ウェンブリー・スタジアムで行われた 2017/18 UEFA チャンピオンズリーグ・ラウンド16トッテナム戦(2nd Leg)はイグアイン選手とディバラ選手のゴールでユベントスが 1-2 で逆転勝ちし、準々決勝に駒を進めました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Tottenham FC [4-2-3-1] |
Juventus [4-2-3-1] |
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GK | 1: ロリス | 1: ブッフォン |
DF | 2: トリッピアー 6: D・サンチェス 5: ベルトンゲン 33: デイビス |
15: バルザーリ 4: ベナティア 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 15: ダイアー 19: デンベレ 23: エリクセン 20: デリ・アリ 7: ソン・フンミン |
6: ケディラ 5: ピアニッチ 11: ドウグラス・コスタ 10: ディバラ 14: マテュイディ |
FW | 10: ケイン | 9: イグアイン |
トッテナムのポチェッティーノ監督は 4-2-3-1 を選択。第1戦からは右 SB トリッピアー選手と左ワイドのソン・フンミン選手を新たに先発で起用する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督も 4-2-3-1 を選択。右 SB にバルザーリ選手を起用し、前線はディバラ、イグアイン、D・コスタの3選手を採用して試合に臨みます。
試合はホームのトッテナムが第1戦と同様にプレスで押し込み、得点のチャンスを手にする。
トッテナムは3分、好調ソン・フンミンが左サイドをスピードで突破してシュート。しかし、これはブッフォンがセーブする。15分にはケインがブッフォンをかわしてシュートを打つも、サイドネットと主導権を手にする。
対するユベントスは17分にベルトンゲンをターンからのスピードで振り切ってエリアに侵入したD・コスタが背後からのタックルで追加副審の目の前で倒されるも、笛はならず。
すると、39分にトッテナムが先制する。エリクセンのパスにデリ・アリが反応して決定機を迎えるも、シュートを打つ寸前でバルザーリがブロック。こぼれ球をトリッピアーがダイレクトでクロスを入れると、ソン・フンミンが右足でシュート。軸足に当たったボールがループシュートとなり、ゴールに吸い込まれた。
勝つために2点が必要となったユベントスは41分にA・サンドロの落としからピアニッチがシュートを放つも、ボールは枠の左へと外れる。
1-0 で迎えた後半もユベントスはトッテナムのプレスに苦しみ、チャンスを手にすることができず時間が経過する。アッレグリ監督は60分過ぎにマテュイディとベナティアを下げ、アサモアとリヒトシュタイナーを投入。システムを 4-4-2 (攻撃時は 4-2-4)に変更すると、流れが激変する。
63分にリヒトシュタイナーが右サイドでディバラのパスを引き出して中央に折り返す。ケディラのヘディングシュートには力がなかったが、ロリスよりも先にシュートに反応したイグアインが押し込み、ユベントスが 1-1 に追いつく。
勢いづいたユベントスは67分、キエッリーニの縦パスを受けたイグアインが背後のスペースにパスを送る。DF ラインを抜け出したディバラがロリスとの1対1を制し、1-2 で試合をひっくり返す。
トッテナムは同点を狙って攻勢を強めるが、焦りとアウェイゴールで歯車が狂い出す。90分にはデイビスが入れたクロスをオフサイドの位置にいたケインが頭で合わせるも、ポストを叩き、ゴールライン上に飛ぶ。しかし、ゴールラインを越える寸前でバルザーリがクリア。
結局、試合は 1-2 で終了。後半の30分を別人のような戦いを見せたユベントスが2戦合計 4-3 で勝利し、準々決勝進出を決めた。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
シュートに対し、良い反応を見せ続ける。失点はミスショットがアンラッキーな形で生まれたものであり、批判を受ける内容ではなかった。
DF: バルザーリ 6.0
右 SB としては落第、CB としては余裕で合格という内容だった。本職ではない選手で騙し通せるレベルの大会ではないだけに起用方法を見直す必要があるだろう。
DF: ベナティア 5.5
プレスの餌食となり、冷静さを失う。守備の出来も本調子とは言えず、活躍した場面が見当たらなかった。
DF: キエッリーニ 7.0
ケインとバトルを続け、守り切るという仕事を果たした。2点目のきっかけとなる縦パスをイグアインに通し、攻撃のスイッチを入れることを忘れなかった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
守備に追われ続けたものの、チームがリズムを取り戻した後は攻守にバランス良く顔を出した。
MF: ケディラ 6.5
最後まで上下動を繰り返し、中盤で存在感を放つ。デンベレを自由にした第1戦の借りを返すことに成功した。
MF: ピアニッチ 5.5
1st Leg よりはボールを動かすなどプレーに関与することはできていたが、違いを生み出すなどの違いを見せるまでには至らなかった。イグアインとディバラが出場した際に輝けるかが課題だ。
MF: ドウグラス・コスタ 6.5
スピードでトッテナム守備陣を切り裂き、チャンスメイクをするなど仕事を果たした。PK 獲得のジャッジが下されなかったことだけが悔やまれる。
MF: ディバラ 7.0
本調子と呼べるだけの力強さや速さは見られなかったが、ロリスとの1対1を制し、重要な局面で真価を見せつけた。準々決勝以降は状態がより改善していることが期待できるだろう。
MF: マテュイディ 5.5
攻守に顔を出したものの、デュエルで競り負け、持ち味を発揮することはできなかった。交代は止むを得ないパフォーマンスだった。
FW: イグアイン 7.5
復帰直後でコンディションは整っていないが、誰よりもゴールへの強い欲求を見せた。1ゴール1アシストと結果を残したことは高く評価されるべきである。
【交代選手など】
DF: アサモア 6.0
60分にマテュイディとの交代で出場。左サイドで互角のバトルを展開し、チームに推進力をもたらした。最後はジョレンテに狙われたが、身体を張り続けた。
DF: リヒトシュタイナー 6.5
ベナティアに代わり、61分から出場機会を得る。トッテナムのプレスを全く苦にすることなく、右サイドを制圧。リード後は時計を進めるプレーを難なく見せるなど大きな違いを見せつけた。
MF: ストゥラーロ ー
イグアインとの交代で83分から出場。自陣深くでのパスがミスになるなど危ないシーンもあったが、広範囲をカバーし、守備の引き締めに貢献した。
アッレグリ監督 6.5
攻撃陣が手薄な状況下で、両 SB とシステムを変更して試合の流れを大きく変えることに成功した。ベナティアとピアニッチが累積警告で起用できない準々決勝第1戦をどう乗り切るかが次のテーマと言えるだろう。
マルチニアク主審 5.0
近くでジャッジしていたものの、D・コスタがエリア内で倒されたシーンを流すなど物議を醸す判定が散見された。ケインのオフサイドも見逃されており、審判団の水準が疑問視される出来であった。