『スカイ・イタリア』によりますと、2024年1月の移籍市場でフロジノーネへの期限付き移籍が有力視されているハイセン選手に対し、ローマが横槍を入れようとしているとのことです。
ローマの CB 陣は「極めて手薄」であり、ハイセン選手の獲得は合理的です。ただ、ローマへの期限付き移籍となれば波風が立つことは避けられないでしょう。
まず、ローマの CB 陣の現状は以下のとおりです。
LCB | CB | RCB | |
---|---|---|---|
主力 | エンディカ | ジョレンテ | マンチーニ |
急造 CB | クリスタンテ | ||
離脱中 | スモーリング 【復帰未定】 |
クンブラ 【前十字靭帯断裂】 |
レギュラーであるエンディカ選手がネーションズカップで1ヶ月以上の離脱。前十字靭帯断裂からの復帰を目指すクンブラ選手の「年明け直後からのフル稼働」は期待できないため、「CB 陣の補強」が喫緊の課題となっています。
ところが、ローマは『セリエAの登録枠』が現状では埋まっているという問題があります。これが「フロジノーネからハイセン選手を強奪するのでは?」と報じられた大きな理由です。
セリエAでは『25人』の登録枠が存在し、2023/24 シーズン前半戦のローマは以下の状況にあります。
- セリエAでの22歳以上の選手登録枠(最大25枠)
- 誰でも登録可(最大17枠): ローマは全登録枠を利用中
- イタリア国内育成枠(4)
- スピナッツォーラ
- マンチーニ
- クリスタンテ
- エル・シャーラウィ
- ユース出身枠(4): 空き3枠
- ペッレグリーニ
ローマが登録できるのは “ローマのユースでのプレー経験を持つ22歳以上の選手” のみ。移籍報道があったボヌッチ選手を登録するのは「現在登録中の選手を外すこと」が大前提です。
一方で2005年生まれのハイセン選手は「21歳以下」なので『25人の登録リスト』に掲載することなく起用できます。
ユベントス対ローマ戦の試合終了間際にはモウリーニョ監督とハイセン選手の “抱擁” が中継映像で捉えられていましたし、移籍交渉で横槍が入る可能性は十分にあると言えるでしょう。
ユベントスとしては「出場機会を担保してくれるのなら期限付き移籍先に固執しない」が「土壇場での期限付き移籍先の翻意は歓迎できない」が本音でしょう。クラブ間の信頼関係を損ねる要因になってしまうからです。
また、フロジノーネの現監督は “ローマの元監督であるディ・フランチェスコ監督” です。ローマも「ハイセン選手の強奪による負い目を感じる要素」があるため、ハイセン選手のローマ移籍が実現するかは流動的と思われます。
ユベントスはコッパ・イタリア準々決勝でフロジノーネと準決勝ではローマと対戦する可能性があります。ハイセン選手の去就が2024年1月の移籍市場でどうなるのかに注目です。