2023/24 セリエA第13節が行われ、ホームにインテルを迎えたユベントスはヴラホヴィッチ選手のゴールで先制するもラウタロ選手のゴールで追い付かれ、試合は 1-1 の引き分けで終わりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-2] |
FC Internazionale [3-5-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ゾマー |
DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 24: ルガーニ |
36: ダルミアン 6: デ・フライ 15: アチェルビ |
MF | 27: カンビアーゾ 16: マッケニー 41: ニコルッシ 25: ラビオ (C) 11: コスティッチ |
2: ダンフリース 23: バレッラ 20: チャルハノール 22: ムヒタリアン 32: ディマルコ |
FW | 9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
9: テュラム 10: ラウタロ (C) |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。ベンチスタートとなったロカテッリ選手の代わりにニコルッシ選手がトップチームで初先発。前線はヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手の2トップで大一番に臨みます。
対するインテルのインザーギ監督も 3-5-2 を選択。こちらは予想された選手がスタメンに名を連ね、前線はテュラム選手とラウタロ・マルティネス選手の2トップでダービー戦を迎えます。
先に惜しい場面を作ったのはユベントス。15分にマッケニーがペナルティーエリア内に投じたロングスローから最後はキエーザが左足でシュート。しかし、シュートは枠を捉えない。
対するインテルは20分にキエーザとニコルッシの間のスペースを突いたチャルハノールはロングシュート。シュート回転がかかったボールはポストのわずかに右へと逸れてしまう。
スコアが動いたのは27分。シュチェスニーが蹴り出したボールをダンフリースがクリアするも、ヴラホヴィッチがボール奪取に成功。間髪入れずにキエーザに展開し、ドリブルで持ち上がったキエーザからの折り返しにヴラホヴィッチが合わせてユベントスが先制する。
一方のインテルも33分に GK ゾマーの右サイドへの展開からバレッラが出したスルーパスに追い付いたテュラムがクロス。ニアに走り込んだラウタロが合わせて 1-1 の同点に追いつく。
相手に決定力を見せ付けられた両チームは「後半勝負」と意識したこともあり、この後はスコアが動くことなく前半終了のホイッスル。勝負の行方は後半に委ねられる。
後半で先にチャンスを作ったのはインテル。50分にバレッラとムヒタリアンのコンビでガッティの背後を突いてクロスを上げるもテュラムが左足で放ったシュートは上手くミートせず。
守勢に回る時間帯が増えたユベントスは60分にニコルッシを下げてロカテッリを投入。中盤で攻守のクオリティーを確保するとともに “一撃” に賭ける思惑も漂わせる。
しかし、前半と同様に両チームともに守備の意識が強く働き、相手 GK にセーブを強いる場面を作り出すことはできず。途中出場した FW 陣も「中盤での出足勝負」の状況下で守備に奔走することを余儀なくされてしまう。
結局、後半は得点が生まれることなく試合終了。試合は 1-1 の引き分けに終わり、両チームが勝点1を分け合った。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
同点ゴールは GK だけで防げるものではなかった。それ以外のシュートは無難に対応し、セーブ機会そのものも多くはなかった。
DF: ガッティ 5.5
背後からスタートしたラウタロのポジショニングを上手く把握できなかったことは反省点であり改善点。人数をかけたインテル攻撃陣への対応を強いられるなど不利な状況の場面も多く見られた。
DF: ブレメル 6.5
ニコルッシのケアをしつつ、ゴール前に鍵をかけるという難しい任務を上手く遂行する。安定感のある高クオリティーのプレーを継続していることが心強い。
DF: ルガーニ 6.0
ラビオを上手く外したバレッラにスライディングタックルを敢行した状況判断は議論の俎上に乗るだろう。その場面以外の判断やプレーに関しては良いものばかりだった。
WB: カンビアーゾ 6.0
イエローカードをもらってしまったが、対面したディマルコの貢献度を大きく削ぎ落としたことはプラス。この結果を自信に状況判断力を洗練していくことが求められる。
MF: マッケニー 6.5
前後左右に陣取った守備に不安のあるチームメイトを持ち前の走力とフィジカルで堅実にフォロー。昨季から大きく成長した姿を大一番で見せ付けた。この試合で攻撃の貢献度が問われることないだろう。
MF: ニコルッシ 6.0
緊張からボールの扱いに柔らかさが足りず、DF ライン前での盾として機能するには多数の改善点があったことも事実。ユベントスでの初先発がイタリア・ダービーだったことを踏まえると及第点が評価として妥当だろう。後は課題を克服して成長するしかない。
MF: ラビオ 6.0
マッケニーと同様に中盤でのフィルター役として機能。それだけに背後に陣取ったバレッラにダンフリースからのパスを通された所から同点に追い付かれた場面は悔やまれる。
WB: コスティッチ 6.0
逆サイドのカンビアーゾと同様に対面したダンフリースの持ち味を消す。その一方で自らの持ち味も相手に消されており、デュエルは引き分けに終わったことで両チームが打開策を見付けられない試合でもあった。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
ダンフリースの背後から急襲し、自らのボール奪取の成功を起点に貴重な先制ゴールを奪取。このようなプレーをコンスタントに披露できると序列は自ずと上がり、立場は確固たるものとなるだろう。
FW: キエーザ 6.0
チャンスに顔を出す頻度は高いが、チャンスでの得点確率を活かし切れていない歯がゆさが残る内容でもあった。得点やアシストを積み重ね続けて勝負強さを印象付けることは欠かせないだろう。
【交代選手など】
MF: ロカテッリ 6.0
61分にニコルッシとの交代で出場。強行出場だったと思われるが、1つ1つのプレーのクオリティーで違いを見せる結果になっていた。
FW: ミリク ー
80分にキエーザとの交代で出場。
FW: ケーン ー
80分にヴラホヴィッチに代わって出場する。
DF: アレックス・サンドロ ー
89分にコスティッチとの交代で復帰を果たす。
アッレグリ監督 6.5
攻撃面でもう少し戦えたのではないかとの指摘は出るだろうが、DF と MF 陣の交代選手が見当たらないほどの緊急事態の状況で首位チームを相手に最善を尽くしていたと言えるだろう。試合で得た教訓を若い選手の糧にすることができればプラスの方が大きくなるはずだ。
グイダ主審 6.0
ダルミアンの右肘がキエーザの顔面をヒットしていた33分過ぎのプレーをノーファールとした判定は議論が起きる可能性はあるが、転がるプレーでは簡単に笛を吹かずに試合全体を上手くコントロールしていた。