2023/24 セリエＣのプレーオフ・全国1回戦のセカンドレグが行われ、アウェイでカゼルターナと対戦したユベントス・Ｂチーム（= Next Gen）は 1-3 で勝利し、2戦合計 2-3 で全国プレーオフ2回戦に進出しました。
試合に出場したユベントスの選手は下表のとおりです。
| 選手名 | |
|---|---|
| GK | 30: ダッファラ |
| DF | 2: サヴォナ 5: ムハレモヴィッチ (C) 3: ストラマッチョーニ |
| MF | 11: ムバングラ（→ 41' st. 36: アンジェレ） 26: ダミアーニ 7: ハサ 19: ローヒ |
| FW | 44: セクロフ（→ 30' st. 15: コメネンシア） 17: ジェッラ（→ 41' st. 29: サリフォ） |
| 9: チェッリ（→ 30' st. 50: ダ・グラカ） |
ブランビッラ監督は 3-4-2-1 を選択。ファーストレグを 0-1 で落としていることもあり、右 WB には本職が FW のムバングラ選手を抜擢。累積警告で出場停止のノンジェ選手に代わって CF チェッリ選手を起用する攻めの姿勢で試合に臨みます。
先に仕掛けたのは勝利が必須のユベントス。3分にムバングラからのパスを受けたチェッリが出したスルーパスにセクロフが抜け出しに成功。だが、シュートは GK ヴェントゥーリの好守に阻まれてしまう。
10分にはムバングラのカットインからフリーのチェッリにボールが渡るも、シュートを叩き付ける形となってボールは枠外へ。ユベントスは絶好のチャンスを逸してしまう。
しかし、18分にムハレモヴィッチのロングフィードをサヴォナが折り返し、ムバングラが強引な体勢から放ったシュートをこぼれ球をセクロフが押し込んでユベントスが 0-1 と均衡を破ることに成功する。
前半の内に逆転を狙うユベントスはジェッラやセクロフにクロスを集めるも2点目とはならず。“一方の2戦合計で同点だとレギュレーションでラウンド突破が決まるカゼルターナ” は攻めれなかったものの、2戦合計でのリードを持って前半を折り返す。
後半の立ち上がりにチャンスを得たのはカゼルターナ。47分にタヴェルネッリのドライブシュートが枠を捉えたが、GK ダッファラが好セーブで応戦する。
すると、直後の48分に左サイドに展開したダミアーニからのスルーパスに反応したチェッリが GK との 1対1 を冷静に制し、ユベントスが 0-2 とリードを2点に広げて2戦合計でも逆転に成功する。
このままだと敗退となるカゼルターナは51分に左 CK からチェリエントが高い打点のヘディングシュートを放つも、GK ダッファラがゴールライン上でブロック。64分にはモンタルトのジャンピングボレーがまたも GK ダッファラに阻まれてしまう。
そうなると流れはユベントスへ。68分に右サイドをスピードで突破したムバングラが GK と DF ラインの間にクロスを入れると、GK ヴェントゥーリと主将のチェリエントが交錯。こぼれ球を回収したチェッリからのラストパスを受けたジェッラが流し込み、0-3 とユベントスが突き放しに成功する。
突破には2点が必要となったカゼルターナはユベントスの GK ダッファラの牙城を崩すことに大苦戦。それでも92分にパリーノが右サイドを突破した勢いを活かしてゴール左下にシュートを決めて1点を返したが、反撃はここまで。
セカンドレグを 1-3 で制したユベントスが2戦合計 2-3 とし、プレーオフ・全国2回戦に駒を進めた。
なお、ブランビッラ監督は試合後に次のようにコメントしています。
マッシモ・ブランビッラ監督：
「今回のラウンド突破には数々のメリットがあります。パーソナリティーと冷静さを持った成熟したチームのアプローチができました。前半では決着が付かず、0-1 でした。
後半は最高の形でマネジメントができました。今夜のことを語らなくても良いでしょう。私達は勝たなければならなかったですし、そして勝ちました。
ファーストレグではエピソードで敗れましたが、選手達のことは分かっています。冷静さを保ち、ピッチ上でクオリティーを発揮しなければならないことも私達は分かっていたのです。
今日は本当に上手く行きました。欠点を述べろと言われれば、作り出した数多くの決定機を完全に活かせなかったことでしょう。
私達はその日その日を生きています。目標は緊張感に押し潰されずに可能な限り前進することです。
プレーオフは私達に大きな満足感を与えてくれています。私達は自分達のスタート地点を知っていますし、並外れた選手達とこのチームの偉大な成長に気づいているからです」
ホームでのファーストレグを 0-1 で落としており、「ラウンド突破にはアウェイでのセカンドレグで2点差以上の勝利が必要」という状況で 1-3 の勝利を手にしました。
ブランビッラ監督が手放しで称賛するのは当然でしょう。「セカンドレグで意地（の勝利）を見せるもファーストレグの1失点が大きく響くレギュレーションで無念のプレーオフ敗退」となる可能性が高かったからです。
番狂わせに成功した理由は「1戦目で突破力を見せていたムバングラ選手の右 WB 起用」と「チェッリ選手がポストプレーヤーとして機能」したことでしょう。
これらの要素で両サイドにボールを振り分けてカゼルターナの5バックを揺さぶり、サイドからのクロス攻撃に CF と2シャドーが合わせる形を作り出せていました。
また、最後尾では GK ダッファラ選手が好セーブを連発。カゼルターナが2戦合計で再びリードを奪う展開を阻止し続け、ユベントスが2戦合計でリードを手にする展開を作り出すための大きな貢献をしたことも結果に結び付いたと言えるでしょう。
Ｂチームの次戦は5月21日（火）に行われる 2023/24 セリエＣのプレーオフ・全国2回戦です。
昇格プレーオフ準々決勝に該当する全国2回戦では「各グループ2位のチームか3位チームで最も獲得勝点が多かったカッラレーゼ」のいずれかとの対戦となります。
プレーオフ・全国1回戦で下克上に唯一成功したユベントス・Ｂチームがプレーオフ・全国2回戦でどのような戦いを見せるのかに注目です。
