2019/20 シーズンの UEFA チャンピオンズリーグ初戦となった第1節アトレティコ・マドリード戦はクアドラード選手のゴールなどでユベントスが先行するも追いつかれ、2-2 の引き分けで終わりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Atletico Madrid [4-4-2] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 13: オブラク | 1: シュチェスニー |
DF | 23: トリッピアー 15: サビッチ 2: ヒメネス 12: ロディ |
13: ダニーロ 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: アレックス・サンドロ |
MF | 6: コケ 5: トーマス 8: サウール 11: レマル |
6: ケディラ 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
FW | 7: ジョアン・フェリックス 19: ジエゴ・コスタ |
16: クアドラード 21: イグアイン 7: ロナウド |
アトレティコ・マドリードのシメオネ監督は 4-4-2 を選択。J・フェリックス選手とジエゴ・コスタ選手が2トップを組み、MF 陣は並びを柔軟に変更することが可能な4選手を起用する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。D・コスタ選手が不在の右ウィングにはクアドラード選手を起用するサプライズがあった他はフィオレンティーナ戦と同じ10選手が先発に名を連ねて試合に臨みます。
試合は両チームともに陣形を 4-4-2 にした状態でのプレス合戦で幕開けとなる。この状態を崩したのはJ・フェリックス。10分に自陣からのロングドリブルで枠内シュートを放つと、13分にはトリッピアーからのクロスに頭で合わせるなどアトレティコの攻撃を牽引する。
両サイドの大外で待ち構える SB にサイドチェンジのパスを通して攻めるアトレティコに対し、ユベントスは22分にロナウドのロングシュートが枠を捉えるも、シュートはオブラクが落ち着いて対処する。
オブラクは25分にマテュイディからの折り返しがサビッチに当たってオウンゴールになりかけるが、冷静なキャッチでピンチを防ぐ。39分には CK の流れからクアドラードが入れたクロスをロナウドが頭で合わせたが、これもオブラクがキャッチ。
前半は両チームともに譲らず、ゴールレスで折り返す。
後半は試合が激しく動く。48分にユベントスはカウンターを発動させてイグアインが左サイドでボールを回収するとクアドラードに展開。これをクアドラードが左足でゴール左上に決め、ユベントスが均衡を破る。
アトレティコは60分に右サイドでの細かいパス交換からコケが入れたクロスを攻め残っていたヒメネスが合わせるも、シュートは枠の上へと外れてしまう。
するとユベントスは65分にドリブルで持ち上がったロナウドが左サイドを並走するA・サンドロに展開。A・サンドロからのクロスを飛び込んだマテュイディが頭で合わせ、ユベントスのリードは2点に広がる。
2点のビハインドを背負ったアトレティコはここから反撃。70分に FK からヒメネスが頭で折り返したところをサビッチが押し込み、1点差に詰め寄ることに成功する。
82分に途中出場のビトーロが個人技からの枠内シュートでシュチェスニーを脅かしていたアトレティコは90分に左 CK からエレーラがヘディングで決め、土壇場で試合を振り出しに戻す。
追いつかれたユベントスは93分にロナウドが左サイドからドリブル突破でシュートまで持ち込むが、わずかに枠の右へと外れて勝ち越しとはならず。結局、試合は 2-2 で終了。ユベントスは2点のリードを守り切れず勝点1を分け合うことになった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
好セーブで試合を締め続けるも、セットプレーで2失点。どちらも止められるシュートではなく悔やまれる試合となった。
DF: ダニーロ 5.0
プレーが雑。クリアの際に必要のない CK を与えてしまったり、54分には大外でフリーだったロナウドを無視した強引なシュートで相手 DF に当たって決定機を逸するという内容だった。
DF: ボヌッチ 6.0
幸運なことに守備ラインが低く設定され続けたことでクロスを跳ね返すだけで良かった。ハンドを取られなかったことはラッキーだった。1失点目の際にオフサイドを取り損ねた原因。
DF: デ・リフト 6.0
プレシーズンマッチでJ・フェリックスに振り回された反省点を活かし、決定的な仕事をさせずに試合を終えることに成功。ただし、同点ゴールを決めたエレーラと接触していたJ・フェリックスのマークを外したことは問題視されるべきだろう。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
チーム戦術的に空けていた大外のスペースに陣取るトリッピアーに対処する役割を担う。機会を見てオーバーラップし、マテュイディの追加点をお膳立てするなど期待された仕事を果たした。
MF: ケディラ 6.0
中盤でバランスを取り、チームに安定感をもたらす。途中交代で下がった後にチームが脆くなったことが貢献度を示している。
MF: ピアニッチ 6.0
アトレティコの2トップの背後でボールを引き出したかったが、スペースを徹底的に消されて苦労する。それでもワンタッチでサイドに展開してボールを前進させたりポゼッションに工夫をもたらしていた。
MF: マテュイディ 7.0
オフ・ザ・ボールの動きやプレッシングからのボール奪取でチームに大きな貢献をする。タイミング良くエリア内に侵入し、追加点を奪取するなどアッレグリ時代の輝きを示した。
FW: クアドラード 7.0
持ち前の意外性で先制点を奪取。オーバーラップしたダニーロを活かすパス出しをするなど攻撃で効果的なアクセントを付ける存在だった。
FW: イグアイン 5.5
前半は捜索願が出されるレベルで行方不明。後半は先制点となるクアドラードへのパス、73分にロナウドを無視した強引なシュートなど印象には残った。だが、年俸分の働きをしたと称賛できる内容ではない。
FW: ロナウド 7.0
動き出しが素晴らしく、少なくとも後半に2回はフリーでボールが届けられるのを待ち構えている状態だった。パスが選択されていれば、難なく3点目を決めていただろう。後半アディショナルタイムのシュートが決まる可能性は少なかった。
【交代選手等】
MF: ベンタンクール 6.0
69分にケディラとの交代で出場。直後に失点につながる FK を献上するなど試合の入りには失敗したが、73分にイグアインへの決定的なラストパスを出しており、プラマイゼロ以上の働きはできていた。
FW: ディバラ ー
イグアインに代わり80分から出場する。右サイドを中心に突破力を示し、クロスを供給するなどクオリティーの高さを証明していた。
MF: ラムジー ー
ピアニッチとの交代で87分から出場し、ユベントス・デビューを果たす。しかし、アトレティコの攻撃でチームが防戦に回っていたこともあり持ち味を発揮できたとは言い難い試合になっていた。
サッリ監督 6.0
アトレティコのホームで引き分けたのだから、結果を理由に合格点には十分に値する。しかし、戦術・采配面は散々な出来だった。2点を先行しながら、ナポリ戦と同様にセットプレーでリードを容易に吐き出していることは監督・コーチ陣の責任である。早急に対処策を確立させる必要があるはずだ。
マッケリー主審 6.0
フィジカルバトルを容認したことで両チームの選手から判定に対する不満が出ていたものの、判定基準は一定でフェアだった。上手く裁くことができていたと言えるだろう。