2019/20 セリエA第30節トリノ戦は立ち上がりのディバラ選手のゴールを皮切りに4得点をあげたユベントスが 4-1 で勝利しました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
Torino FC [3-4-3] |
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GK | 77: ブッフォン | 39: シリグ |
DF | 16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 13: ダニーロ |
5: イッツォ 4: リャンコ 36: ブレーメル |
MF | 30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 25: ラビオ |
29: デ・シルベストリ 7: ルキッチ 23: メイテ 34: アイナ |
FW | 33: ベルナルデスキ 10: ディバラ 7: ロナウド |
24: ベルディ 9: ベロッティ 21: ベレンゲル |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。GK にはセリエA最多出場記録となるブッフォン選手を起用。フィールドプレーヤーは前節ジェノア戦と同じ10選手でダービー戦に臨みます。
対するトリノのロンゴ監督は 3-4-3 を選択。予想された並びからは中盤のリンコン選手を削り、前線にベルディ、ベロッティ、ベレンゲルの3トップを置く布陣で試合を迎えます。
試合は立ち上がりの2分に動く。クアドラードからのパスを受けたディバラが細かいステップでトリノの DF 陣を手玉に取ってシュートを決め、前節ジェノア戦を彷彿させるゴールで立ち上がりにユベントスが1点を先制する。
良い入りを見せたユベントスは29分にトリノの CK からカウンターを発動させるとロナウドがロングドリブルで前進。並走したクアドラードがラストパスを受け、縦への持ち出しから強烈な右足シュートを決めてユベントスのリードは2点に広がる。
対するトリノはクーリングブレイク明け直後にドリブルで持ち込んだベルディの左足シュートが枠を捕らえるが、ブッフォンが横っ飛びセーブで防ぐ。
このまま終了かと思われた前半48分にトリノはベルディのシュートがデ・リフトに当たって CK となるが VAR が介入。デ・リフトの右手に当たったと判定されて PK を獲得する。これをベロッティがゴール左に豪快に決め、1点を返して前半を折り返す。
後半で先にチャンスを得たのはトリノ。50分にベルディが持ち込んで最後はベレンゲルがシュートもこれはブッフォンがブロック。こぼれ球に反応したベロッティとベルディが押し込んだが、オフサイドでゴールは認められず。
同点を狙って積極的なバトルを仕掛け続けたトリノだったが、D・コスタを投入したユベントスが個人技を活かしてシュートにまで持ち込む展開を作り始める。
すると61分にダニーロが倒されて得た FK をロナウドが直接決め、ユベントスのリードは2点に広がる。
意気消沈のトリノを尻目にユベントスはサイドで抜群の突破力を見せていたD・コスタが入れたクロスからジジのオウンゴールも誘発し、4点目の奪取に成功。試合はこのまま 4-1 で終了し、ユベントスが勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手は下表のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
ベルディのフィニッシュを冷静に対処し、シュートストップの衰えはないことを示す。記念の試合に自ら花を添えるパフォーマンスだった。
DF: クアドラード 7.0
ディバラの先制ゴールをお膳立てしたことを皮切りに、対面したアイナとのデュエルを制することでチームが主導権を握る大きな役割を果たす。追加点となる豪快なシュートを決め、勝利に貢献した。
DF: デ・リフト 6.0
ベロッティとの馬力勝負は難なく制したがベルディの対応には苦労した。迂闊なハンドで PKを与えたことがマイナス点。 同点に追いつかれていると危ない試合内容だっただけに命拾いした。
DF: ボヌッチ 6.0
パフォーマンスの内容はデ・リフトと同じ。ベロッティへの対応には余裕があり、ベルディとベレンゲルの動きには手を焼いた。防ぎ切ったという結果は評価されるべきだろう。
DF: ダニーロ 6.5
右利きであることを活かし、攻撃参加をした際はカットインなどによる積極性を見せる。惜しいシュートやロナウドの ゴールとなる FKを獲得して持ち味をアピールした。
MF: ベンタンクール 6.5
右インサイドハーフとしてプレーした際の内容は前節までのクオリティーがあったが、レジスタを担った後半は足かせを付けられたように動きが重かった。来季を見据えた起用もいずれは必要となるだろう。
MF: ピアニッチ 6.0
レジスタの位置でボールを引き出して動かし続け、トリノが狙う試合展開になることを防いでいた。ピアニッチが下がった後に急に肉弾戦が本格化したことがそれを示している。堅実な貢献が光っていた。
MF: ラビオ 6.0
継続した起用でコンディションが仕上がり、相手の当たりを苦にすることなくボールを呼び込んで味方に展開するなどの場面で効いていた。上り調子であることが頼もしい。
FW: ベルナルデスキ 5.5
この試合でも献身性は光ったが、強引さが悪い方に出てしまった。ポジション争いをするD・コスタが好調さを維持しており、焦りからプレーが雑になってしまったのだろう。微調整が必要だ。
FW: ディバラ 7.0
立ち上がりに前節ジェノア戦での得点を彷彿させるゴールを決め、状態の良さを見せ付ける。その後もチャンスメイクなどで存在感を発揮し続けたが、シミュレーションで次節出場停止となってしまった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
クアドラードへのラストパスを供給し、61分には見事な FK を決めた。ユベントスでは初めてとなる FK のゴールだったから、気分良く次戦を迎えてくれるだろう。得点王争いはまだ終わってはいない。
【交代選手など】
MF: マテュイディ 5.5
49分にピアニッチとの交代で出場。肉弾戦に持ち込もうとするトリノに応戦する形での起用となる。中盤はソリッドになったもののクオリティーが低下したことで組み立てを放棄する結果になってしまった。
FW: ドウグラス・コスタ 7.0
ベルナルデスキに代わり56分から出場する。持ち前である急加速・急停止のドリブルでトリノ DF 陣を翻弄し、今節でも持ち味を発揮。決定的な存在のままでプレー時間を伸ばしていることが大きい。先発に名を連ねる日も近そうだ。
FW: イグアイン ー
80分にディバラとの交代で出場機会を得る。クアドラードのクロスに合わせたがシュートを枠に飛ばすことはできなかった。だが、次節はディバラが出場停止であり、先発の可能性が高い。結果を残す千載一遇のチャンスを活かせるかが注目点だ。
サッリ監督 7.0
肉弾戦で守備陣が決壊しないように中盤 MF をソリッドにする選択をしたのだろう。クオリティーを犠牲にした判断がこの試合唯一の疑問点だった。前半は中盤でのポゼッション、後半は素早くサイドに展開しての仕掛けと異なる形での攻撃力を見せたのだから強烈なメッセージになったはずだ。
マレスカ主審 6.5
デ・リフトのハンドだが右足の付け根付近に当たってから右手にヒットしていた。PK の宣告は厳しいと言えるが、右腕が身体に密着しておらずシュートが枠を捕らえていたのだから判定は妥当だろう。カードの枚数は多かったが厳格にジャッジを下していた。