ダービー戦となった 2019/20 セリエA第11節トリノ戦はデ・リフト選手のゴールでユベントスが 0-1 で競り勝ちました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Torino FC [3-5-2] |
Juventus [4-3-1-2] |
|
---|---|---|
GK | 39: シリグ | 1: シュチェスニー |
DF | 5: イッツォ 4: リャンコ 36: ブレーメル |
16: クアドラード 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 2: デ・シリオ |
MF | 34: アイナ 23: メイテ 88: リンコン 8: バゼッリ 15: アンサルディ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ 33: ベルナルデスキ |
FW | 24: ベルディ 9: ベロッティ |
10: ディバラ 7: ロナウド |
トリノのマッツァーリ監督は 3-5-2 を選択。ベロッティ選手とベルティ選手が2トップを組み、リンコン選手が DF の前で睨みを効かせる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。復帰したピアニッチ選手をレジスタで起用し、ターンオーバーを実施した左 SB にはデ・シリオ選手を入れる布陣で試合に臨みます。
試合はトリノが左 CK からシュートに持ち込むも、シュチェスニーが難なくキャッチする展開で始まる。対するユベントスはディバラが9分に右サイドからシュートを放つが、相手 DF に当たって CK になる。
すると、物議を醸す場面が発生する。11分にベロッティがフリックしたボールがデ・リフトの右手に当たるも VAR は介入せず。ユベントスは命拾いをする。
中盤でのチェックが激しくなった試合は32分にベルナルデスキのロングドリブルからラストパスを受けたディバラがシュート。しかし、GK シリグの正面を突いたため、防がれてしまう。
対するトリノは36分にデ・シリオと入れ替わったベロッティが絶好機を手にするが、シュートではなくメイテへのパスを選択。ただ、肝心のシュートが枠を捉えずにチャンスを逸する。
ユベントスは45分に右 CK からロナウドが左足シュート。これはトリノ DF に当たるも、こぼれ球をデ・リフトがシュートするもシリグが左手1本での好セーブでゴールを死守。前半は両チームともに譲らず 0-0 で折り返すこととなる。
後半で先に決定機を手にしたのはアウェイのユベントス。55分にドリブルで持ち上がったディバラからのパスを受けたロナウドがゴール左下にシュートを飛ばすも、GK シリグがストップ。
攻めあぐねていたユベントスは60分過ぎに投入されたイグアインが結果を残す。70分にベンタンクールが右サイドから入れた FK からイグアインの強烈ボレーが枠を捉え、シリグが CK に逃れる。この左 CK をイグアインがファーサイドで折り返すと、中央で待ち構えていたデ・リフトが押し込んでユベントスが先制する。
対するトリノは失点直後の71分に左サイドを突破したアンサルディがシュートにまで持ち込むも、GK シュチェスニーが右足で CK に逃れ、同点に追いつくことができない。
ユベントスは83分にトリノのバックパスを狙ったラムジーが追加点を狙うも、これは GK シリグの飛び出しで防がれてしまう。追いかけるトリノは94分に CK の流れからブレーメルがネットを揺らしたものの、オフサイドでゴールは認められず。
結局、試合はこのまま 0-1 で終了。デ・リフトのゴールを守り切ることに成功したユベントスがダービー戦を制し、勝点3を手にした。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
アンサルディの決定的なシュートを止め、クロスボールにも落ち着いて対処。安定感のあるプレーを披露した。
DF: クアドラード 6.0
守備では粘り強く対応し、右サイドでボールを前進させるなど攻撃面でも貢献。手堅いプレーでチームに貢献した。
DF: ボヌッチ 6.5
トリノのクロスを跳ね返すために中央で身体を張り続ける。危ない場面を作られることもあったが、クリーンシートで終えられたことは大きい。
DF: デ・リフト 6.0
ジキルとハイド。前半のハンドで PK を取られても文句は言えないが、審判団が「避けようがない」との理由で見逃してくれたことで命拾いした。動き出しの悪さは初ゴールが隠してくれることだろう。
DF: デ・シリオ 5.5
前節のルガーニと同様に試合勘のなさが如実に現れた試合となってしまった。バランスを取るために尽力していたものの、前方のスペースを活かして攻撃に幅をもたらしたいところだった。
MF: ベンタンクール 6.0
中盤でボールを呼び込み、右サイドを主戦場とする周囲の選手との連携で攻撃の起点となる。守備ではカードも受ける場面もあったが、プロフェッショナル・ファールであるため気にする必要はないだろう。
MF: ピアニッチ 6.0
負傷明け直後のぶっつけ本番となったが、普段どおりのパスワークを披露することができていた。ただ、効果的な縦パスを見せることはできず、相手陣内で違いを生み出すレベルにまでは至らなかった。
MF: マテュイディ 6.0
メイテとのバトルを続け、周囲をカバーする役割を担う。守備面での貢献度はいつも通りだったが、攻撃面はトリノ守備陣に飛び出しを封じられたこともあり、沈黙する時間が長かった。
MF: ベルナルデスキ 6.0
中盤での汗かき役を担うことがほとんどで攻撃の起点となったり、局面を打開するプレーは32分のディバラへのパスぐらいと寂しいものだった。
FW: ディバラ 6.5
右サイドでボールを呼び込んでから細かいタッチでシュートにまで持ち込んだが、シリグに阻まれてゴールとはならず。ゴールやアシストという形で結果を残せなかったことが悔やまれる。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 5.5
ディバラのパスに反応して決定機を迎えたり、サイドに流れて相手を引きつけたりと最低限の仕事はできていた。ただ、実力と期待値を考えると不満が残るパフォーマンスだったことは否めない。
【交代選手など】
FW: イグアイン 7.0
60分にディバラとの交代で出場機会を得る。働きは70分とボレーシュートと71分の CK の折り返しだけの状態だったが、決定的な仕事をしたことが高評価の材料である。
MF: ラムジー 6.0
ベルナルデスキに代わって67分から出場する。縦への推進力を見せ、決定的なチャンスを掴むなど持ち味を発揮していた。
MF: ケディラ ー
ベンタンクールとの交代で76分から出場機会を得る。パワープレーに出るトリノを相手に空中戦での守備が期待されて投入され、期待に応えるパフォーマンスを見せた。
サッリ監督 6.0
イグアイン投入が的中し、勝点3を獲得することができた。ただ、デ・リフトが直近の出場したリーグ戦3試合でハンドによる PK を取られても文句は言えない状況なのが懸念点だ。メンバー固定化の歪みも現れており、危険な状態に陥りつつあると言えるだろう。
バレリ主審 5.5
前半に物議を醸す判定があったことは否めない。トリノのハンドは腕が身体に密着していたため、VAR による介入は不要だ。しかし、デ・リフトのケースは選手自身が腕を引っ込めようとしており、最低でも主審自らが映像で確認すべきだった。審判団がトリノから勝点を盗んだとの批判を受けても止むを得ない。