2019/20 セリエA第36節サンプドリア戦はロナウド選手の先制点を活かしたユベントスが 2-0 で勝利し、スクデット9連覇を達成しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
UC Sampdoria [4-4-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: アウデーロ |
DF | 13: ダニーロ 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
21: トネッリ 34: 吉田 麻也 5: シャボー 3: アウジェッロ |
MF | 25: ラビオ 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
12: デパオリ 18: トルスビー 7: リネティ 14: ヤンクト |
FW | 16: クアドラード 10: ディバラ 7: ロナウド |
11: ガストン・ラミレス 27: クアリャレッラ |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。ピアニッチ選手が久しぶりに先発に復帰し、右 WG にはクアドラード選手を起用する布陣で試合に臨みます。
対するサンプドリアのラニエリ監督は 4-4-2 を選択。前線ではクアリャレッラ選手とG・ラミレス選手がコンビを組み、アウジェッロ選手とデパオリ選手のポジション次第で 3-5-2 に変化する可変システムで試合を迎えます。
試合は両チームがクロス攻撃で相手ゴールに迫る展開で始まる。サンプドリアは4分にアウジェッロのクロスにG・ラミレスが頭で狙うも、シュートはシュチェスニーがキャッチ。対するユベントスは10分にロナウドが応戦するが、これはプッシングでシュートは認められない。
すると、24分にユベントスはボヌッチの縦パスが奪われてカウンターを受けると、クアリャレッラのクロスに飛び込んだG・ラミレスとダニーロが頭を打って両選手が負傷。ダニーロはプレー続行不能となる。
サンプドリアの守備ブロックを崩せずに苦しむユベントスはディバラも左足を痛めて前半の途中で退いてしまう。
それでも前半アディションタイムにラビオが獲得した FK をピアニッチが横パスで再開すると、これをロナウドが低い弾道のシュートをゴール右下に決め、ユベントスが1点を先制して前半を終えることに成功する。
後半の立ち上がりはサンプドリアの時間帯が続く。51分にヤンクトのクロスにレリスが左足で合わせるもシュートは枠のわずかに左。54分のG・ラミレスの FK はシュチェスニーが CK に逃れる。この CK をトネッリがヘディングで狙ったが、枠の右へと逸れる。
サンプドリアの猛攻を凌いだユベントスは61分にラビオのボール奪取から最後はロナウドが狙うが、これはアウデーロが CK に逃れる。だが、67分のロナウドのシュートはキャッチできずにこぼれ球が発生。これをベルナルデスキが押し込み、ユベントスはリードを2点差に広げる。
サンプドリアは71分にレリスのクロスにクアリャレッラがヘディングで合わせたが、シュチェスニーが好セーブで防ぐ。すると77分にシュチェスニーのずれた縦パスのカットを狙ったトルスビーがピアニッチを倒して2枚目のイエローで退場となり、ここで勝点の獲得が潰えてしまう。
ユベントスは88分にA・サンドロが得た PK をロナウドが狙うもクロスバーを直撃。92分に右 CK から決定機を得たが、アウデーロと吉田麻也の守備に阻まれて3点目とはならず。
それでも試合を 2-0 で終え、スクデット9連覇を達成した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
フィニッシュにまで持ち込まれる場面が多かったが、落ち着いたシュートストップを披露。最後尾で守備を引き締めて安定感をもたらした。
DF: ダニーロ ー
25分すぎにクロスボールへの対処で頭部を打つ形で負傷交代。脳震盪が懸念されるため、交代は止むを得ないし、次節も起用は見合わせるべきだろう。ただ、プレーした時間帯で良いプレーを示すことはできていなかった。
DF: デ・リフト 6.0
クリーンシートという結果が及第点の理由。クアリャレッラが簡単にポストプレーをしていたのだから、低調な出来であることは否定できない。
DF: ボヌッチ 6.0
身体を張った守備を見せる場面もあったが、サンプドリアが攻勢を強めている時間帯での存在感はデ・リフトとともになかった。相手 GK と DF の間にフィードを落とすキック精度とクリーンシート達成が評価のポイント。
DF: A・サンドロ 6.5
PK 奪取をするなど最後に帳尻を合わせたものの、プリマベーラの所属歴を持つレリスへの対応に手を焼く。スペースを利用されているのは今後の改善点だろう。
MF: ラビオ 7.5
ユベントス加入後のベストゲーム。ハーフスペースへの侵入で FK を獲得し、広いカバー範囲でのボール奪取からカウンターを発動させるなど素晴らしい内容だった。意図的なイエローで次節の休養を自ら決める狡猾さも見せた。
MF: ピアニッチ 6.5
ボールを引き出して前後左右に散らすレジスタとしての役割を果たす。攻守において期待される仕事をしており、退団が惜しまれる。
MF: マテュイディ 5.5
ハーフスペースへの飛び出しなど持ち味を発揮していたが、頻度の点でラビオに劣っていた。状態を上げなければ、ポジションを失うことになるだろう。
FW: クアドラード 5.5
右サイドを縦に突破したり、サイドライン際からクロスを供給したりとチャンスメイクに奔走。ただ、疲労で攻守において動きが重かった。
FW: ディバラ 5.5
前節までと同様に柔らかいタッチで相手の守備ブロックを崩すための仕掛けを狙っていたが、負傷によって退くことになってしまった。離脱の程度が気になるところだ。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
前半アディショナルタイムに先制点を決め、スクデット獲得を大きく引き寄せる。ただ、後半の決定機では冷静さを欠いたこともあり、複数得点の好機を逸してしまう。得点王を狙う上では残念な試合となった。
【交代選手など】
FW: ベルナルデスキ 6.0
29分に負傷したダニーロに代わって急遽出場する。出場から間もなくしてディバラが負傷したために攻撃時の変化がなくなって存在感が消えてしまう。それでも、こぼれ球に素早く反応して追加点を決め、アピールに成功した。
FW: イグアイン 5.0
ディバラとの交代で39分から出場機会を得る。後半半ばでのガス欠は否定できず。82分の決定機もシュートが枠を外すなど状態の悪さが印象づけられただけだった。
DF: ルガーニ ー
78分にデ・リフトとの交代で出場。危険な場面を作られずに手堅いプレーで中央を封鎖した。
DF: ベンタンクール ー
78分にピアニッチとの交代で出場する。レジスタの役割を引き継いだが、実際の仕事は DF ラインの盾になることだった。クリーンシートで終えるための貢献をしたことは大きい。
サッリ監督 6.0
スクデットを獲得したことは評価されるべきだろう。ただ、スクデットを逃したから前監督が解任されたのではない。ターンオーバーは不要と言い切ってチームが満身創痍となった代償を払うことになるのかは今後の調整次第だろう。周囲を結果で黙らせることが注目点だ。
フルノー主審 7.0
主にユベントスのビッグネームからの判定に対する不満に屈することなく、公平な基準に基づくジャッジを最後まで続ける。来季はセリエAで顔を見る機会が増えることを予感させる試合のコントロールだった。