2020/21 セリエA第10節トリノ戦は試合終了間際のボヌッチ選手の逆転ゴールでユベントスが 2-1 で勝利しました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Juventus [4-4-2] |
Torino FC [3-5-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 39: シリグ |
DF | 16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ ![]() 13: ダニーロ |
4: リャンコ 33: ヌクル 13: R・ロドリゲス |
MF | 44: クルゼフスキ 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
17: シンゴ 23: メイテ 88: リンコン 77: リネティ 15: アンサルディ |
FW | 10: ディバラ 7: ロナウド |
11: ザザ 9: ベロッティ ![]() |
ユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。モラタ選手が不在の2トップはディバラ選手とロナウド選手が入り、両翼はクルゼフスキ選手とキエーザ選手が務める布陣で試合に臨みます。
対するトリノのジャンパオロ監督は 3-5-2 を選択。こちらはザザ選手とベロッティ選手の2トップが前線で攻撃陣を牽引する予想された陣容で試合を迎えます。
ダービー戦で先行したのはアウェイのトリノ。9分に左 CK から低い弾道のクロスを入れるとニアでメイテがヒールシュート。これがマークに付いていたベンタンクールに当たってこぼれ球となったところをヌクルが素早く蹴り込み、トリノが先制に成功する。
先行したトリノは13分に DF ラインの背後に抜け出したザザが決定的なシュートを放つも、これはシュチェスニーが横っ飛びセーブでゴールを死守。
ユベントスはサイドからのクロス攻撃でゴール前にボールを供給するが、中央を固めて守るトリノを前に GK シリグを脅かすシュートは放てない。34分にゴール正面やや右で得たディバラの FK は枠のわずかに右。
43分にはクアドラードの折り返しを受けたディバラがカーブをかけて狙ったものの、これはシリグが正面でキャッチ。前半は 0-1 の最初の決定機を活かしたトリノが1点のリードで折り返すこととなる。
後半の決定機を先に得たのはトリノ。50分にクルゼフスキのファールで得た FK をリカルド・ロドリゲスが直接狙ったが、これは壁を直撃。
対するユベントスは57分に左 CK がクリアされたところをクアドラードがミドルシュートを叩き込む。ところが、オフサイドポジションにいたボヌッチがプレーに関与したと VAR でゴールは取り消されてしまう。
左サイドを中心に攻め続けたユベントスの姿勢が実ったのは78分。右 CK からボールを受けたクアドラードがクロスを入れると、中央に走り込んだ途中出場のマッケニーが頭で合わせて同点に追い付く。
ユベントスは89分にロナウドが受けたファールで得た FK から右サイドのクアドラードに展開すると、78分と同様にクロスが中央へ。これを今度はボヌッチがヘディングシュートを決め、土壇場で逆転することに成功する。
結局、試合はこのまま 2-1 で終了。後半のセットプレー2得点で逆転に成功したユベントスが 2-1 で勝点3を手にした。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
立ち上がりの CK からの失点は止むを得ないし、ザザのシュートでリードを広げられることも回避。守護神として期待された仕事を堅実に遂行した。
DF: クアドラード 7.5
同点ゴールかと思われたが、味方のポジショニングで阻害された。それでも下を向かずに2アシストを記録。ダービー戦の勝利における真の MVP。
DF: デ・リフト 6.0
良いとも悪いとも言い切れない不完全燃焼の状態だった。ベロッティとのマッチアップで決壊しなかったのだから評価されるべきだろう。
DF: ボヌッチ 6.5
劇的な決勝点をあげたことで高評価の対象となるだろう。だが、クアドラードのゴールを消した本人であり、ヌクルのマーク役だった。苦戦の要因を自分たちで作っては話にならない。
DF: ダニーロ 5.5
低調なパフォーマンスでザザの対応に苦労し続けた。交代は妥当な判断であり、リフレッシュの意味でも休養を与えるべきだろう。
MF: クルゼフスキ 5.0
ピッチで足を滑られせて顔を芝に突っ伏した場面が今日のパフォーマンスを物語っている。自慢のフィジカルはトリノ守備陣の脅威ではなく、中央での繊細さもなく怖い存在ではなかった。
MF: ベンタンクール 6.5
中盤でのバランサーとしてプレーしつつ、両サイドにボールを配球。任された仕事は忠実に遂行していた。
MF: ラビオ 5.5
前方への推進力と空中戦でのターゲットとして期待されたが、存在感を発揮できず。ペナルティーエリア手前で相手の守備陣が注意を払うような脅威ではなかった。
MF: キエーザ 6.5
縦への突破と中へのカットインを上手く織り交ぜて左サイドからチャンスを拡大。単騎での仕掛けとなる場面が多かったが、局面をコンスタントに打開し続けた能力は評価に値する。
FW: ディバラ 5.5
攻撃を牽引する姿勢は見せたが、それを体現するためのスペースを見つけることができなかった。昨季終盤戦でのパフォーマンスの印象があるだけにプレーが不十分に映ってしまう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 5.5
中央にバスを停めたトリノ守備陣に対し、決定的なシュートを放てずに沈黙。味方との距離感も遠く、宝の持ち腐れ状態で90分を過ごすことになった。
【交代選手など】
MF: ラムジー 6.0
57分にクルゼフスキとの交代で出場。役割を引き継ぎ、噛み合わせが良くなかった右サイドからの攻撃を潤滑にする。ただ、流れの中で決定機を作り出すまでには至らなかった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
ダニーロとの交代で71分から出場する。ラムジーと同様に前任者よりも安定感を与え、攻勢を強めるチームを後方支援した。途中出場だが、連戦で起用できる状態にまで回復したことがプラス。
MF: マッケニー 7.0
71分にラビオに代わって出場。ペナルティーエリア内での空中戦要員としてニアに飛び込み、同点ゴールを奪取。逆転ゴールの際も同じコースを走ってターゲットになれていた。ボックス・トゥ・ボックスならチーム内でトップと言えるだろう。
MF: ベルナルデスキ ー
92分にディバラとの交代で出場。時計を進める役割を遂行する一翼を担った。
ピルロ監督 6.0
勝点3を獲得したことは評価されるが、どちらもセットプレー絡みで流れの中では終始攻めあぐねる結果となった。パワープレーが不可避なことは自明であり、冬の移籍市場でどう振る舞うのかが注目点だろう。
オルサート主審 6.0
荒れる試合でお馴染みのダービー戦を粛々と裁き続けた。クアドラードのシュートも VAR で確認したオルサート自身が取り消したのだから、審判団の仕事は忠実に遂行していた。