2023/24 セリエA第25節が行われ、アウェイでエラス・ヴェローナと対戦したユベントスは2度のリードを許すも 2-2 で引き分け、リーグ戦の連敗は2で止めました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Hellas Verona FC [4-2-3-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 1: モンティポ | 1: シュチェスニー |
DF | 38: チャチュア 23: マニャーニ 27: ダヴィドヴィチ 32: カバル |
4: ガッティ 24: ルガーニ 6: ダニーロ (C) |
MF | 33: ドゥダ 21: ダニ・シウバ |
27: カンビアーゾ 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ 11: コスティッチ |
31: ススロフ 90: フォロルンショ 8: ラゾヴィッチ (C) |
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FW | 17: ノスリン | 9: ヴラホヴィッチ 15: ユルディズ |
ヴェローナのバローニ監督は 4-2-3-1 を選択。右 WG が本職のノスリン選手を CF に起用し、ススロフ選手が右サイドでトップ下はフォロルンショ選手と流動的な前線 FW 陣を採用して試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。こちらは出場停止のブレメル選手に代わってルガーニ選手が先発した他はお馴染みの10選手が予想どおりに布陣する形で試合に臨みます。
先手を取ったのはホームのヴェローナ。10分にススロフが入れた左 CK はニアでルガーニに弾き出されたが、ファーサイドで待機していたフォロルンショが左足でのボレーシュートをゴール左上に決めて先制に成功する。
追いかける展開となったユベントスは27分にマッケニーのロングスローからコスティッチがエリア内でシュートを放つとブロックに入ったチャチュアの左手に当たって PK を獲得。これをヴラホヴィッチがゴール右下に決めて 1-1 の同点に追い付く。
流れを渡したくないヴェローナは39分にドゥダがゴールに迫ったが、角度がなくなり過ぎたためにシュートは GK シュチェスニーが難なくセーブ。
一方のユベントスは43分にヴラホヴィッチとユルディズのコンビで決定機を作り出せそうな状況までが精一杯。前半は両チームともに流れの中からチャンスを作ることに苦労し、1-1 の同点で折り返す。
ハーフタイムで仕切り直したいユベントスだったが、修正策が機能したのはヴェローナ。後半立ち上がりの46分に右 CK からマニャーニのヘディングシュートがクロスバーのわずかに上を通過する。
51分にはノスリンの強烈なミドルシュートで GK シュチェスニーを脅かすと、直後の52分にドゥダがススロフに入れた縦パスからフォロルンショを経由して最後はノスリンが流し込み、ヴェローナが再び1歩前に出る。
対するユベントスは55分にハイプレスでヴェローナにマイボールを放棄されると、高い位置で回収したロカテッリがラビオにラストパス。これをラビオが左足でゴール右下に決めて 2-2 の同点に追い付く。
3度目のリードを狙うヴェローナは64分にライン間でボールを受けたラゾヴィッチがミドルシュートを枠に飛ばすも GK シュチェスニーが横っ飛びセーブ。ユベントスは69分に逆転のチャンスを作りかけたが、ラビオとヴラホヴィッチの息が合わず。
83分にはキエーザがミリクの落としからシュートを放つもクロスバーの上。92分にはアルカラスからのラストパスを受けたキエーザが決定的なシュートを枠内に放つも GK モンティポが右足でストップ。
結局、55分以降にスコアは動かずに試合は 2-2 で終了。ユベントスは連敗を2で止めたものの、勝点を取りこぼす手痛い結果が続くことになった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
失点を許した場面で GK ができたことは限られていただろう。それ以外にビッグセーブでチームを助けたパフォーマンスが評価されるべき。
DF: ガッティ 5.0
機動性を武器にする FW とのマッチアップに苦戦し続けている。1失点目に直結する CK を与えた守備対応と2失点目の緩んだマークでは逆風にさらされるのは致し方ない。
DF: ルガーニ 5.5
1失点目の責任を問われるのは酷。最終ラインを低く設定しすぎてライン間に余分なスペースを産んでしまったポジショニングが反省点になるべき。
DF: ダニーロ 5.5
下がりがちな最終ラインを黙認した代償を失点という形で支払うことになった。2人続けて相手攻撃陣をファールで潰して止めれなかったのだから失点は必然であろう。試合最終盤に負傷した左足首の状態が心配される。
WB: カンビアーゾ 6.0
パスやドリブルなど持ち前の技術を最大限に発揮してボールを前進させる。攻守にベストを尽くしていたが、周囲との連動性が生まれずに攻撃が単発で終わりがちだったことが悔やまれる。
MF: マッケニー 5.5
疲労蓄積による消耗が隠し切れない試合内容だった。今節でのパフォーマンスが芳しくなかったことが事実だが、このまでの貢献度を考えると責めることはできない。
MF: ロカテッリ 5.5
DF ライン前でのフィルター役としての貢献はほとんどできておらず、ラビオの同点ゴールをアシストしただけでは帳尻は合わないだろう。
MF: ラビオ 6.5
得点に関する嗅覚とゴール前での冷酷さを持ち合わせていることを示す。今節では中盤が実質的に1人だけの状況となっており、勝利という結果を持ち帰ることは並大抵ではなかった。
WB: コスティッチ 5.5
昨季に見せていた『左サイドのクロッサー』ではないが、大きな下振れパフォーマンスに陥ることなく最低限の働きは継続している。PK を獲得するなど縁の下の力持ちとしての役割は大きい。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
冷静に PK を決めてストライカーとしての最低限の結果を残す。得点への貪欲な姿勢は示していただけに次節以降に “流れの中で” ゴールをコンスタントに決めれるかが注目点になるだろう。
FW: ユルディズ 6.0
カード覚悟の強烈タックルで狙われる中でカンビアーゾと同様に局面打開を試みる。今後は「相手の脅威になるプレー」と「接触プレーによる自身の負傷を避けるためのプレー」のバランス選択が重要になるだろう。
【交代選手など】
DF: アレックス・サンドロ 5.5
57分にガッティとの交代で出場する。左 CB 兼 SB として攻撃に厚みを出すことが期待されるも上手く試合に入れたとは言えず。チームと共に苦しみ続ける結果となった。
FW: キエーザ 5.5
コスティッチに代わって57分から出場する。試合終盤に存在感を発揮したものの、基本的に消えたままだった。92分の決定機を逸して救世主になり損ねたのが自身にもチームにもあまりに痛すぎる。
MF: アルカラス 6.5
ユルディズとの交代で66分から出場機会を得る。交代選手としてチームに活力を与え、自らの特長を上手く発揮していた。このパフォーマンスを継続できれば出場時間は自ずと増えるだろう。
FW: ミリク ー
81分にヴラホヴィッチとの交代で出場。
WB: ティモシー・ウェア ー
81分にカンビアーゾとの交代で出場。
アッレグリ監督 5.5
前日にクラブが発表した前期決算の内容でチーム内が疑心暗鬼になったのだろう。そのことは同情せざるを得ないが、前後半でそれぞれ相手にリードを許す試合運びとなったことは反省・改善しなければならない。権限が限定されている現場責任者の辛いところだ。
ディ・ベッロ主審 5.5
イエローカードが1枚も出ないようなクリーンな内容の試合 “ではなかった” だけに審判員としての判定基準に疑問を呈さざるを得ない。主審が容認したタックルで選手が負傷離脱することはリーグの損失となるだけに及第点は得られないだろう。