7月1日から新シーズンが始まることもあり、移籍が正式発表されるケースが本格化しています。2017/18 シーズンに向け、ユベントスが補強を必要とするポジションがどこなのかを整理することにしましょう。
GK:『低』〜『中』
GK は3選手が登録されることになるでしょう。バランス的にも問題なく、現時点で補強の必要性は『低』です。
- ブッフォン
- ネト
- アウデーロ *
ただ、マロッタ GM がインタビューで「(第2GK を務める)ネトが出場機会を求めており、市場に出ている」と発言しています。オファー次第では移籍となるだけに代わりの選手を獲得する必要が生じます。
第3GK のアウデーロ選手は1シーズンの期限付き移籍で経験を積むことになるでしょう。そのため、「控え GK をどうするのか」が重要なテーマです。シュチェスニー選手のような実力者を獲得し、第3GK はデル・ファベロ選手(プリマベーラ)に任せるという選択肢もありだと思われます。
DF:『低』または『中』
DF は CB が5選手、SB が4選手の合計9選手が基本となるでしょう。選手のローテーションも上手く機能しており、補強の必要性は『低』の状況です。
- センターバック
- ボヌッチ
- キエッリーニ
- バルザーリ
- ベナティア
- ルガーニ
- サイドバック
- ダニ・アウベス
- アレックス・サンドロ
- リヒトシュタイナー
- アサモア
ただし、DF はサイドバックのレギュラーであるダニ・アウベス選手とアレックス・サンドロ選手に引き抜きの噂が絶えない状況です。そのため、どちらかの選手が移籍した時点で補強の必要性は『中』になると判断する必要があります。
ユベントスが保有権を持つ DF として、CB カルダラ(アタランタ:23歳)、右 SB ポル・リロラ(サッスオーロ:19歳)、左 SB スピナッツォーラ(アタランタ:24歳)とセリエAで評価を高めている3選手がいる状況です。
これらの選手を呼び戻すことができますので、よほどの即戦力選手かユーティリティ選手でない限り、新たに選手を獲得する必要性は低い状況と言えるでしょう。そのため、左右の SB ができるデ・シリオ選手が数少ないの候補になると思われます。
MF:『高』
MF は「獲得する必要があるポジション」であると同時に「選手を整理する必要のあるポジション」です。
ユベントスは3バックが重要なオプションに入っているチームですが、CB は5選手でシーズンを戦っています。したがって、ボランチは5選手(スリーセンターを使うとしても6選手)が基本と考え、選手数を整理する必要があると言えるでしょう。
- ボランチ
- ピアニッチ
- ケディラ
- マルキージオ *
- ワイド(兼ウィンガー)
- クアドラード
- ピアツァ
ボランチを本職とする選手を5枠と考えると、残るは「2枠+α」です。ところが、ボランチやインサイド MF を本職とする選手が多すぎる状況です。
レミナ、ストゥラーロ、リンコン、マンドラゴラ、マッティエッロ、ベタンクール(ボカ・ジュニアーズ)、カッサータ(アスコリ)と飽和状態であり、「チームに残す選手を誰にするのか」を決める必要があります。若手選手は出場機会を積むために期限付き移籍となるでしょう。
さて、補強の必要があるのは「ウィンガー型の選手」です。マンジュキッチ選手をウィンガーとして扱ったとしても、最低1選手は “即戦力で計算ができる選手” が必要となります。このポジションが最優先と言えるはずです。
このポジションではオルソリーニ選手(アスコリ)の保有権を保持しています。2人目の即戦力ウィンガーの獲得に期待するのか、それともオルソリーニ選手のチームでの成長に賭けるのかを決断する必要があると言えるでしょう。
FW:『低』〜『中』
FW も GK と同様に補強の必要性は低いポジションです。戦力的に中央は充実しており、強いて言うなら、「2列目でポストプレーをできる選手」が補強対象となるでしょう。
- イグアイン
- マンジュキッチ
- ディバラ
マンジュキッチ選手は左ウィングとしてプレーし、ディバラ選手は(フィジカルバトルを回避する目的で)右サイドに流れる傾向があります。その際、中央に選手がおらず、攻撃が手詰まりとなることがあるからです。
“潰し屋” がフィジカルバトルを仕掛ける中でポストプレーをこなし、楔を打つことができる選手を獲得することができれば理想的と言えるでしょう。
FW の有望株にはケーン選手が在籍しています。ムバッペ選手(モナコ)がブレイクしたのは18歳になるシーズンであり、ケーン選手も同じように飛躍することが期待されます。そのために必要な出場機会を確保できるかが鍵になると思われます。
25選手の登録枠ですが、ユベントスの場合は『クラブ育成選手』に該当する選手が少ないことが問題となります。今季(2016/17 シーズン)はマルキージオ、アウデーロ、マッティエッロの3選手のみでしたので、この点を改善することも重要な課題と言えるはずです。