『スカイ・イタリア』が Exor のエルカン会長がフランスの経済紙レゼコーからのインタビューに応じたことを記事にしていましたので紹介いたします。
ジョン・エルカン会長:
「ユベントスには祖父の強い思い入れがあります。これまで様々な困難を乗り越えてきた絆が存在するのです。
アンドレア(・アニェッリ)は今でも Exor の筆頭株主であるジョバンニ・アニェッリ財団の株主であり、Exor の非常勤取締役として活動しています。
アンドレアはユベントスの会長として10年間素晴らしい仕事をして来ました。彼は現在に至るまで全く立証されていない一連の告発に対し、より良い弁護をするためにクラブの役員とともに身を引く決断をしました。
この事態に終止符を打ちたいと望んでのことですし、選択肢を検討しなければなりません。
祖父(ジャンニ・アニェッリ)の勇敢さにはいつも感心させられています。14歳で父を亡くし、志願兵として戦地に赴き、家族とともにフィアットに投資したのです。
それからヴィットリオ・ヴァレッタによる戦後の復興期があり、『鉛の時代』と呼ばれるテロの時代を過ごすことになりました。
また、1990年代には『タンジェントポリ』による困難な時期に直面したのですから」
エルカン会長が敬愛する祖父ジャンニ・アニェッリ氏は数多な困難に見舞われた状況下でもユベントスへの愛情を注ぎ込み続けました。
その祖父の名前をエルカン会長が口にした時点で『売却』は選択肢から消えたことでしょう。この状況でクラブを売却すると「 “アッヴォカート” はクラブを守り続けた」との批判を受け続けることになるからです。
ちなみにアンドレア・アニェッリ前会長は Exor の非常勤取締役ですが、再任辞退の申し出があったことが Exor から発表されています。そのため、2023年の任期終了を以っての退任となる予定です。
『ジャンニ・アニェッリ財団』は Exor の 50% 強 の株式を有する筆頭株主で “本当の意味での” アニェッリ家の資産管理会社です。
そのトップでもあるエルカン会長がユベントス売却の意向がないことを暗喩したのですから保有を前提にした動きとなるでしょう。
クラブが変革期に入ることは確定的ですが、エルカン会長が変革の責任者に誰を任命するかが注目点になると思われます。