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セリエA(ローマとエンポリ)での監督交代がハイセンとラノッキアの起用方法に影響を与える恐れ

 第20節を終えた 2023/24 シーズンのセリエAですが、エンポリローマで監督交代が起こりました。

 両チームにはユベントスから期限付き移籍中の選手が在籍しています。監督の交代によって「選手への評価基準が変わること」は珍しくありませんし、ユベントス目線では懸念事項と言わざるを得ないでしょう。

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DF: ディーン・ハイセン(18、ローマ)

 監督交代によって起用方法に懸念が生じる筆頭格はローマに期限付き移籍中のハイセン選手でしょう。

  • 2024年1月の移籍市場でフロジノーネへの期限付き移籍が確定状態
  • モウリーニョ監督からのラブコールを受けて「ローマへの期限付き移籍」に翻意
  • モウリーニョ監督が解任され、ピント SD も2月初旬に退任の予定
  • デ・ロッシ監督がローマの新監督に就任

 ハイセン選手は「獲得を後押しした監督と SD のチーム離脱」と「新監督就任」の悪条件が2つ揃ってしまいましたが、すぐには影響を受けないでしょう。離脱中の CB の復帰時期が早まる訳ではないからです。

表: ローマの CB 陣(2024年1月17日時点)
LCB CB RCB
主力 ジョレンテ マンチーニ
急造 CB クリスタンテ カルスドルプ
クリステンセン
離脱中 エンディカ
【代表チーム活動】
スモーリング
【復帰未定】
クンブラ
【前十字靭帯断裂】

 懸念となるのは「モウリーニョ監督が約束していた役割での起用方法や出場機会が保証されなくなったこと」です。

 デ・ロッシ監督の下では「『現在のハイセン選手が課題として抱えるプレーの頻度が高まる役割』が求められるポジションしか CB には存在しない」ということもあり得ます。

 その場合は出場機会の減少が避けられないため、「フロジノーネに期限付き移籍をしていれば」と悔やむ声がどこからともなく出ることになるでしょう。

 

MF: フィリッポ・ラノッキア(22、エンポリ)

 ラノッキア選手が今季のエンポリで記録した出場時間は9試合477分。普通は「選手の評価基準が変わる監督交代を歓迎するはず」です。しかし、“現在のユベントス” は事情が異なります。

 ユベントスは(セリエBの)パレルモと「移籍金400万ユーロでラノッキア選手の登録権を譲渡」することでクラブ間合意済。残すは「メディカルチェック」と「選手のサイン」でした。

 ところが、エンポリで今季2度目の監督交代が発生。ニコラ監督が「実力を示すための最後のチャンスを与えられるので(移籍の決断は)もう少しだけ待ってくれ」と横槍を入れることが可能になったのです。

  • 23/24 セリエA第20節終了時の順位:2024年1月18日時点
    1. 勝点19:サッスオーロ、フロジノーネ
    2. 勝点18:ウディネーゼ、カリアリ
    3. 勝点17:ヴェローナ
    4. 勝点13:エンポリ(※ 2度目の監督交代)
    5. 勝点12:サレルニターナ

 セリエAの残留争いはヴェローナが “ファイヤーセール” を敢行中。フロジノーネはリーグ戦5連敗と失速しており、どのチームにも巻き返しとチャンスは現実的に存在している状況です。

 ただ、エンポリがラノッキア選手を完全移籍で獲得するシナリオは今季の最終成績に関係なく望み薄。そのため、“ラノッキア選手の売り時を逃すリスクを背負っているユベントス” は「エンポリでの監督交代」をあまり歓迎できないのです。

 

 移籍市場に影響が波及する監督交代劇がユベントスの補強戦略にどのような変化が生じるのかにも注目です。