『スカイ・イタリア』によりますと、ミラノにいたマロッタ GM にクリスティアーノ・ロナウド選手の獲得についての見解を求めたところ、「話さない」との一言だけが得られたとのことです。
マロッタ GM が見解すら述べないことは珍しいと言えるでしょう。名前が出た選手を高く評価した上で「獲得に関する見解」を述べるタイプだからです。
例えば、バロテッリ選手のように「素晴らしい選手だが、ユーヴェの求めるプロフィールに合致しない」とコメントしたりするケースが過去に存在しているからです。
今回、ロナウド選手の件については肯定も否定もしていません。これはユベントスが株式会社であることも影響しているからでしょう。
■ ロナウド移籍のニュースで株価が上昇
現地7月4日からユベントスの株価が上昇しています。株価に影響を与えるような発表がクラブからはなかったため、影響を与えた要因は「ロナウド選手の移籍」に関する報道と言えるでしょう。
■ スポンサー収入が大幅増加する見込みがあるなら、獲得を真剣に検討する意味はある
クリスティアーノ・ロナウド選手の獲得に乗り出すのであれば、「スポンサー収入が大幅に増えること」が条件になるでしょう。なぜなら、この部分がユベントスの経営上の課題だからです。
デロイト社が発表しているフットボール・マネーリーグ 2018 から、ユベントスが得ていたスポンサー収入は1億1440万ユーロ(2016/17 シーズン)であることが読み取れます。この数字は欧州のトップ10には入っておらず、経営的に引き上げが要求される部分です。
もし、ロナウド選手の加入によって、スポンサー収入が年間5000万ユーロ近くアップするのであれば、「獲得に本腰を入れる意味はある」と考えられるからです。
経営面(特に資金面)でのハードルが高いだけに選手やクラブとの交渉より、スポンサー企業との交渉が大きな比重を占めることになると思われます。
ロナウド選手の獲得交渉が失敗に終わったとしても、ユベントスがマイナスになることはありません。「クラブのイメージや格が上がった」という “果実” は入手済みだからです。
ネイマール選手やエムバペ選手の件では即座に「誤報」と否定していたレアル・マドリードがロナウド選手の件ではノーコメントであることが気になる点と言えるでしょう。ロナウド選手の去就騒動がどのような形で終息するのかに注目です。