ベルガモで行われた 2018/19 コッパ・イタリア準々決勝アタランタ戦は前半に2点を決めたアタランタが 3-0 で勝利し、ユベントスは準々決勝で敗退となりました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
| Atalanta BC [3-4-2-1] |
Juventus [4-3-3] |
|
|---|---|---|
| GK | 1: ベリシャ | 1: シュチェスニー |
| DF | 2: トロイ 19: ジムシティ 6: パロミノ |
2: デ・シリオ 24: ルガーニ 3: キエッリーニ  12: アレックス・サンドロ |
| MF | 33: ハテブール 15: デ・ローン 11: フロイラー 21: カスターニュ |
6: ケディラ 30: ベンタンクール 14: マテュイディ |
| FW | 72: イリチッチ 91: サパタ 10: Ａ・ゴメス |
33: ベルナルデスキ 10: ディバラ 7: ロナウド |
アタランタのガスペリーニ監督は 3-4-2-1 を選択。第18節で対戦した時から3選手を入れ替えただけに留め、好調の3トップが攻撃を牽引する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。両 SB は予想に反してデ・シリオ選手とＡ・サンドロ選手が先発、中盤には復帰したばかりのケディラ選手を起用する布陣で試合に臨みます。
試合はラツィオと同様にハイプレスを選択したアタランタが主導権を握ることに成功する。ユベントスのパスミスを誘発させてカウンターで好機を何度か作っていたアタランタは23分にＡ・ゴメスのシュートが枠を捉えるも、これはシュチェスニーが CK に逃れる。
すると、直後の25分にアタランタはイリチッチが、ユベントスがキエッリーニが負傷でプレー続行が不可能となるアクシデントが発生。両チームともにゲームプランが狂ってしまう。
このトラブルが深刻だったのはユベントス。37分に緊急出場したカンセロがカスターニュにボールを奪われると、そのまま持ち込まれてシュートをゴール右隅に決められてしまい、アタランタが1点を先制する。
勢いに乗ったアタランタは39分には縦への素早い展開でＡ・ゴメスがサパタへのパスを通す。急増 CB のデ・シリオがマークには付いていたものの、反転ターンで振り切ったサパタが右足で豪快なシュートを蹴り込み、アタランタがリードを2点差に広げて前半を折り返す。
意地を見せたいユベントスは52分に右 CK からルガーニが、55分にはベンタンクールが狙うも、シュートは枠を捉えずに時間だけが経過する。
前半に比べてシュート数は増えたユベントスだが、2点差のリードを持ってゴール前に人数をかけて守るアタランタの守備網をこじ開けることはできない。逆に、85分にはデ・シリオのバックパスが短くなったところをサパタに奪われてシュートを決められ、決定的な3点目を献上。
結局、試合はこのまま 3-0 で終了。完敗の内容でアタランタに屈したユベントスはコッパ・イタリア準々決勝敗退となってしまった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
セーブ可能なシュートはすべてストップしたが、結果的に3失点。GK 個人で防げるものではなく、大きな同情の余地は残る試合だった。
DF: デ・シリオ 4.5
キエッリーニの負傷で急遽 CB としてプレーする。CB としてプレーはできるが、計算はできないことが明らかになった。
DF: ルガーニ 5.5
サパタに仕事をさせないなど、自らが担当したサイドからの攻撃は防ぎ続けた。だが、ラツィオ戦と同様に周囲のパフォーマンスが上がらず、個の能力を相手のチーム能力に上回れる結果となった。
DF: キエッリーニ 6.0
アタランタの攻撃を防いでいたが、25分で負傷交代。交代後に守備陣があっけなく崩壊したことから、改めてチームに高い貢献をしていたことが示された。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
守備では奮闘したが、クロスの精度が散々で攻撃を停滞させる原因を作ってしまった。疲労によるコンディション低下を考慮すべきだろう。
MF: ケディラ 5.0
中盤の盾として機能することが期待されたが、アタランタのハイプレスの前に存在感を発揮できず。試合から消えていた。
MF: ベンタンクール 5.0
ピアニッチの役割を担うためにアンカーの位置でプレーするも、Ａ・ゴメスとパシャリッチのマークでボールを受けることすら満足にできず。低調なパフォーマンスに終始することになった。
MF: マテュイディ 5.0
ケディラと同様に試合から消え、中盤で期待された仕事や前線への飛び出しは完全に影を潜めた。ただ、バランスを取れるような試合でもなく、チームとともに低迷した。
FW: ベルナルデスキ 5.0
ラツィオ戦で見せた突破力を見せることはできず。上手く封じ込められて不完全燃焼に終わった。
FW: ディバラ 5.0
右サイドに展開して攻撃の起点を作ろうとするも、スペースを消して守るアタランタ守備陣の前に効果的な仕事をすることはできず。途中交代となった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 4.5
得点を期待されるも、守備ブロックの外に追いやられて怖さが消えていた。ブロックの外でボールを持たせてフィジカルバトルに持ち込むことで消せることが判明したため、この手法を採るチームが続出するだろう。対応が求められる。
【交代選手など】
DF: カンセロ 4.5
27分にキエッリーニとの交代で急遽出場する。ラツィオ戦でのヒーローはアタランタ戦では戦犯になってしまった。自陣内でプレゼントパスを何度も供給するなど散々な内容だった。
FW: ドウグラス・コスタ 5.5
ディバラに代わり61分から出場。サイドからの突破によるチャンスメイクが期待されたが、得意の左足は徹底的なマークを受けて決定機を作ることはできず。脅威にはなり切れなかった。
MF: ピアニッチ 5.5
ケディラとの交代で71分から出場する。中盤でボールを引き出してリズムをもたらすも、ゴール前に人数をかけて守るアタランタを崩すことはできず。試合展開を打開することはできなかった。
アッレグリ監督 5.0
ラツィオ戦での反省を活かせず、同じ入り方をしてしまったことは問題だ。とは言え、25分にキエッリーニが負傷交代を余儀なくされた時点で打つ手がなかったことは否定できない。だが、CB の偏った起用方法は自身の采配による結果であり、自業自得の面もあると言わざるを得ないだろう。
パスクア主審 5.5
フィジカルバトルを容認するも、判定の基準が定まり切らずに両チームがストレスを溜め込む試合となってしまった。力不足であることは否めないレフリングだった。
