ファジョーリ選手が無許可のベッティングサイトを利用していた件でイタリア・サッカー連盟(FIGC)からの処分が間も無く出ると報じられています。現時点での『ユベントスの対処方針』について整理したいと思います。
ユベントスが見据えているのは「育成年代のチームに所属する選手の親」
パパラッチの「隠蔽に走った」との主張を垂れ流した一部報道もありましたが、ユベントスは『ファジョーリ選手の無許可ベッティングサイト利用問題』を隠蔽することで得られるメリットが少なすぎます。
と言うのは「ファジョーリ選手の件が表沙汰になった際に “育成年代の有望株選手の保護者” が『我が子のユベントス(のユースチーム)入り』に難色を示すことで被る弊害が割に合わない」からです。
ユベントスはBチームを有していますが、これは「プリマヴェーラ(= U-19)から若手有望株が輩出されること」が前提です。その供給が枯渇していますとクラブ戦略そのものが頓挫することになります。
したがって、ユベントスは「 “依存症(やその疑いあり)と診断された選手” を見限ることはしない」し、「必要な治療措置の受診などをクラブとしてサポートしている」とアピールをする形になるでしょう。
司法取引は『2024年6月30日までの出場停止処分』で済むかが注目点
プレミアリーグのブレントフォードに所属するトニー選手は200件超の賭博規定違反で8ヶ月の出場停止処分を受けました。
ファジョーリ選手は「サッカーのカテゴリーで賭けていた」ものの「ユベントス戦などには賭けていなかった」と報じられています。この報道が事実なら、自己申告を加味した司法取引で『8〜9ヶ月の出場停止処分』に留めることは可能でしょう。
2023/24 シーズンで出場停止処分を消化できますし、再チャレンジの機会を選手に与えることができるため、“落とし所” として悪くはないと思われます。
ユベントスは「依存症に陥る危険性のあることを育成年代の選手に “再教育” する」でしょうし、ファジョーリ選手は「ギャンブル依存症の治療に取り組む」ことでしょう。
特に、ファジョーリ選手はギャンブル依存症の治療に向き合わないと『自らの所属チームを対象にした賭け』に手を出して選手キャリアを潰してしまうリスクに直面しているからです。
厳罰を下したことで “依存症の疑いのある選手” が発覚しづらくなって手遅れになる事例が増加しては本末転倒です。ファジョーリ選手の件がどのような処分が下るのかに注目です。