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【採点】 2020/21 コッパ・イタリア準決勝(1st Leg) インテル対ユベントス

 2020/21 コッパ・イタリア準決勝インテル戦のファーストレグは先制を許すも、ロナウド選手のドッピエッタでユベントスが 1-2 の逆転勝利を手にしました。

画像:ドッピエッタの活躍でチームの勝利に貢献したロナウド

 試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

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画像:2020/21 コッパ・イタリア準決勝(1st Leg) インテル対ユベントス
表1:招集メンバー(2020/21 コッパ・イタリア準決勝 インテル戦)
  FC Internazionale
[3-5-2]
Juventus
[4-4-2]
GK 1: ハンダノビッチ 画像:キャプテン 77: ブッフォン 画像:キャプテン
DF 37: シュクリニアル
6: デ・フライ
95: バストーニ
16: クアドラード
28: デミラル
4: デ・リフト
12: A・サンドロ
MF 36: ダルミアン
23: バレッラ
77: ブロゾビッチ
22: ビダル
15: ヤング
14: マッケニー
30: ベンタンクール
25: ラビオ
33: ベルナルデスキ
FW 10: ラウタロ
7: サンチェス
44: クルゼフスキ
7: ロナウド

 インテルのコンテ監督は 3-5-2 を選択。累積警告で起用できないルカク選手とハキミ選手の代わりにサンチェス選手とダルミアン選手が先発した以外はリーグ戦での対戦時と同じ選手がスタメンに名を連ねる陣容で試合を迎えます。

 対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。CB はデミラル選手とデ・リフト選手がコンビを組み、前線はロナウド選手とクルゼフスキ選手が2トップを組む布陣で試合を迎えます。

 

 試合は両チームが相手の最終ラインがボールを持つことは容認するものの、相手レジスタに自陣内でパスワークの起点として機能させないように細心の注意を払った守備を行い、ほとんどの時間帯でシュートが放たれない展開となる。

 均衡を破ったのはホームのインテル。9分にロングフィードに反応したサンチェスがキープからバレッラに展開。右サイドを攻め上がったバレッラのクロスに中央で走り込んだラウタロが合わせて先制に成功する。

 対するユベントスは22分にA・サンドロがサイドライン際のベルナルデスキに展開し、ベルナルデスキは中の動きを見てクロスを供給。この場面でクアドラードがヤングに左腕を引っ張られて倒されていたことが VAR で確認されて PK を獲得。

 これをロナウドがゴール上に蹴り込み、ユベントスが同点に追い付く。

 追い付いたユベントスは35分にインテルのバックパスをロナウドがバストーニの鼻先で奪取に成功。ハンダノビッチが飛び出して無人となったゴールに流し込み、ユベントスが逆転して前半を終える。

 後半は引き分けに持ち込みたいインテルが攻勢を強める。49分にヤングのミドルが枠を捕らえるも、ブッフォンが CK に逃れる。対するユベントスは55分にベルナルデスキのシュートが DF に当たって軌道が変わるが、ハンダノビッチが好セーブ。

 すると、インテルは直後の57分にデ・リフトからのパストラップが大きくなったベンタンクールからビダルがボール奪取に成功。最後はサンチェスが決定的なシュートを放つも、デミラルのカバーが間に合ってゴールとはならず。

 69分にはサンチェスの細かいタッチからラストパスを受けたフリーのダルミアンが左足で狙うも、これはブッフォンが好守で防ぎ、1点のリードを保ち続ける。

 結局、ユベントスは後半に決定機をあまり作れなかったものの、リードを守り切ることに成功。ファーストレグを 1-2 で制し、1週間後のセカンドレグを迎えることになった。

 

 なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。

GK: ブッフォン 6.0
 ダルミアンの決定機をストップする大仕事をしたものの、1失点目と77分のパスミスなど悪い面も顔を出してしまった試合だった。評価は割れるだろう。

