2023/24 セリエA第19節が行われ、アウェイでサレルニターナと対戦したユベントスは先制されるもヴラホヴィッチ選手の1ゴール1アシストの活躍で 1-2 の逆転勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
US Salernitana [3-5-2] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 56: コスティル | 1: シュチェスニー |
DF | 5: ダニリウク 23: ギェンベール 17: ファシオ (C) |
4: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
MF | 6: サンビア 25: マッジョーレ 99: レゴフスキ 87: カンドレーヴァ 3: ブラダリッチ |
22: T・ウェア 16: マッケニー 41: ニコルッシ 25: ラビオ 11: コスティッチ |
FW | 33: チャウナ 9: シミー |
9: ヴラホヴィッチ 15: ユルディズ |
サレルニターナのインザーギ監督は事前の予想に反して 3-5-2 を選択。コッパ・イタリアでは温存していたカンドレーヴァ選手などの主力を投入してミラーゲームに持ち込む狙いを持って試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督も 3-5-2 を選択。こちらはリーグ戦の前節ローマ戦からの変更はレジスタのニコルッシ選手のみ。ベンチ入りのフィールドプレーヤーが5人という手薄な状況で中2日での再戦に臨みます。
良い入りを見せたのはホームのサレルニターナ。4分にブラダリッチのクロスをファーサイドで素早く処理したサンビアが枠内シュートを放つも GK シュチェスニーがキャッチで阻む。
対するユベントスは8分に右 CK からダニーロがヘディングで合わせるもファシオに当たって軌道が変わったボールはクロスバーの上を通過。先制点とはならず。
均衡が破れたのは39分。最終ラインからのロングフィードに反応して抜け出したサンビアが右サイドの深い位置から折り返すとフォローに来たチャウナが中央にラストパス。これを走り込んで来たマッジョーレが左足ミドルシュートで応え、サレルニターナが先制に成功する。
一方のユベントスは前半の内に反撃の狼煙を上げることはできず。1点ビハインドで後半を迎えることになったアッレグリ監督は後半開始と同時にガッティとコスティッチを下げ、ルガーニとイリングを投入する。
ユベントスは49分にユルディズのスルーパスに反応したラビオの折り返しをマッケニーがダイビングヘッドで狙うもシュートは枠のわずかに右。ゴールの雰囲気を漂わせることに苦労する。
するとサレルニターナにアクシデント。53分にドリブルでのペナルティーエリア侵入が目前に迫ったラビオをマッジョーレが蹴り倒し、この試合2枚目のイエローカードで退場。残り約40分を10人で戦うことを強いられてしまう。
攻勢を強めるしかなくなったユベントスは65分に途中出場のミリクのポストプレーからT・ウェアがクロスを入れると、ヴラホヴィッチの右足シュートが流れたところを回収したイリングが左足シュートを決めて 1-1 の同点に追い付く。
対するサレルニターナは失点直後の66分にシミーの持ち上がりからブラダリッチの強烈なロングシュートが枠を捉えるも、ユベントスは GK シュチェスニーが好セーブでゴールを死守。
試合は引き分け濃厚かと思われたが91分に動く。ユベントスはダニーロがサイドライン際のドリブルで時間を使おうとするイクウェメシからボール奪取。ダニーロが送ったクロスにゴール前でヴラホヴィッチが高い打点のヘディングシュートで応じ、ユベントスが土壇場で逆転に成功する。
このゴールが決め手となったユベントスは 1-2 で逆転勝利。首位インテルとの勝点差2を保ってシーズン前半戦を終えることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
マッジョーレのシュートは届かない場所に打たれてしまったが、それ以外のシュートに対する準備は万全で安定感を持ったシュートセーブを披露し続けていた。
DF: ガッティ 5.5
前半終了間際のイエローカードが明らかに余計だった。パフォーマンスも良くなかっただけに次節出場停止をリフレッシュの機会として活用することが求められる。
DF: ブレメル 6.0
最前線から1列下がってボールを引き出すシミーを捕まえ切るには至らず。マークで苦労したことが DF 陣全体の低調さを印象付ける形になってしまった。
DF: ダニーロ 6.5
守備のデュエルはフィジカル面で少し苦労はしたが、それでも粘り強く対応。試合終了間際に起きた相手の一瞬の判断ミスを見逃さずにボール奪取から決勝点をアシストした功績は大きい。
WB: ティモシー・ウェア 5.5
スタミナ面では連戦出場に問題はなかったことが収穫点。マッチアップしたブラダリッチに要所要所でアクセントを付けられたことは改善点になるだろう。
MF: マッケニー 6.0
様々なポジションに顔を出し、交代選手が限られているチームのための精力的に働き続ける。後半開始早々の決定機でシュートを枠内に飛ばせていれば理想だった。
MF: ニコルッシ 6.0
現時点で自らが表現できるパフォーマンスを最大限に発揮していた。ロカテッリとの差は大きいが、それは1歩ずつ詰めて行こうと成長を試みれば十分だろう。
MF: ラビオ 6.5
中盤でのフィジカル能力を活かした貢献だけでなく、スペースへのフリーランニングやドリブル突破でも存在感を発揮。マッジョーレを退場に追い込んだ仕掛けも試合に非常に大きな影響を与えるプレーだった。
WB: コスティッチ 5.0
第17節フロジノーネ戦を彷彿させてしまうパフォーマンスだった。プレーの正確性を欠き、背後のスペースを突かれたことが失点に結び付いたことは雨を理由にすることはできない。
FW: ヴラホヴィッチ 7.0
途中出場から結果を残したフロジノーネ戦と同様に “終盤で心強いエース” として強烈な存在感を発揮。ユルディズに向きつつある相手の警戒心を取り戻すパフォーマンスを継続することが期待される。
FW: ユルディズ 6.0
クオリティーは今節でも発揮していたが、相手の対策が効果を発揮しつつある。今後は徐々に苦労する場面が増えるだろう。その中で周囲の味方をどれだけ上手く使えるかが鍵になる。
【交代選手など】
DF: ルガーニ 6.0
46分にガッティとの交代で出場。左 CB に入り、イリングの背後と右サイドに流れてくるシミーのケアを実施。堅実なプレーで期待に応えた。
WB: イリング 7.0
46分にコスティッチとの交代で出場機会を得る。左サイドを持ち前の突破力と中でもプレーできる起用さで翻弄し、同点ゴールを決めてチームに息を吹き返させる大仕事をやってのけた。
FW: ミリク 6.0
ニコルッシとの交代で58分から出場する。1人少なくなった相手に対するポストプレー役として同点ゴールに関与。スペースが限られるなどプレーに制約はあったが、献身的な貢献を続けていた。
MF: ミレッティ 6.0
68分にユルディズとの交代で出場する。前線 FW 陣との接続を試みるリンクマンとしてライン間で奔走。数字による結果は残せなかったが、プレー自体はクオリティーの伴った良いものだった。
MF: ノンジェ ー
81分にT・ウェアとの交代で出場。コッパ・イタリアに続きセリエAでもトップチームデビューを果たす。
アッレグリ監督 6.0
同じ相手との2連戦でどちらも先行されてしまうことは反省点だが、より悪条件だった2戦目でも逆転勝利を手にしたことは大きな自信になるだろう。チーム内競争が存在する選手起用で挽回に成功したことも大きい。後半戦でも成長曲線を描き続けることができるかがポイントだ。
グイダ主審 6.0
サレルニターナの博打守備はファールを取ってもおかしくない接触だったものの、守備側が先にボールに触れるなど判定は妥当と言うことはできる。マッジョーレも決定機阻止で2枚目のイエローだから退場は止むを得ない。