雨中のトリノで行われた 2019/20 セリエA第14節サッスオーロ戦はロナウド選手のゴールで追い付いたユベントスが 2-2 の引き分けで勝点1を獲得するに留まりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-1-2] |
US Sassuolo [4-2-3-1] |
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GK | 77: ブッフォン | 63: トゥラーティ |
DF | 16: クアドラード 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: アレックス・サンドロ |
22: トリアン 19: ロマーニャ 2: マルロン 77: キリアコポウロス |
MF | 30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 23: エムレ・ジャン 33: ベルナルデスキ |
4: マニャネッリ 73: ロカテッリ 7: ボガ 23: トラオレ 10: ジュリチッチ |
FW | 21: イグアイン 7: ロナウド |
9: カプート |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。ブッフォン選手とエムレ・ジャン選手が久しぶりに出場機会を手にし、両 SB にはクアドラード選手とA・サンドロ選手が復帰する布陣で試合に臨みます。
対するサッスオーロのデ・ゼルビ監督は 4-2-3-1 を選択。カプート選手を1トップに置き、2列目にはジュリチッチ、トラオレ、ボガの3選手を配置する陣容で試合を迎えます。
試合はユベントスが立て続けに決定機を得る展開で始まる。7分にイグアインからの折り返しを中央に走り込んだエムレ・ジャンが合わせようとするが、シュートはジャストミートせず。直後の8分にはエムレ・ジャンのロングシュートが枠を捉えたが、これは18歳の GK トゥラーティが CK に逃れる。
対するサッスオーロは12分にゴール正面やや右で得た FK をキリアコポウロスが狙うが、正面を突いたことでブッフォンがブロックで防ぐ。
すると、20分に試合が動く。ユベントスは右サイドに開いたクアドラードが中に折り返すと、ベンタンクールがボヌッチに展開。走り込んだ勢いを活かしたボヌッチのロングシュートがゴール左下に決まり、ユベントスが1点を先制する。
リードを許したサッスオーロは22分にユベントスの CK からロングカウンターを発動。ユベントスの守備陣は戻ったものの、裏のスペースに抜け出したボガが最後はブッフォンを動きを良く見てループシュートでネットを揺らし、即座に同点に追い付く。
サッスオーロは35分にロカテッリ、39分にトラオレが惜しいシュートを放つもゴールとはならず。前半は両チームともに1点ずつを取り合い、1-1 で折り返す。
均衡を先に破ったのはアウェイのサッスオーロ。47分にデ・リフトのクリアミスで決定機を得たカプートがシュートを放つと、濡れたピッチにバウンドしたボールをブッフォンが止め切れずにゴールイン。サッスオーロが逆転に成功する。
思わぬビハインドを背負ったユベントスは猛反撃を開始。49分にロナウドの FK が枠を捉えるも、これは GK トゥラーティが右手1本で CK に逃れる。50分にはエムレ・ジャンの折り返しにイグアインが合わせるが、トゥラーティに止められてしまう。
61分にはピアニッチのパスに反応したロナウドがネットを揺らすも、これはオフサイドでゴールは認められず。それでもユベントスは67分にエリア内に侵入したディバラがロマーニャに倒されて PK を獲得。これをロナウドがゴール左下に決め、ユベントスが同点に追い付く。
73分にはイグアインのパスが相手 DF に当たってディバラへの思わぬラストパスとなるが、シュートはトゥラーティが左手の指先で CK に逃れる。対するサッスオーロは76分にロカテッリが FK を狙うも、シュートは枠を捉えない。
ユベントスは88分に跳ね返りを狙ったラムジーのシュートがトゥラーティのファンブルを誘発したものの、ゴールラインを割る前にトゥラーティがストップし、ゴールとはならず。結局、試合はこのまま 2-2 で終了。両チームが勝点1を分け合う結果となった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 5.0
失点はどちらも屈辱的なものだった。特に2失点目のファンブルは衰えを痛感させるものであり、厳しい内容の試合だった。
DF: クアドラード 5.5
ジュリチッチの対応に手を焼き、攻撃にまでは手が回らず。守備陣が低調だったこともあるが、休養で英気が養われていたことを踏まえると期待値を下回っていた。
DF: ボヌッチ 5.5
先制ゴールを決めたまでは良かったが、本職であるはずの守備では2失点に絡むなど散々な出来だった。DF 陣は全員が主力選手だっただけに言い訳は認められないだろう。
DF: デ・リフト 5.0
直近2試合でのパフォーマンスは “確変” と言わざるを得ないほど、元の低調なパフォーマンスに戻ってしまった。次回出場時の内容が注目点と言えるだろう。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
対面したボガに振り回され、サッスオーロに攻撃の起点を簡単に作られてしまう。チャンスメイクで貢献したかったが、エムレ・ジャンとの連携などが機能不全を起こしてしまっていた。
MF: ベンタンクール 7.0
中盤でボールを引き出してボール奪取でピンチを防ぐなど孤軍奮闘した。MF として最も効いていた選手だった。
MF: ピアニッチ 6.0
ボールを動かし攻撃のリズムを生み出していたが、前線への縦パスから決定機を演出するまでには至らず。エムレ・ジャンを上手く活かすことができず、それが攻撃を停滞させる遠因になってしまった。
MF: エムレ・ジャン 5.5
持ち味は発揮されていたものの、空回りに近い状態だった。裏のスペースへの侵入が持ち味のマテュイディとは特長が異なるため、同じ仕事を期待するのは酷であり、要求するのは誤った指示と言わざるを得ないだろう。
MF: ベルナルデスキ 5.0
周囲との連携に苦しみ、アトレティコ戦で見せた好パフォーマンスが偶然のような出来だった。トップ下ではなく、インサイドハーフで汗かき役をする方が適性があるのではなかろうか。
FW: イグアイン 5.5
チャンスメイクに回ったり、決定的なシュートを放ったりと FW として期待される仕事はしていた。ただ、ゴールという結果が伴わず、守備もサボりがちだった。それが寸評の全てである。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
何かがおかしい。ゴールは決めたが、これはディバラが獲得した PK によるものだ。憎らしいほど冷静かつ正確にゴールを量産できる実力があることを知っているため、現状のパフォーマンスに不満を覚えるのは無理のないことだろう。
【交代選手など】
FW: ディバラ 7.0
54分にベルナルデスキとの交代で出場。ドリブルで局面を打開し、チャンスを拡大する。同点となる PK を獲得し、決定機でのシュートは枠を捉えるなど好調を維持していることを見せつけた。
MF: マテュイディ 6.0
エムレ・ジャンに代わり、ディバラと同じ54分から出場する。今季の出場時間によって築かれていた周囲との連携の良さを見せるも、中に絞って来たボガへの対応には手を焼く。潤滑油としての役割は十分に果たしていた。
MF: ラムジー ー
イグアインとの交代で79分から出場機会を得る。試合終了間際のシュートやディバラとの連携で得点機に絡んだが、チームに勝点3をもたらす救世主にはなれず。消化不良で試合を終えることになった。
サッリ監督 5.5
ボールを持てるサッスオーロに対して「プレスの仕掛ける場所」が曖昧で、相手に息を付く時間と体制を整える時間を与えて試合を苦しくしてしまった。4-3-1-2 のままで守備ブロックを作るのだから、サイドで持ち運ばれるのは当たり前だ。勝点の取りこぼしは「慢心が招いた結果」と言えるだろう。
ラ・ペンナ主審 6.0
ディバラが獲得した PK は明らかにロマーニャの足がかかっていたので妥当な判断だった。オフサイドの判定も速やかで試合の進行を妨げることはなく、良い審判団が担当していた。