年が明けて2019年に入ったこともあり、冬の移籍市場での動きが活発化しています。ユベントスも何らかの動きをすると思われますが、具体的にどのような動きがありそうかを考察することにしましょう。
まず、2018/19 シーズンのユベントスの登録選手は下表のとおりです。
クラブ内育成選手(残り2枠) | ||
---|---|---|
? | ? | |
GK(3選手) | ||
1: シュチェスニー | 21: ピンソーリョ | 22: ペリン |
DF(9選手) | ||
2: デ・シリオ | 3: キエッリーニ | 4: ベナティア |
12: A・サンドロ | 15: バルザーリ | 19: ボヌッチ |
20: カンセロ | 24: ルガーニ | 37: スピナッツォーラ |
MF(5選手) | ||
5: ピアニッチ | 6: ケディラ | 14: マテュイディ |
23: エムレ・ジャン | 30: ベンタンクール | |
FW(7選手) | ||
7: ロナウド | 10: ディバラ | 11: D・コスタ |
16: クアドラード | 17: マンジュキッチ | 18: ケーン |
33: ベルナルデスキ |
冬の移籍市場は「修復のための市場」として見なされています。ユベントスの場合は現有戦力が見せたパフォーマンスに対する不満は少なく、バランスも取れている状態のため、「即戦力選手を補強する必要はない」と言えます。
では、ポジションごとに状況を見ていくことにしましょう。
■ GK
まず、トップチームの GK は現状維持で十分です。第3GK のピンソーリョ選手との契約延長を行ったため、入れ替えを行う必要すら存在しません。
最大の注目点は「サンプドリアがアウデーロ選手の買取オプションを行使するか」になります。前半戦で良いパフォーマンスを見せていますし、可能性は十分にあると言えるでしょう。
その次はBチームに所属するデル・ファベロ選手などの「若手選手にプレー機会を確保できるか」です。ただ、いずれの課題も将来を見据えたものであり、トップチームから見た優先度はそこまで高くないと考えられます。
■ DF
DF については CB と SB で状況が大きく異なります。
CB は若返りが不可避となっており、若手有望株選手の獲得がメディアで盛んに報じられています。「冬に事前交渉を終え、夏の移籍市場で獲得を正式発表」という形が理想と言えるでしょう。
冬の移籍市場で獲得できるのなら、それを越すことはありません。ただ、その若手有望株選手の所属チームが難色を示すことが予想されるため、実現の可能性は低いものと考えられます。
一方の SB は補強ポイントではありません。最年長が今年1月に28歳になるA・サンドロ選手で、SB を本職とする選手は少なくとも2022年までの契約を有している状態です。
そのため、即戦力選手の補強に乗り出す必要はなく、ロジェリオ選手(サッスオーロ)など若手有望株選手の処遇をどうするのかを決める必要に迫られつつあると言えるでしょう。
■ MF
MF についても、冬に選手が獲得されることはないでしょう。MF の場合は「新加入選手をチャンピオンズリーグの登録枠に入れることが難しい」という事情があるからです。
盛んに報じられているラムジー選手を獲得したとしても、MF を本職とする5選手の誰かと登録を入れ替える必要があるからです。
他のポジションを削ろうにも、クアドラード選手が約3ヶ月の離脱が見込まれる関係でグループステージでは登録外だったスピナッツォーラ選手のメンバー入りが濃厚です。(= MF の選手を増やす余裕が見当たらない)
そのため、冬の時点で保有権を獲得することはあっても、チームに加わることはないと考えられます。
■ FW
FW 登録の選手は「後半戦の起用状況」によって、選手の入れ替えを行う必要性が発生します。
昨シーズンまでは CF タイプは1選手のみがピッチに立つことが基本で、登録枠に入れる CF 型は2選手で十分でした。ただ、今季前半戦は CF 型のロナウド選手とマンジュキッチ選手の2選手が同時起用されており、「CF として機能する選手が足りない状況」となっています。
「CF として計算できる2選手を同時起用すること」がチームの骨格になるなら、WG 型の選手が少し余剰気味だと言えるでしょう。つまり、人員整理を図る必要性が生じることになります。
とは言え、今冬の移籍市場で選手の放出をしなければならないと言うことではないのです。そのため、噂は盛んに出るものの、Bチームやプリマベーラの選手だけに多少の入れ替えがあったという程度に留まることになるでしょう。