2019/20 セリエA第31節ミラン戦はユベントスが2点を先行するもミランが逆転に成功し、試合は 4-2 で終了しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AC Milan [4-2-3-1] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 99: ドンナルンマ | 1: シュチェスニー |
DF | 12: コンティ 24: ケアー 13: ロマニョーリ 12: テオ・エルナンデス |
16: クアドラード 24: ルガーニ 19: ボヌッチ 13: ダニーロ |
MF | 4: ベナセル 79: ケシエ 56: サレマーカーズ 18: レビッチ 39: パケタ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 25: ラビオ |
FW | 21: イブラヒモビッチ | 33: ベルナルデスキ 9: イグアイン 7: ロナウド |
ミランのピオーリ監督は 4-2-3-1 を選択。イブラヒモビッチ選手を1トップに2列目にはパケタ選手やレビッチ選手を配置する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。GK にはシュチェスニー選手が復帰。出場停止処分で起用ができないポジションにルガーニ選手とイグアイン選手を起用して試合に臨みます。
中盤での主導権争いから始まった試合はミランがオープニングシュートを放つ。8分にパケタの折り返しからサレマーカーズがシュート。しかし、DF に当たってシュチェスニーがキャッチ。
対するユベントスが10分にベルナルデスキの FK からボヌッチ、13分にカットインからのロナウドのシュートでミランゴールに迫るが、シュートが枠を捕らえるまでには至らない。
ミランは23分にクアドラードのスリップを突いてボール奪取に成功すると最後はイブラヒモビッチが狙うがシュチェスニーがストップ。25分にはテオ・エルナンデスの折り返しに再びイブラヒモビッチが狙うも、シュチェスニーに阻まれてしまう。
ユベントスは前半アディショナルタイムにベルナルデスキのフリックを受けたイグアインが反転シュート。しかし、DF に当たってドンナルンマがキャッチ。一方のミランはパケタの縦パスにイブラヒモビッチが抜け出してネットを揺らすが、オフサイドでゴールは認められず。
0-0 で折り返した前半とは対称的に後半は打ち合いとなる。
ユベントスは47分にラビオが自陣でのボール奪取から自ら持ち上がってミドルシュートを突き刺し、1点を先制する。53分にはクアドラードからのロングフィードの処理を誤ったミラン CB のミスで得た絶好機をロナウドが左足で冷静に決め、ユベントスのリードは2点に広がる。
意気消沈したかに見えたミランだったが、61分にテオのクロスをレビッチが胸で合わせるもシュートは枠外へ。このプレーでボヌッチのハンドが VAR が確認され、ミランが PK を獲得。これをイブラヒモビッチがゴール左下に決めて1点差に詰め寄る。
これで勢いを取り戻したミランは66分にチャルハノールのパスを受けたイブラヒモビッチからの落としを受けたケシエがボヌッチを難なくかわしてシュートを決めて同点に追いつくと、直後の67分にはレビッチへのファールが流されたことで得た決定機をレオンが活かしてミランが逆転に成功する。
わずか7分間で逆転したミランは75分にスピードを活かして抜け出したレビッチのシュートが枠を捕らえるが、これはシュチェスニーが左足を伸ばして何とかセーブ。
ユベントスは78分に左 CK からファーのルガーニがヘディングシュートを放つも、ドンナルンマに阻まれて同点とはならず。すると80分にサイドチェンジを狙ったA・サンドロのパスがボナベントゥーラにカットされ、最後はレビッチが左足で豪快に蹴り込んで4点目。
ユベントスの反撃は及ばず、試合はこのまま 4-2 で終了。ユベントスは手痛い逆転敗けを喫することになった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
