雨のベルガモで行われた 2019/20 セリエA第13節アタランタ戦はイグアイン選手の2ゴール1アシストの活躍でユベントスが 1-3 の逆転勝ちを手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Atalanta BC [3-4-1-2] |
Juventus [4-3-1-2] |
|
---|---|---|
GK | 95: ゴッリーニ | 1: シュチェスニー |
DF | 2: トロイ 6: パロミーノ 19: ジムシティ |
16: クアドラード 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 2: デ・シリオ |
MF | 33: ハテブール 15: デ・ローン 11: フロイラー 8: ゴセンス 88: パシャリッチ |
6: ケディラ 5: ピアニッチ 30: ベンタンクール 33: ベルナルデスキ |
FW | 99: バロウ 10: A・ゴメス |
10: ディバラ 21: イグアイン |
アタランタのガスペリーニ監督は 3-4-1-2 を選択。バロウ選手を先発に抜擢し、A・ゴメス選手がセカンドトップ。パシャリッチ選手をトップ下に置く陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。左サイドのレギュラーとしてプレーしていたA・サンドロ選手とマテュイディ選手に代わり、デ・シリオ選手とベンタンクール選手が先発する布陣で試合に臨みます。
試合はホームのアタランタが4分にA・ゴメスの右 CK からジムシティが頭で合わせるも、シュートは枠を捉えず。対するユベントスは7分にクアドラードの縦パスにイグアインが反応するが、ゴッリーニの飛び出しでシュートを放つ前に決定機を阻止されてしまう。
すると、16分に試合の行方を左右するプレーが起きる。アタランタは左サイドでA・ゴメスが入れたクロスがケディラの右足に当たって跳ね上がって右手に当たり、1度は流そうとしたロッキ主審は PK を宣告。しかし、バロウが蹴った PK はクロスバーに嫌われ、ユベントスは窮地を脱する。
アタランタの勢いは続き、23分にパシャリッチがヘディングで狙うも、これはシュチェスニーが横っ飛びセーブでクリア。24分にはハテブールのシュートが枠を捉えるが、これはデ・リフトが身体を張って防ぐ。
反撃に転じたいユベントスだったが、ベルナルデスキが右肋骨を痛めた様子で途中交代を強いられるなど攻撃の歯車が上手く噛み合わず。結局、ペナルティーエリア内からゴッリーニを脅かすようなシュートを放てないまま前半を 0-0 で終える。
均衡を破ることに成功したのはホームのアタランタ。56分に右サイドでバロウが持ち出してクロスを入れると、逆サイドでフリーになっていたゴセンスが頭で合わせてアタランタが先制する。
劣勢が続いていたユベントスは74分にクアドラードのクロスをD・コスタが落としたことで生じた混戦からイグアインがシュート。これが DF に当たってコースが変わり、運にも恵まれる形でユベントスが同点に追い付く。
アタランタは77分にムリエルのロングシュートが枠と捉えたが、シュチェスニーが好セーブで CK に逃れて勝ち越しとはならず。逆にユベントスは82分に左サイドからボールを受けたディバラの縦パスに反応したクアドラードが折り返したところをイグアインが合わせて逆転に成功する。
同点を狙うアタランタの攻撃を耐え続けたユベントスは92分に左サイドに開いたイグアインのサイドチェンジを受けたディバラがカットインからニアサイドを居抜き、試合を終わらせる3点目を手にする。
結局、試合はこのまま 1-3 で終了。アウェイのユベントスが逆転勝ちで勝点3を手にした。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
シュートを浴び続けたものの、1失点に抑える。大量失点の恐れもあっただけに最後尾での奮闘による貢献度は高い。
DF: クアドラード 6.0
A・ゴメスに陣取られたことで守備面では苦労を強いられる。狙い撃ちにされたことでチャンスを作られる原因にもなったが、持ち味である攻撃面で奮闘。プラスマイナスはゼロに収まるパフォーマンスだった。
DF: ボヌッチ 5.5
縦パスを相手に渡してしまうなど軽率なミスが散見。雨中の試合で集中力を欠いていた。攻撃陣の奮起に救われる形となった。
DF: デ・リフト 6.5
バロウの仕事を完全に封じ、ピンチの場面では身体を張ったシュートブロックを見せるなど今季のベストパフォーマンスだった。
DF: デ・シリオ 5.0
守備時にスペースを埋める仕事はしていたが、ボール奪取やドリブルといった違いを生み出すことはできず。ポゼッション時の貢献も少なく、プレーでアピールすることはできなかった。
MF: ケディラ 5.0
マッチアップの機会が多かったA・ゴメスに翻弄され、(不運な形とは言え)PK を奪われるなど内容は良くなかった。攻守において低調な出来だった。
MF: ピアニッチ 5.0
パシャリッチに張り付かれたことでボールを動かす仕事をほとんどすることができず、チームのポゼッションが停滞する原因となった。こうした対応策が取られることは予想されるだけに対処策を講じる必要性が浮き彫りになったと言えるだろう。
MF: ベンタンクール 5.5
マテュイディの代わりに先発起用されたが、ボールの動きが悪かったことで持ち味が消える。チーム全体のパフォーマンスに引っ張られる結果になってしまった。
MF: ベルナルデスキ 5.0
雨のピッチでのボールタッチに苦労してミスを連発。調子が上がらないまま、右脇腹を痛めて途中交代を余儀なくされる。その際の苦しみからマテュイディと同様に肋骨の骨折が発覚しても不思議ではない。
FW: ディバラ 7.0
ロッキ主審と揉めてからフラストレーションを貯めていたが、個人技を活かして自らチャンスを作り出して攻撃を牽引。仕上げの3点目を決め、状態の良さをアピールして試合を終えた。
FW: イグアイン 7.0
2ゴール1アシストと素晴らしい結果を残したが、同点ゴールがラッキーな形で決まるまでは散々なパフォーマンスだった。エースとして文句の付けようがない成績は次戦に向けた大きな自信になるだろう。
【交代選手など】
MF: ラムジー 5.5
26分にベルナルデスキとの交代で出場する。得意のトップ下に入ったが、ポゼッションを寸断されていたため持ち味を発揮することはできず。試合から消えた時間が多く、不完全燃焼になってしまった。
FW: ドウグラス・コスタ 5.5
ベンタンクールに代わり58分から出場。トップ下を基本ポジションに攻撃のアクセントを付けるために汗をかく。派手さは少なかったが、ボディーブローを打ち続けた。
MF: エムレ・ジャン 6.5
70分にケディラとの交代で出場機会を得る。右サイドの守備時に発生していた “水漏れ” を防ぎ、攻撃の土台を整える役割を果たす。逆転勝利の足がかりを作った仕事は大きいと言える。
サッリ監督 6.0
ピアニッチが消された上、右サイドの守備が機能不全という問題が前半から明らかだったが、対処策を打ち出せずに時間だけが経過してしまった。エムレ・ジャン投入が当たり、2トップの個人技で救われた試合になった。
ロッキ主審 6.5
荒れた試合になったが、前半にイエロー6枚を提示することでコントロール。PK 判定はケディラには酷だったものの、ジャッジ全体は妥当と言えるだろう。