2023/24 セリエA第9節が行われ、アウェイでミランと対戦したユベントスはロカテッリ選手のゴールで 0-1 の勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AC Milan [4-2-3-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 83: ミランテ | 1: シュチェスニー |
DF | 2: カラブリア (C) 28: チャウ 23: トモリ 42: フロレンツィ |
4: ガッティ 3: ブレメル 24: ルガーニ |
MF | 80: ムサ 7: アドリ 11: プリシッチ 14: ラインデルス 10: レオン |
22: T・ウェア 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ (C) 11: コスティッチ |
FW | 9: ジルー | 14: ミリク 18: ケーン |
ミランのピオーリ監督は 4-2-3-1 を選択。ラインデルス選手をトップ下で起用し、最前線にはジルー選手、両翼にはプリシッチ選手とレオン選手を配置する攻撃重視の姿勢で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。前節トリノ戦での先発メンバーを骨格に起用し、負傷離脱した主将ダニーロ選手の代わりにルガーニ選手を投入する継続性重視の姿勢で試合に臨みます。
最初に決定機を得たのはホームのミラン。14分に左サイドのレオンからのクロスを巧みに処理したジルーが左足で枠内シュートを放ったが、GK シュチェスニーが横っ飛びセーブで CK に逃れてゴールを死守する。
対するユベントスは23分にミリクが FK を狙うも壁に直撃。この跳ね返りを回収したコスティッチがミドルシュートを放つも、これは枠の右へと外れてしまう。
速攻を完結させるシンプルな攻撃を続けるユベントスは33分にコスティッチのスルーパスに反応したラビオがシュートを放ったが、これもボールは枠の右を通過。GK ミランテにセーブを強いることができない。
すると40分に試合の流れが動く。ユベントスはT・ウェアの縦パスに反応したケーンが入れ替わったチャウに倒され、このプレーでチャウは一発退場。ミランは前半を無失点で終えたものの、残り45分を1人少ない状態で戦うことを強いられてしまう。
後半はミランが “1人多いユベントス” にボールを持たせ、DF ラインの周辺に生じたスペースを使ってレオンの一撃に賭ける狙いが色濃くなる。
その中でユベントスは63分に左サイドにまで進出していたT・ウェアからの横パスを受けたロカテッリが思い切ったロングシュート。これがクルニッチの背中に当たってコースが変わりゴールイン。ユベントスが先制に成功する。
一方のミランは反転攻勢を試みるが、数的不利の状況では上手く前進することができず。ユベントスは先制後の67分すぎから立て続けのイエローカードが提示されるなど不穏な雰囲気の中で試合は最終盤へと突入する。
ユベントスは途中出場のヴラホヴィッチが86分と92分にこぼれ球に素早く反応してシュートを放ったが、どちらも GK ミランテに阻まれてゴールとはならず。それでもロカテッリの得点を最後まで守り抜くことには成功。
試合は 0-1 で終了し、ユベントスが勝点3を積み重ねた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
ジルーが手にした最初の決定機を確実に阻んだことが何よりも大きい。守護神の名に相応しいパフォーマンスだった。
DF: ガッティ 6.0
レオンとのデュエルでは苦労したが、これは想定内。チームがクリーンシートを達成した結果を自身のプレーにフィードバックすることが期待される。
DF: ブレメル 6.5
ゴール前に期待されたプレーを披露。ジルーやレオンとのマッチアップにおいても劣勢に陥ることはなく、強固な守備を安定して提供していた。
DF: ルガーニ 6.0
数的有利な状況による恩恵分を差し引く必要はあるが、手堅いプレーで CB 不足のチームに貢献したパフォーマンスは良いものがあった。
WB: ティモシー・ウェア 6.0
レオンの対応に当たるガッティへのサポートに奔走。アッレグリから求められている足を使った守備で貢献した。攻撃時に若さが全面に出たプレー選択に関しては洗練させて行くべきだろう。
MF: マッケニー 5.5
持ち前の走力を活かしてピッチ上の様々な場所に顔を出していたが、正確性を欠いたプレーが多かったことは否めない。この部分を改善することで希望する MF 起用への道が開かれる。
MF: ロカテッリ 6.5
“ユーヴェ戦で決めたあのミドルシュート” を彷彿させるゴールで今度はユベントスに勝点3をもたらす。中盤が手薄な状況に陥ったため、役割分担の見直しが求められることになるだろう。
MF: ラビオ 6.0
初主将としての試合を勝利で飾ることに成功。周囲にスペースが生じた後半になるほど輝きが増しており、盤石の形で試合を終えられるようチームを導けるかが今後のテーマになると思われる。
WB: コスティッチ 5.5
ルガーニとも連動する形でプリシッチに効果的な仕事をほとんどさせておらず守備面での貢献度は高かった。その一方で得意のクロスで味方のチャンスをお膳立てできなかったことが反省点。
FW: ミリク 5.5
ミラン守備陣の的確な読みに阻まれて効果的な攻撃を繰り出すことはできず。存在感を示せず消化不良に終わってしまった。
FW: ケーン 6.5
チャウとの小競り合いの後、一瞬の抜け出しからレッドカードで退場に追いやることに成功。前半45分すぎのクロスに合わせて先制点を奪えていれば MVP だっただろう。嫌らしいほど効果的だった。
【交代選手など】
WB: カンビアーゾ 6.5
56分にコスティッチとの交代で出場。左右両サイドで攻撃時のアクセントとなり、守備にも献身的に参加するエネルギッシュなプレーでアピールしていた。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
ケーンに代わって56分から出場する。試合終了間際に抜群の嗅覚を見せてチーム2点目のチャンスを2度手にしたが、決め切ることはできなかった。これは反省点になるだろう。コンディションは上々だった。
DF: ハイセン ー
ガッティとの交代で78分から出場。ユベントスでのトップチーム・デビューを果たす。在籍歴のある中堅選手のような落ち着きをプレーで見せて好印象を残していた。
FW: キエーザ ー
78分にミリクとの交代で出場。
MF: ミレッティ ー
84分にT・ウェアとの交代で出場機会を得る。
アッレグリ監督 6.5
離脱者が発生してベストメンバーを送り出せない状況で勝負手を出し、(リフレクトの幸運に恵まれたとは言え)勝点3を持ち帰ることに成功した結果は評価されるべきだろう。試合の最終盤にチーム全体がリスク管理を踏まえた最適な判断ができるかで今後の成熟度が決まってくると思われる。
マリアーニ主審 6.0
反転ターンを終えて入れ替わったケーンを手を使って倒したチャウが一発レッドになるのは止むを得ない。反転ターン中に倒していればイエローで済んだだろう。荒れ気味の試合になる恐れのある中では上手くコントロールしていた。