ユベントスの親会社である Exor が2023年度の決算を公表するとともにエルカン会長が『株主向けのレター』でユベントスに関する言及を行なっていましたので該当部分を紹介いたします。
GEDI とユベントスにとって困難な1年での舵取り
2023年は最大規模の会社や新たに加わったフィリップスは優れた業績でしたが、より小規模の GEDI やユベントスにとってはチャレンジングな1年となりました。
(中略)
また、マウリツィオは2023年は移行の年となったユベントスも手に握っています。ジャンルカ・フェレーロが会長を務める新取締役会の下、イタリアおよび欧州のスポーツ司法で直面していた問題の解決に焦点が当てられました。
ユベントスは自らの行動の正当性を繰り返し主張するとともに問題に効果的に対処。これまでのシーズンでの特徴だった緊張や不安定さに囚われることなく、将来に向けた計画を開始しました。
これらを背景にユベントスが再建に着手し、新 SD を任命。2億ユーロの増資を開始し、無事に完了しました。したがって、2023/24 シーズンはユベントスにとっての “ゼロ年度” であり、クラブはピッチ内外での復活に向けた礎を築いています。
2023年にユベントスに加入したクリスティアーノ・ジュントリは昨年のナポリでの仕事が評価されてグローブ・サッカー・アワードの最優秀 SD に選出されました。将来のユベントスの形成に貢献してくれるでしょう。
チームはチャンピオンズリーグ復帰を目指しており、2025年夏に開催される FIFA クラブW杯の出場を確定させています。
(今年その価値を証明した)Next Gen チームが輩出した若いタレントに比重を置くことで、ユベントスは選手年俸および営業収益に占める償却比のさらなる削減を求める UEFA による新規則に沿った持続可能なコスト構造を構築することを目指しています。
私達のサポーター、選手、スピリットに精通していれば "Fino Alla Fine" というフレーズに目新しさはないでしょう。
この言葉は戦い続けて逆境を克服するというクラブの決意を現しており、1923年7月24日に会長に就任したエドアルド・アニェッリが体現した信念でもあります。これにより、ビアンコネーリのファミリーと私の家族との愛の物語が始まり、2023年にイタリアおよび世界中のティフォージと共に100周年をユベントスへの愛情による団結で祝ったのです。
Forza Juve!!!
ユベントスのスカナヴィーノ CEO は Exor が傘下に収めるメディアグループ『GEDI』の CEO も兼任しているため、上述のような言及となっているのです。
イタリア・メディアは「ジュントリ FD の下で再建を進める」と『補強前提の記事』を配信するようになるでしょう。
ただ、エルカン会長の "Next Gen" に対する具体的な言及を考えると「Next Gen が輩出した若手有望株で機会損失を出すことは許さない」が『制約』として設定されたとしても不思議ではありません。
親会社からの資金提供は「2億ユーロの増資」として実施済みですし、『 “Next Gen が輩出した若手有望株” の台頭に蓋をする(外部からの)選手補強』は持続可能なコスト構造の構築を阻害する要因になり得るからです。
マネーゲームを制するだけの資金力は持たないだけにジュントリ FD がどのようなアプローチでチーム再建の道筋をつけるのかに注目です。