トリノで行われた UEFA チャンピオンズリーグ・グループステージ第3節スポルティング戦はピアニッチ選手の FK とマンジュキッチ選手のゴールでユベントスが 2-1 で逆転勝ちで終えました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは下表のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
Sporting CP [4-2-3-1] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: ルイ・パトリシオ |
DF | 27: ストゥラーロ 4: ベナティア 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
92: ピッチーニ 4: コアテス 22: マテュー 5: コエントラン |
MF | 5: ピアニッチ 6: ケディラ 7: クアドラード 10: ディバラ 17: マンジュキッチ |
14: W・カルバーリョ 16: バッタリア 77: マルティンス 8: B・フェルナンデス 9: アクーニャ |
FW | 9: イグアイン | 28: ドスト |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-2-3-1 を選択。CB はベナティア選手とキエッリーニ選手がコンビを組み、前線は “チンクエ・ステッレ” の5選手にケディラ選手を起用する布陣で試合に臨みます。
対するスポルティングのジェズス監督も 4-2-3-1 を選択。ドスト選手を CF にウィリアム・カルバーリョ選手が中盤に君臨する陣容で試合を迎えます。
試合は両チームがプレスをかけ合う中、思わぬ展開で均衡が破れる。
12分、ベナティアがカットしたボールがB・フェルナンデスの足元へ。フェルナンデスから出たスルーパスをアレックス・サンドロがカットしきれず、マルティンスが抜け出してシュートを放つ。
シュートはブッフォンが良い飛び出しで防いだが、跳ね返りがアレックス・サンドロに当たってゴールに吸い込まれる。ユベントスは出鼻を挫かれる形で、ビハインドを背負うこととなった。
絶対に勝点3が必要なユベントスはここから攻勢を強めるが、スポルティングの守備陣を効果的に崩すことができない。それでも29分にゴール正面左で FK を獲得すると、ピアニッチが壁を上を通す文句の付けようがない FK で同点に追いつくことに成功する。
後半に入ると、勝利が欲しいユベントスが攻め、勝点を持ち帰りたいスポルティングが守備を優先するという構図が鮮明になる。
ユベントスはクロスから決定機を作ろうとするが、スポルティングの身体を張った守備を崩すことはできない。期待のディバラも肝心のシュートをジャストミートせず、ルイ・パトリシオが胆を冷やすシーンがほとんどないまま、試合終盤を迎える。
すると、交代出場直後のドウグラス・コスタが大きな仕事をする。84分に左サイドでマテュイディからのパスを受けたドウグラス・コスタが相手 DF を交わしてクロス。これをファーサイドからマンジュキッチがヘディングでねじ込み、ユベントスが逆転に成功する。
リードを得たユベントスはアディショナルタイムを含めて守りきり、苦しみながらも 2-1 で逆転勝利した。
出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
最後尾で求められるプレーは着実に遂行した。失点は GK にとって不運としか言えないだろう。
DF: ストゥラーロ 5.5
急造であることを差し引いても、内容は良くなかった。技巧派であるアクーニャの対応に苦しみ続け、劣勢を強いられた試合だった。
DF: ベナティア 5.0
持ち味を出せず、左足首を痛めたことで前半のみで交代となった。失点はピアニッチにつなごうとしたボールをカットされたことが決定打となっており、悪い印象が残ってしまった。
DF: キエッリーニ 7.0
高さのあるドスト、スピードのあるマルティンスを封じ込め、チームの守備を統率した。期待に応えるプレーを見せており、好調な選手と言えるだろう。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
普段より軽いプレーが多く、攻守にちぐはぐ感が残った試合だった。次戦以降の挽回に期待したいところである。
MF: ピアニッチ 7.0
テンポ良くボールを動かし、守備でも戦っていた。FK でも極めて高い精度を見せつけており、状態が良いことを示した試合となった。
MF: ケディラ 6.0
ピアニッチをサポートし、機を見てエリア内まで侵入するなど持ち味を発揮した。過密日程の中でコンディションを仕上げてくことが当面のテーマと言えるだろう。
MF: クアドラード 5.5
コエントランに上手く封じ込められ、攻撃にリズムの変化をもたらすことはできなかった。ただ、守備では献身的に働いており、その点は評価されるべきである。
MF: ディバラ 5.5
ボールを持てる機会とスペースが予想以上に存在した。しかし、シュートの際、ボールに力が伝わっておらず、GK を困難に陥れるような場面はなかった。
MF: マンジュキッチ 7.0
高さのあるスポルティング守備陣と戦い、存在感を発揮し続けた。試合終盤に決勝ゴールを決める勝負強さも見せつけた。
FW: イグアイン 6.0
DF と MF の間でボールを引き出し、攻撃に選択肢を与えていた。ゴールには結びつなかったが、良い動きはできている。
【交代選手など】
DF: バルザーリ 6.0
46分からベナティアに代わって出場する。スポルティングのカウンターを防ぎ切り、勝点3を手にすることに貢献した。
MF: マテュイディ 6.0
ケディラとの交代で61分から出場機会を得る。中盤の範囲をカバーし、ボールを的確にサイドに展開するなど安定感をもたらす仕事を上手く引き継いだ。
MF: ドウグラス・コスタ 6.5
84分にストゥラーロに代わり出場。ファーストプレーで良質なクロスをマンジュキッチに届け、結果を残した。リードした後は時間を使うプレーに徹しており、期待された役割を果たした。
アッレグリ監督 6.5
オウンゴールにベナティアの負傷と不運が続いたが、試合中に修正し、勝点3をもぎ取ることに成功した。右 SB の問題はクアドラードを DF に下げ、マンジュキッチを右 MF にすることも1つの選択肢と言えるだろう。次節以降で良い試合内容を継続できるかが注目点である。
オリバー主審 6.5
プレミアリーグの大一番を担当するのは妥当という落ち着き払ったレフリングを披露した。ナーバスになる試合展開だったが、上手く試合をコントロールしていたと言えるだろう。