2020/21 セリエA第35節ミラン戦はB・ディアス選手の先制点を皮切りに3得点をあげたミランが 0-3 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-4-2] |
AC Milan [4-2-3-1] |
|
---|---|---|
GK | 1: シュチェスニー | 99: ドンナルンマ |
DF | 16: クアドラード 4: デ・リフト 3: キエッリーニ 12: A・サンドロ |
2: カラブリア 24: ケアー 23: トモリ 19: テオ・エルナンデス |
MF | 14: マッケニー 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
79: ケシエ 4: ベナセル 56: サレマーカーズ 21: B・ディアス 10: チャルハノール |
FW | 9: モラタ 7: ロナウド |
11: イブラヒモビッチ |
ユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。キエーザ選手が先発に復帰し、最終ラインはダニーロ選手がベンチスタート。3バックに変化した際はキエッリーニ選手が中央に陣取る配置で試合に臨みます。
対するミランのピオーリ監督は 4-2-3-1 を選択。こちらは予想された選手が先発に名を連ね、イブラヒモビッチ選手をトップに2列目にはチャルハノール選手やB・ディアス選手が入る布陣で試合を迎えます。
この試合の結果がリーグ戦の行方に大きな影響を及ぼすことを両チームが強く意識していることもあり、相手ゴールを脅かすような決定的な場面がほとんど作られない非常に膠着した状態で時計の針は進む。
最初に得点を予感させる場面が訪れたのは30分。ユベントスはクアドラードが入れた左 CK にキエッリーニがファーサイドでヘディングシュートを放つがシュートは枠のわずかに右。キエッリーニは思わずピッチに突っ伏してしまう。
対するミランは37分にチャルハノールとの連携で左サイドを突破したテオ・エルナンデスがシュート気味の強烈なクロスを放つが、これはA・サンドロがヘディングで CK に逃れて攻撃は止められてしまう。
試合が動いたのは前半アディショナルタイムの46分。ミランは右サイドで得た FK から中央にクロスを入れるとシュチェスニーがパンチングでクリア。しかし、このボールがB・ディアスへのパスの形となり、少し中に持ち込んだB・ディアスが巻いたシュートをゴール右上に決めてミランが先制して前半を終えることに成功する。
ユベントスは後半立ち上がりの47分にクアドラードが入れた縦パスをモラタが落とし、走り込んだベンタンクールのシュートが枠を捕らえるもドンナルンマが好セーブ。同点の機会を活かせない。
対するミランは56分にB・ディアスがドリブルで仕掛けてラストパスを出すが、クアドラードがスライディングでカット。この跳ね返りを回収したB・ディアスが右足で狙うと、キエッリーニの右手に当たっていたことが VAR で判明し、ミランは PK を獲得する。
ところが、キッカーのケシエがゴール右を狙った PK はシュチェスニーがストップ。ユベントスは辛くも1点ビハインドで逆転を狙う状況を維持することに成功する。
するとミランにアクシデント。65分にイブラヒモビッチが負傷でレビッチとの交代を強いられ、先行きに暗雲が立ち込める。だが、78分にベナセルからの縦パスを受けたレビッチが豪快なミドルシュートをゴール右上に決め、ミランのリードは2点に拡大する。
ミランは81分にチャルハノールの FK からトモリが高い打点から叩きつけた強烈なヘディングシュートを決め、スコアを 0-3 として試合の行方を決定付ける。
一矢報いたいユベントスは途中出場のディバラが自らドリブルで持ち込んでシュートを放つが、これは枠の左でゴールとはならず。結局、試合はこのまま 0-3 で終了。ユベントスはチャンピオンズリーグ出場圏外の5位に転落した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
1失点目の発端となったパンチングでのクリアは距離が出なかったことは批判の対象だろう。だが、それ以外に批判すべきプレーは見当たらない。PK は止めたし、ベストは尽くしていた。
DF: クアドラード 5.5
テオとの押し相撲で劣勢となり苦しい試合だった。試合展開に左右されないパフォーマンスが売りではあるが、それを出す機会すらなかった。
DF: デ・リフト 5.5
キエッリーニよりは戦えていたが、当の本人は(セリエAで)ロナウドに次ぐ高給取りであることを忘れてはならない。緩い守備陣の責任を負うべき立場だと言えるだろう。
DF: キエッリーニ 5.0
ピルロが守備陣の統率を託したものの応えることはできず。ハンドで PK を献上し、トモリに高さで決定的な3点目を奪われるなど限界を見せつけられた試合となってしまった。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
前半終了間際にテオのシュート気味のクロスがイブラヒモビッチに届く手前でクリアしたプレーが本日のハイライト。対面したサレマーカーズが躍動していたことが相対的な評価を示している。
MF: マッケニー 4.5
先発させた効果を見つけるのが難しいパフォーマンスだった。配置的にはテオ・エルナンデスを見ているはずだが、プレーを制限させたとは言えず。攻撃時にも消えており、存在感は皆無だった。
MF: ベンタンクール 5.5
ベストは尽くしていたが1人では無理がある。起用方法で不完全燃焼に陥っていると言わざるを得ないだろう。
MF: ラビオ 5.0
ウディネーゼ戦でのプレーが期待されたが、低調な内容だったことは否定できない。ミラン攻撃陣のドリブルを止めることができず、自らのドリブルで推進力をもらたすこともできなかった。
MF: キエーザ 4.5
持ち前の突破力が影を潜め、本調子とは程遠いパフォーマンスだった。コンディションが整わないままぶっつけ本番で起用されたのだろう。同情の余地は他の選手よりもある。
FW: モラタ 5.0
ミランのセンターバック陣に監視されて期待された仕事をすることができず。ベンタンクールに託したポストプレーの1度のみという寂しい内容だった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 4.5
今日の試合でドンナルンマを脅かすシュートやシュートが枠に飛ばせなかったことに怒るシーンがカメラに捕らえたれていただろうか。そのぐらいの傍観者で試合からモラタ以上に消えていた。
【交代選手など】
MF: クルゼフスキ 5.5
67分にベンタンクールとの交代で出場。攻撃を少し活性化させるもチームはその後に2失点を喫し、惨劇のピッチ上での目撃者となってしまった。
FW: ディバラ 6.0
キエーザとの交代で78分から出場する。個人技でミラン守備陣で切り裂いてシュートに持ち込むなどアッレグリ時代の輝きを少ない時間ではあるものの見せていた。
ピルロ監督 4.0
良いトレーニングを積めたと前日会見で述べながら試合は 0-3 の完敗。内容に合致しない試合結果なら弁解の余地はあるが、内容と結果の双方で散々なのだから試合に向けた分析・準備の時点で間違えていたと認めるべきだ。
バレリ主審 6.0
キエッリーニのハンドは VAR を使用せずとも PK を宣告すべきだっただろう。死角でなかったのだから、これは反省・改善すべき点だ。それ以外は審判団として良いレフリングを見せていた。