 14: マッケニー 27: ロカテッリ 30: ベンタンクール |
FW | 11: クラウジーニョ 22: ジューバ 10: マウコム |
9: モラタ 22: キエーザ |
ゼニトのセマク監督は前節マルメ戦と同様に 3-4-3 を選択。ロブレン選手を3バックの中央に配置し、CF には長身の 選手を配置。両翼はマウコム選手とクラウジーニョ選手が担う陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-4-2 を選択。ラビオ選手の役割をベンタンクール選手が引き継ぎ、逆サイドにはベルナルデスキ選手を起用。前線はモラタ選手とキエーザ選手の2トップで試合に臨みます。
膠着した試合で最初に決定機を得たのはゼニト。18分にベンタンクールがスリップでボールロストをしてしまうとマウコムが回収してラストパス。これをクラウジーニョが強烈なミドルを放つもシュチェスニーが好セーブでストップ。
対するユベントスは26分に細かいタッチでペナルティーエリア内に侵入したキエーザが左足を振り抜くも相手 DF のブロックで CK に逃れられてしまう。
キエーザは40分にデ・シリオからのクロスを受けてシュートを放つも巻き切れずにボールは枠の右。一方のゼニトは43分にクラウジーニョが入れた右 CK にチスティコフが合わせたが、こちらはシュチェスニーがキャッチ。
前半は両チームが譲らず 0-0 で折り返す。
後半で先にチャンスを得たのはユベントス。51分にモラタのスルーパスに斜めの動きで反応したマッケニーがワンタッチシュートを放つが GK クリチュクの飛び出しで防がれてしまう。
一方のゼニトはマウコムとクラウジーニョのブラジル人コンビで53分と57分に掴むが、こちらはボヌッチのブロックなどで防がれて均衡を破ることができない。
ユベントスも71分にアルトゥールの縦パスを受けたモラタが反転してミドルシュートを放つもクロスバーの上。74分には左サイドに回ったデ・シリオからのクロスにマッケニーが飛び込むもシュートは枠のわずかに右。
引き分けが濃厚となった試合が動いたのは86分。ユベントスはボヌッチがサイドチェンジのロングフィードを送ると、デ・シリオからのクロスを中央でクルゼフスキが頭で合わせて均衡を破ることに成功する。
ゼニトは後半アディショナルタイムに FK と右 CK で同点の機会を手にするもゴールは生まれず。試合はこのまま 0-1 で終了し、アウェイのユベントスが勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
逆を突かれる場面はあったが身体能力でシュートを防いで波に乗る。クリーンシートを継続しており自信を取り戻したようだ。
DF: デ・シリオ 6.5
右 SB として安定した守備力を披露。クロスの精度と判断は良くなかったが、左 SB に回ってからは質の高いクロスを供給して決勝点をお膳立て。2試合連続でアピールに成功した。
DF: ボヌッチ 6.0
ジューバのポストプレーを制限しつつ、マウコムの展開にも制約を加える。数的不利なピンチの局面では身体でブロックするなど戦い続けた。
DF: デ・リフト 6.0
コンディションが懸念される状態での先発出場となったが、杞憂に終わる安定したパフォーマンスを披露した。重要な相手との連戦が続くためコンディションを整えられるかが鍵となるだろう。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
左サイドで前方にスペースがある状況ではあったが、チャンスを演出するなど攻撃面での貢献をすることができず不完全燃焼に終わった。
MF: ベルナルデスキ 5.5
キック力を活かして右サイドからのサイドチェンジを繰り返し行なったが攻撃のスイッチにはならず。守備に奔走したが物足りなさが残った試合だった。
MF: マッケニー 6.0
フリーランニングでゴール前に顔を出し、期待された仕事を遂行する。得点という結果を残すことができていれば理想だっただろう。良いアピールはできていた。
MF: ロカテッリ 6.0
中盤で組み立てようとするも前半は周囲でパスミスが相次いだことでリズムを作ることはできず。それでも DF ライン前で盾として機能し、できる仕事は確実に遂行していた。
MF: ベンタンクール 6.0
パスが優しすぎてショートする場面はあったが、ラビオの役目を担うことに関しては及第点の出来だった。
FW: モラタ 5.5
センターサークルに近い位置でのポストプレーは光るものがあったが、ファイナルサードではほとんど消えていた。復帰直後であるため、次戦以降で本領発揮となるかが注目点だ。
FW: キエーザ 5.5
繊細なタッチを活かしてシュートに持ち込むなどテクニックは見せていた。ただ、周囲との連携が合わず単騎での仕掛けがほとんどで怖さがなかったことが反省点と言えるだろう。ローマ戦よりはマシだった。
【交代選手など】
DF: クアドラード 6.0
A・サンドロに代わって58分から出場。右 SB に入り、右サイドからのクロス精度を向上させることに貢献。守備の安定度を保ったまま攻撃力だけを上乗せする働きぶりだった。
MF: アルトゥール 6.0
58分にロカテッリとの交代で出場。レジスタとして中盤でチームに時間を与えるテクニックが備わっていることを証明。一方で守備力はロカテッリより1段下がるため、押し込んだ際のカウンター対応要員からは外すべきだろう。
MF: クルゼフスキ 7.0
ベルナルデスキとの交代で58分から出場する。右サイドでスペースを埋める仕事を忠実に遂行し続け、試合終了間際にクロスから決勝点を奪取する勝負強さを見せ付けた。
FW: ケーン 5.5
76分にモラタに代わって出場。モラタと同様にゼニトの最終ラインを背負った状態でのプレーに苦戦した。
MF: ラムジー ー
84分にベンタンクールとの交代で出場する。アルトゥールが担当するレジスタを務め、周囲への指示を飛ばして中盤の安定に努めた。
アッレグリ監督 6.5
我慢の試合だったが、勝点1は確実に持ち帰れる内容の試合だった。試合終了間際に交代出場で送り込んでいたクルゼフスキが決勝ゴールを決めたことも大きい。今週末のイタリア・ダービーに向けて良い弾みとなるだろう。
シェーラー主審 6.0
両チームがペナルティーエリア周辺では細心の注意を払って上手く守っていたこともあり、主審の判定に注目が集まるようなプレーはほとんどなかった。上手く試合を進行した審判団と評されるべきだろう。