大量失点を喫したものの GK の能力で防げた失点はなかった。DF 陣の方が明らかに責任は重い。
DF: クアドラード 6.0
攻守に安定したパフォーマンスを披露。ロナウドのゴールをアシストするなど期待された仕事は十分に果たせていた。
DF: ルガーニ 5.5
リーグ戦再開後に全く起用されなかった弊害が“ガス欠”という形で残り30分で現れた。3失点目の責任は重いが、クアドラードの空けたスペースをケアするなど役目は十分に果たしており、戦犯にされる内容ではない。ただ、ユーヴェでの最後の試合になる可能性は大いにある。
DF: ボヌッチ 4.5
PK を与え、ケシエにはあっさりと同点ゴールを許す。相棒にサポートしてもらえないと何もできない DF であることを改めて示した。主将の器ではない選手。
DF: ダニーロ 5.5
左サイドからカットインしてのシュートで存在感を発揮も、ビルドアップのポジショニングが悪くパスを外してしまう。守備ではサレマーカーズに手を焼く形になっていた。
MF: ベンタンクール 6.0
対面したケシエを抑えるとともに良いタイミングでの飛び出しによるチャンスメイクと持ち味を発揮していた。それだけに守備陣の瓦解が悔やまれる。
MF: ピアニッチ 6.0
レジスタとして中盤で試合を上手く組み立て2点のリードを演出。ただ、ミランの勢いまでは止められず逆転を許した直後に交代となった。
MF: ラビオ 7.0
ベナセルを消し、後半開始直後に個人技で先制点を奪取。素晴らしいプレー内容だったが、DF 陣の崩壊によって評価に水を差される結果になってしまった。
FW: ベルナルデスキ 5.5
コンディションの良さを見せ、攻撃面でサポートに回る献身性で貢献。ただ、テオ・エルナンデスの攻撃参加へのケアには遅れを見せ、ミランの攻撃を活性化させる形になってしまったことが反省点。
FW: イグアイン 5.0
前半アディショナルタイムのシュートが唯一の見せ場。試合を通して消えており、捜索届が必要なレベルだった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
ミラン CB 陣のミスを突き、追加点となるゴールを奪取。さすがのロナウドでもチームが4失点を喫した後は集中力が切れており、ムラトーレのパスに対する準備ができておらず2点目を決める機会を逸する結果になってしまった。
【交代選手など】
MF: マテュイディ 5.0
69分にラビオとの交代で出場機会を得る。闘志に満ち溢れたミランの中盤を上回ることはできず、ボールを動かすこともできずに時間だけが流れてしまった。
MF: ラムジー 5.0
69分にピアニッチに代わって出場する。フレッシュな中盤 MF によるプレスでボール奪取が狙いだったのかもしれないが、思惑どおりとはならず。攻撃でもボールを引き出してエリア内への侵入もままならず不完全燃焼のままだった。
FW: ドウグラス・コスタ 5.5
イグアインとの交代で69分からピッチに投入される。左サイドを主戦場に攻撃の活性化を狙った個人技での突破を見せたが、成功は1度だけ。中央を封鎖するミラン守備陣の前に決定的な仕事はほとんど許されずに終わった。
DF: アレックス・サンドロ 4.5
クアドラードに代わり77分から出場。3分後にサイドチェンジを狙ったパスをボナベントゥーラにカットされ、決定的な4点目を献上する原因を作る。調整目的での出場が大きな失点になってしまった。
MF: ムラトーレ ー
93分にベンタンクールとの交代で出場。勝敗が決した後だったが、ロナウドへのパスコースは見えており将来性は見込んで良いだろう。
サッリ監督 5.0
デ・リフトとディバラが不在だったのだから、戦前の予想では敗けはあり得ただろう。だが、2点リードからの4失点と なると監督采配と主力選手の責任は重い。前節はインテルのコンテが醜態をさらしたが、今節はサッリと言わざるを得ない。唯一の救いとなるのはラツィオがレッチェに足をすくわれたことだ。
グイダ主審 6.5
普段よりもカードを出す頻度を抑えて肉弾戦を容認した。この判定基準を最後まで貫いたのだから、許容範囲内のこと。PK についてはボヌッチの左肘が浮いていたため、VAR による介入・最終判断は妥当。審判団として熱い試合に的確に対処した。