アリアンツ・スタジアムで行われた 2018/19 セリエA第35節トリノ戦はロナウド選手のゴールでユベントスが追いつき、試合は 1-1 の引き分けで終わりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-4-2] |
Torino FC [3-4-2-1] |
|
---|---|---|
GK | 1: シュチェスニー | 39: シリグ |
DF | 20: カンセロ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 37: スピナッツォーラ |
5: イッツォ 33: ヌクル 36: ブレーメル |
MF | 16: クアドラード 5: ピアニッチ 14: マテュイディ 33: ベルナルデスキ |
29: デ・シルベストリ 88: リンコン 23: メイテ 15: アンサルディ |
FW | 18: ケーン 7: ロナウド |
7: ルキッチ 9: ベロッティ 21: ベレンゲル |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-4-2 を選択。筋肉のトラブルでエムレ・ジャン選手が試合当日に離脱となったため、ケーン選手を2トップの一角に起用し、クアドラード選手とベルナルデスキ選手を両翼に配置する布陣で試合に臨みます。
対するトリノのマッツァーリ監督は 3-4-2-1 を選択。ベロッティ選手を CF に起用し、2列目でルキッチ選手とベレンゲル選手がサポート。両 WB にデ・シルベストリ選手とアンサルディ選手を起用する陣容で試合を迎えます。
試合はチャンピオンズリーグ出場権獲得という高いモチベーションを持ったトリノが良い入りを見せる。14分にベレンゲルが持ち上がり、DF の裏にラストパス。これに反応したベロッティがシュートを放つが、シュチェスニーが正面で処理をする。
すると、直後の17分に試合は動く。ユベントスはカンセロが最終ラインに下がっていたピアニッチにスローインを入れるも、乱れが生じてルキッチにボール奪取され、そのままシュートを決められて先制を許してしまう。
ビハインドとなったユベントスは19分にロナウドのバイシクルパスからマテュイディが狙うも、シュートはシリグの好セーブに阻まれてゴールとはならず。この跳ね返りを回収したスピナッツォーラのクロスにクアドラードが飛び込んだが、こちらは上手くミートできず。
22分にはスピナッツォーラのパスを受けたロナウドが強烈なミドルシュートを放ったが、ボールは枠のわずかに右へと外れてしまい、前半は 0-1 とトリノが1点のリードで折り返すこととなる。
ユベントスは攻勢を強めるが、ロナウドの得点王狙いが露骨になり過ぎていることがトリノ守備陣の狙いどころとなり、決定機を掴むことができない。
61分にはスピナッツォーラがハーフウェイライン付近からドリブルで持ち込んで自らシュートを放つが、これは枠の左へと外してしまう。77分にはキエッリーニのパスに反応したケーンが素早い反転から左足シュートで狙ったが、これはシリグに正面でキャッチされ同点とはならず。
それでも84分にスピナッツォーラが左サイドからクロスを入れると、ロナウドが中央で高い打点のヘディングシュートを決め、ユベントスが同点に追いつくことに成功する。
この後、ユベントスは勝ち越しを狙って攻撃を続けるが、トリノの守備陣を再び破ることはできず。試合はこのまま 1-1 で終了し、勝点1を分け合うこととなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
失点の場面では可能な限りプレッシャーを与えていた。他のシュートには安定したセービングを見せており、好パフォーマンスに終始した。
DF: カンセロ 5.5
ロナウドしか見えておらず、内容は思わしくなかった。ピアニッチへのスローインで乱れを作り、失点に関与したことも大きなマイナス。
DF: ボヌッチ 5.0
ベロッティに対し、高さ・フィジカル・速さで劣勢だった。このパフォーマンスではチャンピオンズリーグで守備に問題が生じるは当然と言わざるを得ない。
DF: キエッリーニ 6.0
担当したトリノの攻撃陣を封じ、攻めを制限する。CB のパートナーに関係なく、実力を安定して発揮できる能力が目立つ結果となった。
DF: スピナッツォーラ 7.0
ドリブルでボールを持ち上がり、サイドからクロスを何度も供給するなど要求された仕事に十分すぎるほど応じた。戦術的な指示が与えられていなかったなら、クロスの種類に工夫の余地があると言えるだろう。
MF: クアドラード 5.0
縦の突破力が期待されたが、トリノ守備陣に沈黙させられてしまう。もう1つの武器である強烈なミドルも正確性を欠き、攻撃の流れを停滞させる原因になってしまった。
MF: ピアニッチ 5.0
カンセロからのスローインでの判断を誤ったことでルキッチに先制ゴールを献上していまう。中盤でのボールの引き出しなどは普段どおりだっただけに大きなマイナス点となった。
MF: マテュイディ 6.0
左サイドでバランスを取り、機を見てエリア内に侵入して積極的にシュートを狙うなど持ち味を発揮した。連携面もスムーズになっており、地味だが大きな仕事を献身的に行った。
MF: ベルナルデスキ 5.5
前線での運動量はあったが、相手エリア周辺などで決定的な場面を作り出す仕事はできず。消えている時間が多く、ボールを引き出して変化を付けるまでには至らなかった。
FW: ケーン 5.5
フィジカルの強さでトリノの守備網を突破し、ゴールに対する貪欲な姿勢でシュートを狙い続けた。この部分は高く評価できる一方、エリア周辺でチャンスメイクやアシストに回った際の丁寧さと視野の広さは改善点と言えるだろう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
欲しいボールがなかなか得られずにストレスを溜め込む展開だったが、84分に訪れた決定機を確実に決め切り、自らの価値を改めて証明した。ケーンにとって最高の生きた教材であるだけにパフォーマンスの維持だけが唯一の要求点である。
【交代選手など】
MF: マテウス・ペレイラ ー
78分にクアドラードとの交代で出場する。闘志をむき出しにするトリノを相手にしても冷静なボールタッチを披露し、冷静なプレーを見せていた。献身性を示すこともできれば、上のカテゴリーでも十分に通用するだろう。
DF: デ・シリオ ー
ベルナルデスキに代わり、85分から出場機会を得る。右 SB に入り、ベロッティとのバトルを行う。相手のフィジカルに手を焼いたが、守り切ることに成功した。
アッレグリ監督 6.0
試合当日の朝にエムレ・ジャンを欠くことが判明し、用意していた戦術が使用不可になったことには同情の余地はある。ただ、それを差し引いても右サイド全体が不振だったのは問題だ。左サイドの選手たちが奮闘したことが唯一の救いだろう。
オルサート主審 6.5
退場者を出すことが当たり前になっているダービー戦を上手くコントロールした。だが、アディショナルタイムの時間を間違えて試合終了の笛を吹くなど、最後は完全に集中力が切れていた。