『スカイ・イタリア』によりますと、ナポリ戦でクリバリ選手に対する差別チャントを理由に「スタジアムの該当セクター(= 南スタンド)の1試合閉鎖処分」を受けたユベントスが処分に対する異議申し立てを行ったとのことです。
ユベントスは「2018/19 セリエA第7節ナポリ戦の試合中にクリバリ選手に対する差別チャントが南スタンドから行われた」との理由で、南スタンドの1試合閉鎖処分がリーグ機構から下されました。
処分対象の試合は10月20日(土)に行われるセリエA第9節ジェノア戦なのですが、ユベントス側は「処分内容が他のクラブと比較して不公平」、「差別チャントを行った個人に罰則を科すべき」との理由で控訴したとのことです。
ユベントスが文句を言いたくなることは理解できます。例えば、カリアリは黒人選手への差別チャントを複数回(エトオ、ムンタリ、マテュイディなどに)行っていますが、スタジアムの閉鎖処分までの罰則は科されていません。
また、差別チャントを行った個人・集団への処分ではなく、クラブが損害を被る罰則も時代錯誤です。
なぜなら、問題行為に手を染めた個人や集団に対する処分が実質的に行われていないからです。“ブラックリスト” に登録し、スタジアムへの入場を拒否したり、差別行為を罰する法律を適応するなど刑事事件として対処するなどの解決策はあるはずです。
しかし、現状ではリーグ機構が最も処分を下しやすい立場にあるサッカークラブに罰則を科すことで、問題に取り組んだ気になっているのですから、この方針に異議を唱えるクラブが出てきて当然と言えるでしょう。
ただ、ユベントスの思惑どおりに処分が撤回される可能性は低いと思われます。おそらく、異議申し立ては却下されることでしょう。
差別問題についてはクラブだけで対処するよりも、捜査当局に対応を任せた方が合理的です。ユベントスがどのように振る舞うのかに注目です。