DF: クアドラード 6.5
 元気に右サイドを駆け上がり、対面したヤングとペリシッチを押し込む。最後は中盤インサイドハーフとして守備ブロックを構成する役割を担った。

DF: デミラル 7.0
 持ち前のフィジカルでインテルの FW 陣を圧倒。無人のゴールに飛んだサンチェスのシュートを防ぐなど、チームに勝利を呼び込む素晴らしい活躍だった。

DF: デ・リフト 5.5
 キエッリーニの状態に反比例するかのように低調な出来だった。1失点目の場面でラウタロしか合わせる選手がいないのに、相手を外してしまったマーキングは致命的。荒っぽく、雑なプレー内容だった。

DF: アレックス・サンドロ 6.0
 バレッラの抜け出しを止めれなかったのは痛手だが、ミスはそれぐらい。同点に追い付く起点となるポゼッション参加やダルミアンとのデュエルを繰り広げ、帳尻を合わせることに成功した。

MF: マッケニー 6.0
 前線への飛び出し頻度は少なかったものの、インテルの中盤に自由は許さずに主導権を引き寄せる。MF 陣がインターセプトからカウンターを幾度となく繰り出せたことが評価されるべき点だ。

MF: ベンタンクール 5.5
 前回対戦時よりは改善されたが、周囲の確認不足から生じた57分のボールロストなどポゼッション時の不安が顔を出した。一方で42分のミドルシュートや守備で良いプレーもあり、アルトゥールとの使い分けがポイントになるだろう。

MF: ラビオ 6.0
 相手ゴール付近で決定的な仕事をして欲しいという不満は残ったが、2週間前の対戦時とは別人だった。チームが手を焼き続けたバレッラを封じ、自分たちのビルドアップを上手くサポートした成果は大きい。

MF: ベルナルデスキ 6.0
 左サイドを中心に汗をかき続ける。クアドラードの PK 奪取を呼び込むクロスと55分の惜しいシュートで存在感を発揮。守備への切り替えをキエーザよりも早くできれば、出場時間は増えることだろう。

FW: クルゼフスキ 6.5
 ロナウドと縦関係になり、ブロゾビッチへのパスコースを徹底的に寸断。これが守備時には効果的に効いていた。攻撃面に関しては可もなく不可もなし。

FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.5
 同点に追い付く PK をゴール上に蹴り込み、35分には自らのプレッシングでボール奪取から逆転ゴールを記録。リーグ戦での鬱憤を晴らすパフォーマンスだった。重要度の大きい試合で好スタートを切ったことが何よりの朗報だ。

 

【交代選手など】

DF: ダニーロ 6.0
 69分にベルナルデスキとの交代で出場。右 SB に入り、再度は右 WB としてインテルの攻撃を制限。攻め上がりも見せるなど、チームのクオリティーを向上させた。

MF: アルトゥール 6.5
 ベンタンクールに代わって76分から出場。持ち前のテクニックを存分に発揮し、中盤でボールの預け所として機能。守備でも戦えていた。

FW: モラタ ー
 ロナウドとの交代で76分から出場。

DF: キエッリーニ ー
 89分にマッケニーとの交代で出場。3-5-2 の CB の一角に入り、インテルの攻撃を跳ね返す役割を担った。

MF: キエーザ ー
 クルゼフスキに代わり89分から出場。モラタとの2トップでカウンターを匂わせる役割だった。

 

ピルロ監督 6.5
 セリエAで対戦した1月17日から内容の改善を示し、ファーストレグ先勝という結果を手にした。ビルドアップは前回対戦時と関係性が真逆になっていたことが高く評価されるべき点だろう。決定機の数では上回られたが、やるべきことは大方できていたため粗探しの必要はないだろう。

カルバレーゼ主審 6.0
 VAR での PK 判定が議論を呼ぶだろうが、判定は的確だ。ヤングは先行するクアドラードの左腕を引っ張って倒したのだから、あのプレーは PK に値する。それによってクアドラードから中央からファーへの進路変更の選択肢を奪っており、ノーファールにすることはできない。