『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、9番(= CF)が補強ポイントになっているユベントスがモイゼ・ケーン選手の出戻りをも検討しているとのことです。ケーン選手は特殊な立場ですから、他の選手とは状況が違う点に留意する必要があります。
ケーン選手は2000年2月生まれの20歳で、ユベントス下部組織出身の FW です。昨夏に出場機会を求めて移籍金2750万ユーロでエバートンに移籍したものの、プレミアリーグに馴染むことに苦労した状況にあります。
そのため、『イタリア復帰説』が(コロナ禍以前から)流れている状況にありました。ユベントスは『9番』を欲している状況ですから、ケーン選手の復帰に関心を示したとしても不思議ではないでしょう。
ガゼッタ紙は「(ケーン選手の代理人である)ライオラが『2年間の期限付き移籍+買取オプション』で交渉をまとめたとしても不思議ではない」と言及しており、出戻りが起きる可能性は十分にあります。
以前に「ケーン選手の出戻り」を記事にしたトゥット・スポルトや今回のガゼッタ紙は「チャンピオンズリーグのBリストに入れれること」をケーン選手の獲得理由にしていますが、この言及では説明不足です。
2020/21 シーズン中に21歳の誕生日を迎えるケーン選手は「UEFA」と「セリエA」の双方で『Bリスト』に掲載することは可能です。ただ、ケーン選手は現時点で『ユベントスのクラブ内育成選手』かつ『イタリア協会内育成選手』なのです。
UEFA の『クラブ内育成選手枠』は4枠分であり、ユベントスで条件を満たすのはピンソーリョ選手だけです。つまり、ケーン選手はユベントス・トップチームの登録枠を埋める選手にはなり得ません。
要するに「獲得したとして誰を登録枠から外すのか」を考える必要のない立場の選手なのです。
したがって、ケーン選手を戦力として純粋に評価し、移籍金や年俸などの人件費および起用方法で折り合いが付くのであれば出戻りは全く問題ないと言えるでしょう。『9番』の人選がどのような形で落ち着くことになるのかに注目です。