ユベントスが試合終盤の劇的ゴールで勝利した 2017/18 セリエA第35節インテル戦ですが、試合とは別の騒動でゴタゴタが続く状態となっています。

1:アッレグリ監督の囲み取材時の発言
1つ目の騒動は「アッレグリ監督の試合後の発言」です。イタリア・ダービー後、アッレグリ監督はメディア取材に応じていたのですが、背後を通りかかった試合で第4審判を務めたタリアベント氏に以下の発言をしています。
「チャオ、タリア。本当に良かったよ。彼(=主審のオルサート)はブラボーだ。昇進だね」
“カルチョ・ポーリ” を皮肉ったジョークであることは明らかなのですが、発言が炎上したことで、FIGC が調査に乗り出すのではないかと噂されていました。
この件は「嫌疑なし」と判断され、調査は行われないと発表されています。その理由ですが、審判協会で試合への任命権を持つ立場(=審判の昇進先)にいるのはニコラ・リッツォーリ氏であり、ポジションは埋まっています。
オルサート氏が(審判協会内で)昇進する可能性は低い状況ですし、アッレグリ監督の発言を処分する理由も見当たらない状況なのです。したがって、周囲が過剰に騒いだだけと言えるでしょう。
2:マテュイディに対する人種差別
もう1つの騒動は「マテュイディ選手に対する人種差別チャント」の存在です。こちらは報告書(PDF)に記載され、調査を進められると発表されています。
- 後半10分過ぎにマテュイディに対する差別的チャントが “クルヴァ・ヴェルデ” の1、2、3階層から発生
- FIGC 検察官の位置からはどの階層から起きたのかは判別不能
- 効果的な処罰を行うためにはデータ取得が必須
- 2017年4月30日に行われたナポリ戦で発生した問題に対する処分の執行猶予を踏まえ、調査を行う
要するに、「インテルのウルトラスが陣取るゴール裏のエリアから、試合中にマテュイディに対する人種差別的なチャントが確認された」とのこと。
ただ、「どの階層からのチャントだったか」の特定ができておらず、そのための調査を実施する権限が FIGC の検察官に付与されることになりました。調査対象となったインテルですが、2017年4月のナポリ戦でクリバリ選手に人種差別チャントを浴びせ、警告を受けています。
執行猶予の状態でしたので、マテュイディ選手への人種差別チャントも認定されるとスタンド閉鎖処分が現実味を帯びることでしょう。
“インテルナツィオナーレ(Internazionale)” というチーム名称を持つチームのサポーターが人種差別をするという実態はブランドイメージを大きく損なう行為です。リーグやクラブが該当するサポーターたちにどのような処分を下すのかに注目です。