2023/24 セリエA第17節が行われ、アウェイでフロジノーネと対戦したユベントスはヴラホヴィッチ選手のゴールで勝ち越し、1-2 で勝利しました。
両チームの先発した選手とフォーメーションは以下のとおりです。
フロジノーネのディ・フランチェスコ監督はナポリ戦と同じ 3-4-3 を選択。CF にカイオ・ジョルジ選手を起用し、右 WG にはスーレ選手を配置。中盤でバッレネチェア選手が配球役を担う布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。こちらはヴラホヴィッチ選手と古巣対戦となるガッティ選手をベンチに温存し、前線はミリク選手とユルディズ選手の2トップで試合に臨みます。
試合はガリターノの背後を走り込むマッケニーで主導権を握ったユベントスが動かす。
11分にミリクが GK にチャージをかけると蹴り出したボールをコスティッチがカット。縦パスを受けたユルディズが3選手に囲まれながらも左サイドを突破してニアサイドを豪快に打ち抜き、ユベントスが先制に成功する。
ところが両チームにアクシデント。ユベントスはA・サンドロ、フロジノーネはリロラが筋肉系の問題でプレー続行不可能となり、交代を余儀なくされてしまう。
フロジノーネはスーレが交代出場したバエスとの連携で右サイドから崩しにかかるも、35分すぎの仕掛けは GK シュチェスニーがストップ。ユベントスもコスティッチに決定機があったものの決め切れず。
それでも前半は 0-1 と1点のリードで終える。
ハーフタイムでの修正策が機能したのはフロジノーネ。51分にモンテリージの縦パスに反応したバエスがコスティッチを振り切って GK シュチェスニーとの1対1も制し、スコアを 1-1 の同点に戻すことに成功する。
この直後の54分にユベントスはロカテッリが交代を要求。アッレグリ監督はニコルッシ、イリング、ヴラホヴィッチの3選手を投入してチームの顔ぶれを大きく変える。
浮き足立ったユベントスを尻目にフロジノーネは58分に左サイドでの FK から最後はスーレが右足でシュートも枠のわずかに右。ユベントスは63分にミリクのポストプレーからヴラホヴィッチがシュートに持ち込むも GK 正面に飛ばしてしまう。
逆転したいフロジノーネは72分にハロイのミドルシュートが枠を捉えたが、GK シュチェスニーが右手1本で CK に逃れる好守で応戦。ユベントスは直後の75分にラビオの折り返しにマッケニーがジャンピングボレーで合わせるもクロスバーに嫌われてしまう。
スコアが動いたのは81分。ユベントスは右サイドに開いたマッケニーが柔らかいクロスを入れるとヴラホヴィッチのヘディングシュートがゴール左上に決まり、1-2 と勝ち越しに成功する。
ユベントスはさらなる追加点をあげることはできなかったものの、ヴラホヴィッチの勝ち越し点を守り切ることには成功。1-2 で勝利し、勝点3を持ち帰ることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
飛び出すタイミングが少し早かったとの批判を浴びるかも知れないが、スーレやハロイのシュートを的確に阻むことで自らの役割を果たしていた。
DF: ダニーロ 5.5
失点の場面で最初は「背後のケア」を選択していたが、パスを求めるスーレの動きに釣られたことが結果的に大きく響いてしまった。
DF: ブレメル 6.0
カイオ・ジョルジに攻撃の基準点は作らせなかったものの、献身的なハイプレスを受け続けて攻撃の起点として機能することはできなかった。シェディラとのマッチアップは苦戦せず。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
堅調な試合への入りを見せていたが予期せぬ負傷交代で交代を強いられてしまった。
WB: カンビアーゾ 6.0
軽やかなプレーが持ち味だが、今節では “軽すぎるプレー” が裏目に出る場面もあった。次節ローマ戦で出場停止となったことは痛手。
MF: マッケニー 7.0
相手が嫌がるスペースに侵入してのチャンスメイクや守備でのプレスバックで献身的に働き続ける。ゴールが決まらなかったのは残念だが、ヴラホヴィッチへのアシストは優雅だった。
MF: ロカテッリ 5.5
中盤でバランスを取っていたが、レジスタとしての貢献度が攻守に低調だったことは否めない。A・サンドロと同様に負傷の程度が気になるところだ。
MF: ラビオ 6.0
ユルディズのフォローをしつつ、前方のスペースを活用してのクロスやシュートなど黒子役として精力的に働き続けていた。
WB: コスティッチ 5.0
ユルディズのスルーパスを無駄にし、ミリクのお膳立てはフルパワーシュートで枠外。途中交代は横目でチェックしていたバエスに置き去りにされて同点弾を許したのだから妥当と言わざるを得ない。
FW: ミリク 6.5
2トップの相方を輝かせるために汗かき役を担当。献身的なプレーで攻撃のクオリティーを担保していた。ゴールやアシストという数字が記録されなかったことが残念だ。
FW: ユルディズ 7.0
挨拶がわりの先制ゴールで実力をアピール。また、抜群のタイミングでスルーパスを通すなど視野の広さも見せていた。CF としてゴール前にしっかり詰め切れるかが今後の課題となるだろう。
【交代選手など】
DF: ガッティ 6.0
27分に負傷したA・サンドロとの交代で出場。古巣のティフォージに拍手で迎え入れられ、右 CB として成長した姿を披露していた。
MF: ニコルッシ 6.0
交代を要求したロカテッリに代わって54分から出場。レジスタの役割を引き継ぎ、左右への鋭いロングパスを通してチャンスメイクするなど役割は十分に果たしていた。CK のキック精度をより高めたいところだ。
WB: イリング 6.0
コスティッチとの交代で54分から出場する。サイドで揺さぶりをかけるバエスをきっちり封殺。ほとんど組めていないニコルッシと息が合わずに生じたパスミスは止むを得ずであり、VAR に取り消されたがヴラホヴィッチへのラストパスは秀逸だった。
FW: ヴラホヴィッチ 7.0
54分にユルディズとの交代で出場。63分の決定機は逸してしまったが、81分と89分の決定機で結果を示すことに成功。途中出場でも気持ちを切らせることがない落ち着きをプレーで実証したことが大きい。
WB: ティモシー・ウェア 6.0
カンビアーゾに代わって69分から出場。オープンな展開になっていたため、上手く試合に入ってマッケニーと連動したプレーを見せていた。状況に応じたサポートを的確に行うことが今後の課題となるだろう。
アッレグリ監督 6.0
2度の負傷交代を強いられたことで戦術的な交代策はほとんど打てなかった。若手中心の編成で勝ち越して勝点3を持ち帰れたことは収穫だが、ハーフタイム明け直後に(ベテラン勢が関与して)あっけなく失点してしまったことは反省点だろう。
マリアーニ主審 6.5
普段よりもオフサイドのフラッグが早く上がり、接触プレーに寛容だったが、試合を通して判定基準は一貫していた。基準に対する疑義はあるかもしれないが、判定への批判は起きないだろう。良い審判団だった。